ロックンロールで一夜漬け

ロックンロールで一夜漬け

音楽に踏み込む探検日記

国産レスポールとバダスブリッジ

こんばんは。

今回はギター改造の話になります。

 

レスポールスペシャル バダス でググった事のあるかた向けの内容です。

僭越ながら、僕はギターを弾きます。

特にレスポールの形が好きで、現在レスポールタイプのギターを3本持っています。

先日、このうちのTokaiのlss93というレスポールスペシャルタイプのギターにバダスブリッジを取り付ける改造をしました。今回はこれについて書いていきたいと思います。

はい。そもそもバダスブリッジってなんじゃいという所ですが、

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これです。この銀色の、弦を引っ掛ける部分ですね。ここのパーツを取り替えました。

元々レスポールスペシャル(又はジュニア)というギターはスチューデントモデルで、パーツを簡素なものにすることでコストを抑えた廉価版です。そのせいもあって、そのままだとチューニングがあんまり合いません。ローコードをじゃかじゃか弾く分には問題ないのですが、ハイフレットの方に行くほどチューニングがずれていくという構造上の弱点があります。

これはブリッジが鉄の棒きれのような単純なものであるため、オクターブチューニングの細かな調整ができないことが原因です。

そこで開発されたのがバダスブリッジです。このブリッジは各弦ごとにコマがついていて、微妙なオクターブの調整ができるようになっています。ブリッジをこれに取り替えることで、ハイフレットの方の音も正確なピッチで弾けるようになるというわけです。

ロックンロールなんてテキトーでいいんだぜ〜なんつっても、やっぱり長年弾いていると微妙なチューニングのズレでたまにイヤな音が鳴るってのはじわじわ気になってくるものです。

豪快なようでいて所々せせこましい、それもまたロックンロールと心得ます。

 

はい。

 

ということで、今回の材料(?)は

ギター・・・Tokai lss-93 

ブリッジ・・・FERNANDES TV バダス タイプ ブリッジ CR 

これに追加として、FIXERのテールピースロックシステムも使いました。

FIXER 1642-N ミリ Nickel テールピースロックシステム

これは何かといいますと、ブリッジをギターに固定するためのワッシャーです。バダスブリッジに交換すると弦高の調整が上手くいかないことがあるとのことで、これでブリッジの高さを固定しました。作業自体は単純なもので、弦を外したらブリッジのネジをドライバーで抜き、代わりのフェルナンデス用のネジを入れてブリッジをはめるだけです。新しく穴を開けたり、既存の穴をさらに深く掘ったりする必要もありませんでした。

 ただ、ちょっと問題だったのがパーツの規格です。実は以前、今回のフェルナンデスのブリッジを買う前にALL PARTSが出しているバダスタイプのブリッジを買って失敗したんですね。というのも、実はALL PARTSのパーツはインチ規格なのに対して、TOKAIのような国産ギターはミリ規格になっていて、違う長さの基準で作られているからです。もちろんコピーモデルなので見た目はそっくりで、実際おおむね同じ寸法にはなっているんですが、問題は規格が違うとネジ穴がはまらないということで・・・。

形はほとんど一緒なのに、ネジ穴が違うばかりにどう頑張ってもはまらないというもどかしさですよ。

しかも通販ではインチ・ミリ規格どっちなのかは書いていなかったりするので、いざ取り付けてみないと分からない事もあります。基本的に国産のパーツはミリ規格で作られているのですが、国産だとはっきり分かるバダスブリッジというのは意外と見つからないものです…。

今回のフェルナンデスは中国製で、正直なところ賭けでしたがどうやらミリ規格だったようで無事に収まってくれました。

 ちなみに、

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こちらが元々ついていたブリッジです。

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こうして並べてみると、つくりの違いがよく分かりますね。

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そして、テールピースロックシステムのワッシャーがこちらです。ちゃんと解説も付いており、分かりやすかったです。ワッシャーは3サイズありましたが、僕は真ん中のサイズの奴がちょうどよかったです。弦高が変わるので、ここは好みによると思います。一応どのサイズを入れても音詰まりはしませんでした。

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改造後の仕上がりがこんな感じです。

見た目にはほとんど変わりませんね。

肝心の音ですが…、やっぱりチューニングが格段に良くなりました!ハイフレットでも違和感なく弾けます。また心なしか、そもそものチューニング精度も上がった印象です。弾いているうちにチューニングがズレていく不具合も減った気がします。

音色もちょっと変わりました。

  

改造前に録音したものがあれば比較になってよかったんですが、すいません、、。

アンプはYAMAHAのTHR-10Cで、iPadGarageBandにつないで録ってあります。

よりジャキジャキしたというか、ハイが強調されてテレキャスに近いような音になった印象です。

恐らく聴くほうからしたらわずかな差ですが、歌に被らない音域に近づいた感じです。弾きながら歌うにはよりよいギターになってくれました。

そして何より、この改造はマーシーもキースも藤くんも施しているものなので、見た目も近づいてちょっと嬉しかったりします。

こいつはそんなに高級なギターではないのですが、何やかんや付き合いも長くなってきたのでこれからもじっくり弾いていけたらいいなーと思います。

機材の良い悪いの基準は世の中様々ありますが、結局は愛着ですね。

「CHUCK」について雑感

 

こんばんは。

2週に1回ペースの更新が板についてきました。

 

さる6月9日ロックの日に、チャックベリーの新作アルバム「CHUCK」が発売されましたね。チャックベリー38年振りの新作スタジオ音源にして遺作でもあるという、非常に大事な作品となること間違いなしの一枚です。

 

個人的な意見ですが、僕は基本的にロックンロールなんてものは、てきとーに気ままに聴きあさってヘラヘラ楽しんだらいいと思うのです。そりゃあ時に名盤中の名盤とといわれているようなものを聴くときなどは、多少心構えを持ってかかることもあるっちゃあります。でも元々は若者文化のサブカルチャーなのであって、そこはテレビをのんびり観るくらいの感覚で触れていいものだと思うのです。

何となくテレビつけたらサザエさんをやってたから観てみた、くらいのノリで聴きたいものを聴きたいだけ聴いて、飽きたら一回置いて他のことやったらいいんです。

この人を知らないでどうする、とかこのアルバムを聴かずしてロックを語るな、とかそこまで気張らなくてもいいんじゃないかな、と。

そう思うのですが…。

 

しかし、いや、チャックベリーは…。

チャックベリーだけは、ロックンロールという文化に触れる上で避けては通れない存在だと思います。ジョンレノンも、ロックンロールという言葉を言い換えるならチャックベリーだろう、と言っているくらいですし。

余談ですが、「ロックンロール 宇宙」で検索するとチャックベリーが関連項目に出てくるのアツいです。

恐らく、宇宙船に人類の音楽文化としてチャックベリーの曲が搭載されたという逸話からでしょう。どっかで宇宙人がロックンロールを聴いているかもしれねえというそのロマンですよ。

 

話が逸れました。ともかくそんなチャックベリーの新作「CHUCK」、発売日に御茶ノ水ディスクユニオンで買ってきました。アナログ盤です。

壁に3枚飾ってあって、そのうちの1枚を連れて帰ってきました。「チャックベリーの新作レコードを発売日に買う」という、それだけでももう今後一生できない体験だと思うと緊張しましたね。

ジャケットは黒い背景に大股でギターを抱えるチャックベリーと、非常にシンプルです。f:id:yoshima_ryoichi:20170619210256j:image

盤についてもシンプルで、白地に簡素な黒文字でCHUCKってタイトルと曲名があるだけ。

それ自体何か意味があるのか、無駄を削ぎ落としきったようなデザインです。

 そういえばチャックベリーってチェスレコードのアルバムが多いと思うのですが、今回これはデッカから出てるんですね。

同梱で本人直筆の歌詞と、晩年に近い姿の写真集が入っていました。ジャケットのチャックは多分今よりやや若い頃のものだと思うんで、ちゃんと今の姿が収められていてよかったです。歳とってるけどやっぱり絵になる、格好よいです。

クレジットを見ると娘や息子、孫が参加しているようで家族の協力があっての作品だったようです。後述しますがサポートってよりもゲストメンバーとしてガッツリ演奏が前面に出ていました。 

そして肝心の内容ですが、

「…あれ?普通に格好いい!!」

というのが第一印象でした。

「普通に」なんていうと語弊がありますが、いや何しろ最近のライブ動画が結構ヘロヘロだったので…。

さすがに90歳ですし、年齢的に歌とか大丈夫なんだろうか、と思っていた節もありました。

しかし、このアルバムに関していえば全然衰えは感じなかったです。元気。

曲ごとに見ると、やっぱりBIG BOY 、LADY B.GOODEあたりがモロにチャックベリー節全開って感じで聴いてて楽しかったです。特にBIG BOY は「これこれ!」と言いたくなるような王道フレーズも入りつつ、コーラスの掛け合いなどは既存曲と比べても非常にキャッチーな印象でした。トム・モレロ参加曲なんですねー。

イントロの歌詞も「俺がお前たちくらいだった頃はよ〜」てな感じで、90歳に言われるとなんだかワクワクします。

チャックベリーというとギターのフレーズが何より有名ですが、実は歌も凄いんですよね。歌詞でしっかり韻を踏んだうえで跳ねるリズムで畳みかけるように歌うので、歌だけでも踊れるようなグルーヴがあります。今回もその魅力が十二分に味わえます。

作詞家としても評価が高いというのもうなずけます。考えてみれば Roll Over Beethoven、ベートーベンをぶっとばせ!なんてフレーズもすっごいパンチラインですよ。

LADY B.GOODEはジョニビグーの焼き直しといってしまえばそれまでですが、ギターに息子、孫が参加しているとのことで親子三代の共演を果たした一曲という点で味わい深いです。

どのソロが誰だろうなんて考えるのも楽しいですね。

この二曲はど真ん中の王道ロックンロールでしたが、ではアルバム全体が最初っから最後までロックンロール一辺倒かというとそんなことはなく、かなり色々な曲があるのも面白いところです。たとえばA面4曲目の3/4 Timeという曲はワルツ調で、ぶんちゃっちゃーぶんちゃっちゃーというリズムの曲です。歌も歌うというより語るような感じで、跳ねるリズムでグイグイ押していくのとはまた違った良さがあります。

Jamaica MoonはHavana Moonの焼き直しにあたる曲でしょうか。ギターの音が複数ダビングされてるのと、コーラスがしっかり入ってるのでHavana Moonよりちょっと豪華ですね。

たしかキース・リチャーズがチャックの曲で一番好きなのがHavana Moonだという話があったので、さぞかしこれを聴いて喜んでいるのではないでしょうか。

 また曲順ラストにあたる Dutchman〜Eyes Of Man、これらも語りかけるような曲調です。

自分の最後のアルバムに、エレキギターを弾き倒すような曲やインスト曲ではなくこういった言葉を聴かせる曲を多く入れているあたり、本人の自己認識としてはギタリストというよりシンガーだったのかもなあとも思います。

 

・・・こう振り返ってみると、過去曲の自己オマージュだったりひたすら喋ってるだけだったり、冷静に考えるとなかなか首をかしげたくなるような事を沢山やってますね。

でもそれが格好良くて、しかも聴き飽きない仕上がりになっているのは流石も流石で、やっぱり大発明だったんだなと改めて思いました。

Bunkamuraのロック展に行ってきた

 

 こんばんは。

先日、渋谷のBunkamuraで開催されていたロック展に行ってきました。

最近やたら展示行ってますね…。なんでだろ。

こちらの展示会です。

「ジェイミー・リードからバンクシーまで」ということで、主にセックス・ピストルズなど70年代パンクロックのグラフィックから、そのパンクやロックの文化に影響を受けたアートの展示というコンセプトのようです。

デヴィッド・ボウイセックス・ピストルズラモーンズ、クラッシュなどの70〜80年代ロックスターを中心に、ビートルズストーンズも含めた幅広い展示でした。

SNSに載せる範囲での撮影OKとのことで、何枚か撮ってきました。

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入口の展示です。ビートルズですね。この展示は70年代中心ということでしたがビートルズ関連の作品も結構ありまして、サージェントペパーズのジャケットのオフショット風絵画や、ジョンやポール直筆の絵など興味を引かれるものが沢山ありました。


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中でもこの4枚は、後期ビートルズの4人の特徴をよく捉えていて素敵だと思いました。

ジョンは見るからに危険な色、ポールはポップながら狂気のある配色で、ジョージはどこか東洋風(インド風?)な幾何学模様とポーズ。そして他と比べて明らかに毒気のない穏やかなタッチのリンゴ。

やー、いいですね。

展示全体を見るとパンクロック、グラムロック、そしてそこに影響を受けたグラフィティアートが多く、特にバンクシーの風刺画はめっちゃパンチ効いてて異彩を放っていました。

 僕は恥ずかしながらまだデヴィッド・ボウイの良さが分かっていなくて、むしろ同時期ならマーク・ボラン派であったりもするのですが、やはり生で大きな絵で見ると迫力があるものです。飾られていたのはAladdin Saneのジャケットだったと思います。

こういう風貌でロックをやるということを全く前例のない1973年にやってのけたというわけで、リアルタイムだったら相当衝撃だったんだろうということは想像に難くないです。

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また70〜80年代つながりか、ツェッペリンラモーンズの絵もありました。

この中央左のジョニー・ラモーンの絵が個人的にお気に入りです。バレーコードを押さえる左手に視線を向けてるあたりが渋い。

 中央右には同じくラモーンズからジョーイ・ラモーン、そして右下にジョージ・ハリスンもいます。白スーツに白ストラトだからソロ時代ですね。わあい。

こうして見ると、この辺りの時代の人達は本当に絵になるというか、容姿からキャラクターが立っていますね。 

個人的に今回は、グラフィティアートなどにもロック文化の影響が波及しているというのが新しい発見でした。それを踏まえて調べてみると、好きなバンドやミュージシャンからまた全然違った分野への掘り下げができるんだろうなーと思います。

どんどん広がっていきます。

忌野清志郎のギター展に行ってきた

 

こんばんは。

この5月中旬くらいの気候が僕は好きです。

 

先日、渋谷で開催されている忌野清志郎のギター展に行ってきました。

正式には「ロッ研ギターショー at Amrita Custom Guitars」ということで、先日発売された忌野清志郎の愛蔵楽器写真集に連動して開催された展示会になります。写真集に掲載された忌野清志郎の使用ギター達を実際に目のあたりにすることができる機会というわけですね。

場所は渋谷のアムリタカスタムギターという楽器屋で、ここは生前忌野清志郎のギターの管理をされていた方が経営している個人のギターショップなのだそうです。オリジナルのギター販売も行っており、このところ仲井戸麗市もといCHABOさんが愛用しているバタースコッチのテレキャスターもこのアムリタ製のようです。

この動画で持ってるテレですね。いい音。

(余談ですが、貼ってるキスマークのステッカーはクロマニヨンズの「キスまでいける」のジャケットのステッカーですね。後輩バンドのステッカー貼るなんて素敵です。)

以前ライブで観たときこのテレキャス一本で弾き語りをする姿が非常に格好良く、後で調べて「CHABOが使ってたギター作ってる、このアムリタってどこのメーカーだろう?なんでフェンダーじゃないの?」と思っていたのですが、清志郎つながりだったならば納得です。

 

話が逸れてしまいましたが、ともかくギター展行って来ました。

お店は大通りから一本奥に入った裏通りにありました。ギターショップというよりは喫茶店かセレクトショップのような佇まいです。お洒落。

一階と二階があって、一階の方の小物の展示は撮影OKでした。

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こんな感じでギターケースが一杯です。ギブソンフェンダーはもちろんとして、カジノやリッケンバッカーといったビートルズを思わせるギターもちらほらありますね。

 ジャズマスターとかもあって、そんなのも使ってたんだなー…と意外でした。

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ギターケースの脇には写真が数枚と、タイマーズのサングラス?と、テレキャスのピックガードが飾られていました。ピックガードはフロントのザグリがP-90サイズなのを見るに、広告にもあった赤いテレキャス(厳密にはエスクワイア)のものでしょうか。テレキャスで赤ピックガードというとウィルコジョンソンで、なんらかリスペクトがあったのかあと…。ウィルコと清志郎て同世代くらいですかね?

二階に上がってみると、清志郎の使用ギターがズラリと並んでいて壮観でした。残念ながらここは撮影禁止ということで、心のフィルムに焼き付ける感じでした。

もちろん今回の展示は写真集で見られるものではありますが、実物はやはり独特の雰囲気がありますね…。付喪神なんて言葉もあり、ひとが使い込んだものには何かが宿るというのも信じたくなります。

肝心のどんな楽器を見たかというところですが、覚えている範囲で

Fender Esquire (ナチュラル?)

Fender Telecaster バタースコッチ

•Les Paul 1960 ゴールドトップ

Fender Jazzmaster オレンジ色?

• Rickenbacker ファイアグロー

Gibson Flying V 

•改造Flying V(V部分切断?)

•Guild bluesbird

•テスコ、グヤトー

•casioのギターシンセ

Gibson アコースティックギター多数

マンドリン

•法螺貝

 などなど…。あとセミアコもいくつかあったかな、意外と覚えてない自分が憎いです。

 

やっぱり目を引くのはゴールドトップのレスポールエスクワイアですね。レスポールは1960年かそのあたりで、いわゆるヴィンテージですね。ただでさえ非常に高額がつけられる年代のもので、まして清志郎の所有物ともなると最早プライスレスの域でしょう。ブリッジがバダスに換装されている以外はハッキリとした改造の跡はなく、金色の塗装が剥げ、緑青がついていて、ボリュームノブも型が古いものがそのまま付いていて、なかなか歴戦の風格があります。

エスクワイアの方も相当年季が入っていて、元々の色が焼けてもはや木目そのままのナチュラルに近い色合いです。エスクワイアはフロントピックアップが無いギターですので、P-90を後からわざわざ取り付けた格好になります。そういえばジョンレノンも同じく、フロントピックアップのないレスポールジュニアに改造をしていましたね。

テレキャスエスクワイアって元々良くも悪くも木の板そのままっぽいデザインなので、年季が入ると尚更古い板切れっぽくも見えます。それがまた渋くて良い感じです。

他に目を引いたものとして、オレンジ色のジャズマスターは珍しいなと思いました。店長さんによると、清志郎がちょうどそのオレンジ色が好きだった頃に手に入れたということで、どうも色で選んだ一本のようでした。

たしかに清志郎って黄色とかオレンジ色とか派手な色のイメージありますね。

また、おそらく高額なヴィンテージギターが並ぶ一方で、テスコなどの比較的安価なギターもあるのが印象的でした。安価なグレードの中でもえてして良い音がするものはあるので、たぶん安い中でも選び抜かれたものだとは思われますが、なんだかちょっと親近感です。中にはcasio(電卓とか作ってる会社のcasioです、最初casinoかと思って三度見しました)のギターシンセなんかもあったりして驚きです。

ギルドのbluesbirdというギターは、店長さんが手にとってその場にいた人達に見せてくれました。このギターの裏には清志郎の子供の写真が貼ってあって、折に触れてステージから観客に見せびらかしていたそうです。でも小さい写真なので、見せられてる方は何だかわからなかったとのことです…。そんなほっこりな逸話を聞いたら「でもそれステージでぶん投げてましたよね、そんでメンバーが慌ててキャッチしたり。」という話がその場にいたお客さんから出てきたりして、面白かったです。

店長さんは清志郎と直の知り合いで、展示に来ていた方もライブに何度も行った人達が多かったようで、ちらほらそんな思い出話を聞くことができました。

他にもV字が叩き折られたフライングV(のようなもの)や、年代物の四弦アコギ、マンドリン、果てはほら貝などユニークな楽器がたくさんありました。

やはり全体的に一風変わった機材が多く、ほんとに愛やこだわりを持って楽器を集めていた人だったんだろうな〜ということが伝わってくる展示でした。

行ってよかった、非常に面白かったです。

 

そして…あの、展示の横にひっそり並んでいたアムリタのオリジナルギターがすごい良さそうでした。

いつか小金ができたら、弾きに行ってみようかな…。チャボと同じギター…。

 

 

ポールマッカートニーを観た

 

 

こんばんは。

GWはリス園でうさぎと戯れていました。

 

今更になってしまいましたが…。

ポールマッカートニー、4月30日の東京ドーム公演に行ってきました。今回はその感想です

いや、もう、凄かったです。

まずセトリは、

01. A Hard Day’s Night
02. Junior’s Farm
03. Can’t Buy Me Love
04. Jet
05. Temporary Secretary
06. Let Me Roll It
07. I’ve Got a Feeling
08. My Valentine
09. 1985
10. Maybe I’m Amazed
11. We Can Work It Out
12. In Spite of All the Danger
13. You Won’t See Me
14. Love Me Do
15. And I Love Her
16. Blackbird
17. Here Today
18. Queenie Eye
19. New
20. The Fool on the Hill
21. Lady Madonna
22. FourFiveSeconds
23. Eleanor Rigby
24. I Wanna Be Your Man
25. Being for the Benefit of Mr. Kite!
26. Something
27. Ob-La-Di, Ob-La-Da
28. Band on the Run
29. Back In The U.S.S.R.
30. Let It Be
31. Live And Let Die
32. Hey Jude
encore
33. Yesterday
34. Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)
35. Get Back
36. Hi, Hi, Hi
37. Golden Slumbers
38. Carry That Weight
39. The End

 

以上の通りです(http://nme-jp.com/news/37437/より引用させていただきました)。

 

いや、39曲て。

これだけの曲数を、ほとんど休憩なしで演奏しきるだけでも凄まじいことです。ポールマッカートニー今年で75歳ですが、全く年齢を感じさせないですね。

良かったところはどこかっていったら全部なのですが、もう最初の A Hard Day’s Nightの不思議な一音目から、「やべえビートルズの人来た!目の前にいる!」って感じで鳥肌でした。

Can’t Buy Me Love、We Can Work It Out、Love Me Doあたりのビートルズ時代の曲では特に、これは現実かと疑うくらいで夢見心地でした。

しかし、パフォーマンスが数十年前のCDやレコードと比べても聴く限り全く落ちてないのが驚きです。なんだか80〜90年代くらいのライブ映像からそのまま抜け出してきたような、まさにバリバリ現役のポールマッカートニーそのものという印象です。。

本人も「Sgt. Pepper’sから50年なんて信じられない!俺はまだ52歳だよ!」なんて言ってましたので、ポール自身の感覚としてもそんな感じなのかもしれません。

 

 さて演奏に関して、まず楽器についてですが、お馴染みのヘフナーベースやギブソンレスポール(サンバーストとサイケ柄の二種が登場しました)、アコースティックギター、ピアノそしてマンドリンと曲ごとにとっかえひっかえ演奏されていました。個人的にはレスポールをギターボーカルで使っているのがツボです。なんとなくスタンダードのレスポールは歌いながら弾くには向かないという通説ですが、ポールがやってるなら間違いないです。

そして何より、歌がやっぱりすごい強いですね。メロディ重視の繊細な歌い方から激しいシャウトまで非常に幅広く、それぞれが曲に非常によくハマっているのは流石としかいいようがないです。

ビートルズが成功した理由は様々だと思いますが、何だかんだいっても歌が上手かったからというのがかなり大きいんじゃないかと思います。上手いといいますか、激しさも優しさもスッと人の心に届けられるような、そんな不思議な力がありますね。

 また、年齢を感じさせないパフォーマンスとはいえ、所々で年月の経過を感じさせる場面もありました。この曲は奥さんのために作った曲です、この曲はジョンが亡くなった時の曲です、この曲はジョージの曲で、マンドリンを持ってジョージの家で弾いたりしましたよ、というような次第ですね。なんだかショー全体で1人のひとの人生を垣間見ているようで、感慨深かったです。

また当時非常に険悪な雰囲気の中で製作されたというOb-La-Di, Ob-La-Daが普通にみんなで楽しく歌う曲として演奏されていたりもして、これは今この時代だからこそ観られるショーなんだろうなと思いました。

 

 ビートルズ時代の曲ばかり挙げてきましたが、Bund On The RunやJetなどのウイングス以降の曲もやはり良かったです。予習した甲斐がありました。また、Newなど最近の曲もちゃんと演奏されていたのもポイントです。おそらく一番新しかったのはFourFiveSecondsで、この曲はバックに歌詞が表示されてとっつきやすいようになっていました。おそらく昔の曲を聴きたくて来ているファンが多い中で、その期待に応えつつも、一方では新しい曲を聴かせる配慮もなされているというわけですね。

 前回も触れましたが、やはり凄いアーティストは過去に大きなヒットがあっても懐古主義的にはならず、時代時代で新しいことを求めるものなんだなと改めて思いました。

とはいえ、やはり最後はLet It Be、Hey Jude、YesterdayそしてGolden Slumbers~Carry That Weight~The Endのメドレーと定番の流れで、これはもう圧巻でした。

ここに関してはもう書きようがないです。

こんな体験ないですよ。

 

はい。

 

改めて振り返っても演奏もセトリも最高だったし、ポールマッカートニー本人も2時間以上のショーでずっと上機嫌ふうで、あったかい人だったなーと思います。

年齢的にもこれで最後だろうなと思って今回行きましたが、またくるよーって言ってくれてて、なんだかそれも信じたくなるようなショーでした。

来てくれるといいな。

 

ポールマッカートニーが来る

 

こんばんは。

こう暖かいと、頭ゆるゆるになってきますね。

 

いよいよ今週に迫ってきました。

何がって、ポールマッカートニーの来日公演です。後から発表された武道館公演も含めて全4回の日程です。僕は土曜の東京ドームに行ってきます。S席を取りました。やったぜ。

 

僕なんかは生まれた時にはとっくにジョンレノンはこの世の人でなく、また物心つく前にジョージハリスンも他界してしまったというくらいの後追い世代なので、ビートルズのメンバーの姿が生で見られるという、それだけでも奇跡のように思えます。

今回は元気でやりきってくれることを願うのみです。今年で御歳75歳ですよね…。

さて、この来日公演、ビートルズ以外の曲も多く演奏されることが予想されます。

考えてみれば当然で、ビートルズのキャリアは濃密とはいえたったの10年であって、長さで言えばその後のウイングス及びソロ期間の方がずっと長いわけですからね。

正直コンサート行けるだけでも奇跡だと思っているので、Let It BeとHey Judeが聴ければ満足、あとはHard Day's NightやAll My Lovingでも聴ければ最高というのが本音ではあります。ですが折角なので、ソロ期間の曲も押さえて少しでも知ってる曲を増やしていきたいところです。

ということで先月あたりから少しずつ、ソロやウィングス時代の曲を漁っている次第です。

今回は、その中で聴いてみたいくつかに触れてみたいと思います。

よろしくお願いします。

 

•Band On The Run

ウィングスのアルバムの表題曲にもなっている曲です。このアルバム非常に評価が高いそうで、歌詞考察や講評がたくさん出てきます。

ジャケットもカッコいい。監獄ロックかな。

曲は三部構成で、全然違う曲調を三つ続ける形式になっています。ビートルズ時代のA Day In The Lifeや、Golden Slumber~Carry ThatWeight~The Endにも見られる手法です。

シンセの音が印象的なバラードから突然ロック調になり、そこからアコギが響く爽やかなコーラスが続く形です。最初は不思議でしたが、囚人達が脱獄し逃げ出す過程を追った歌詞も踏まえるとドラマチックな構成ですね。

俺たちのバンドは逃げるぜ!って、逃げるというワードは普通はなんだか格好悪いものなのに、ロックスターが歌うと格好いいというのも不思議です。

忌野清志郎のベイビー!逃げるんだ。とかもそうですね。全然違う曲ですが。

 

•My Brave Face

 

はい。こちらはFlower In The Dirtというアルバムからの一曲目です。このアルバムはスランプと試行錯誤が数作続いてからの原点回帰という立ち位置で作られたものだそうで、たしかにビートルズから聴いても違和感のない曲が多い印象です。エルヴィス・コステロとの共作で、先日リマスターが出たばかりでもあります。

レコードコレクターで特集されていました。

Drive My CarやTaxmanのようなモータウン風のベースラインに、そしてやっぱりメロディがすごく良いですね。ビートルズの頃からポール曲はメロディがめっちゃ親しみやすいイメージがあります。 また、アコギ2本で撮られているデモ音源の方を聴くと、ああこれはやっぱりビートルズ時代に寄せて作られた曲なんだなあという感じがします。

またこのアルバムは89年のリリースということで、曲によってはシンセベースや打ち込みが取り入れられていたりと時代を感じる部分もあり、その辺からいっても面白いです。

 

•New

 

歌詞の入れ方がカッコいい…。

これは2013年リリースで、名前の通り新しい方の曲ですね。

かなり若手のプロデューサーを起用しての意欲作ということで、70代にさしかかってもエネルギーに溢れているのは流石です。

 考えてみるとボブディランもデヴィッドボウイも若手と難しそうなアルバムを作っていたなあと思うので、ほんとうに凄い人は新しい感性を持ち続けているものなのかもしれないなとも思います。

曲の方は、まず何よりメロディがすごく良いですね。わぁ、ビートルズの人の新曲だ〜〜って感じです。

でも拍の感覚が所々不思議だったり、イントロから入るシンセの音程が絶妙だったり、「そこでそう来るか⁉︎」と思うような所があって、やはりただの良メロディの曲に終始しないあたり流石です。

また、歌詞にも年を重ねたからこその深みがありますね。自分に何ができるのか知らずにきた、だから新しくなれたんだ、と74歳のポールマッカートニーが言うのはズルいです。

 

はい。

聴いているとどうしてもビートルズと比べてしまうし、またビートルズらしさを期待してしまう事もあり、なかなか難しいところです。

調べてみて思いましたが、ポールマッカートニーって長いキャリアの中で低迷期もあれば、流行りを取り入れようとしてセールス失敗した時期もあったり、かなり試行錯誤を重ねているんですね。ずっと最先端で高く評価され続けているわけでは必ずしもないというのが、僕にとっては発見でした。(70代で海外ツアーをやってるのは超人としか言いようがないですが…。)

しかし、だからこそ未だに新しい試みを続けてライブもやり続けているということが一層カッコいいのではないでしょうか。

 

楽しみです。土曜早く来い。

 

ドレスコーズmemeツアーファイナルに行ってきた

 

 

おはようございます。

新学期ですね、週末で散るといわれていた桜が意外とまだ元気です。

 

昨日、新木場スタジオコーストドレスコーズmemeツアーファイナルに行ってきました。

このあいだ出た最新アルバムの「平凡」を聴いてめっちゃ衝撃を受けまして、これはライブを観に行かなくてはと思い立った次第です。

アルバムはエゲツない程ファンキーな演奏で、なおかつ20世紀のカルチャーそのものと決別するかのような世界観がぶちこまれた、とんでもない作品でした。

それを引っさげてのこのライブだった訳ですが、これももう輪をかけて大変なものを観させられた印象です。

普段飽きもせずロックンロールのライブばっかり行ってる身からすると、正直「訳わかんないけどすごい、やべぇ」意外の言葉がないですね…。DVD出たら買います。これは本当にじっくり観ないと分からない。

とはいえ、折角ライブに触れた直後ですので、一回ここで改めて振り返ってみたいと思います。

 

まずセットリストですが、 

1.common式

2.平凡アンチ

3.マイノリティーの神様

4.towaie 

5.メロディ 

6.ストレンジャー

7.規律/訓練

8.Automatic Punk

9.ヒッピーズ

10.エゴサーチ&デストロイ

11.人間ビデオ

12.ゴッホ

13.アートvsデザイン

 

encore

1.人民ダンス

2.20世紀(さよならフリーダム)

 

 でした。過去曲もいくつか見られますが、ほとんどはアルバムの再現に徹している感じですね。今回かなり飛び抜けて異質なので、当然といえば当然かもしれませんが…。

またドレスコーズは、フロントマンの志磨遼平以外はライブの度に毎回メンバーが変わることで知られています。今回はというと、まずホーンが3人、パーカスが1人、そしてドラム、ベース、ギター、ボーカルという8人編成でした。

ホーンとパーカッションがいて、平凡のアルバム音源をほぼそのまま再現できる編成となっていましたね。

 怪しげなSEが流れてメンバーが登場すると、これもまた不穏なギターの音色から始まって、そのまま挨拶なしに一曲目のcommon式へ。ボーカルの志磨遼平は終演まで一貫して、グレーのスーツとシャツに眼鏡のいでたちでした。ジャケット写真の通りの格好ですが、実際に見ると尚更異質です。

動きはなんだか独特で、普段とはロックスター然とした振る舞いとはまた一味違う様子でした。手足を振り回す激しい動きは減って、かわりにパントマイムのように両手で壁を作るようなポーズなんかが多かったです。なんというかカクカクしていて、人形やロボットみたいな感じでした…。

演奏に関しては、まずcommon式、平凡アンチなどアルバムでも好きだった曲はますます磨きがかかってゴリッゴリになっていてめっちゃ良かったです。ファンクって元々はソウルをさらに泥臭くしたような黒人音楽で、本来はめっちゃ生々しいものであるはずですが、衣装や歌詞、パフォーマンスも相まって「熱く激しいのに虚無」というような、観たことないような何かになっていたように感じました。

他の曲に関して言えば、規律/訓練がずいぶんライブ化けしたなというのが印象的でした。あんなに大暴れする曲だったとは。ホイッスル吹きまくって号令みたいなポーズで叫ぶ志磨さんの横でギターを地面に叩きつける有島コレスケとやべえ絵面でした。そしてこの規律/訓練のあとに過去曲のAutomatic Punkをぶっこんでくる展開も難しくて最高です。この2曲ってわりと対極の主張のような気がするんですが…。

 ギターといえば、今回ギタリストは有島コレスケでした。普段ベーシストとしてよくドレスコーズに登場する方ですね。ギタリストとして観るのは初めてでしたが、テレキャスター1本でファンクらしい16分カッティングから、ぶっといリードギター、飛び道具的なディレイから穏やかなクリーントーンアルペジオまで、非常に多彩な音色を使い分け1人で何役も担っているような様子でした。マルチプレイヤーで多彩な音世界を持ったベーシストって格好いいっすね…。

ベースは山中治雄、ドレスコーズの初代ベーシストですね。残りの初期メンバー2人と違ってどうもここ最近は主だった出番がなかったようですが、ここで再び登場したことで喜んだファンも多かったのではないかと思います。名前を叫ぶ声も聞かれました。

アルバム音源の吉田一郎も本当に大概ですが、それに劣らないゴリッゴリのベースでした。

特にAutomatic Punkのおどろおどろしいベースラインとコーラスが良かったです。この曲ファーストアルバムの中で一番好きなので、聴けて嬉しかったです。

テレビなんかより戦争がしたい。

 

また全体の構成で印象的だったのが、激しい演奏とは裏腹に、ライブ自体は終始とても淡々と進んでいったということです。煽るようなMCや語りはなく、大道具のような派手な演出もなし。 ただ曲が演奏されていくだけという、それ自体も平凡の表現の一つなんだろうなと思います。演奏以外で異常性のアピールや個性の主張を一切せず、演奏中も今までのドレスコーズのように客席に飛び込んだり、煽ったりもしない。

そして何より最後の曲、20世紀(さよならフリーダム)、これがとても良かったです。ファンク色を残しつつもテンポは抑えられ、歌謡曲といった方がいいような古き良き空気を醸す穏やかなメロディの曲でした。ロックバンドのツアーファイナルとは到底思えないような静かな終わり方でした。

しかし最後のメンバー挨拶では本当に誰もが良い笑顔で多幸感に満ちていて、ああこのツアーでこの人達がやりたかったのはこういうものだったんだな、と改めて思いました。

「さよならデヴィッドボウイ!さよならチャックベリー!さよなら資本主義!さよなら20世紀!ありがとう!」と叫び、笑顔で穏やかに終わる。そんなライブは、20世紀のロックンロールやカルチャーに精通し、なおかつ21世紀を生きる人達だからこそできるものだと思います。

 実は今回、個人的に音源とライブで一番違いを感じたのが、このライブ後の穏やかで幸せな空気感です。もっと喪失感のある感じかと思いきや、全然そんなことなく、むしろ真逆の余韻があるものだったのです。

曲のテーマは個性の否定なのに、とても個々のメンバーの持ち味が光る演奏。20世紀との決別の歌のはずなのに、その時代への愛に溢れたメロディ。熱いのにどこか虚無で、悲しいのに穏やかで前向き。色々と相反する要素がぶつかり合っていて、不思議な気分になるライブでした。 

また他に面白いなーと思ったのがライブ前後に流れていたラジオ風のBGMで、聞いた限りでは「今ではとても聴くことのできない20世紀の曲をご紹介いたします。放送禁止かもしれませんね。」といったmcがありました。これは「近未来のファンクバンド」という今回の設定に乗っかった近未来のラジオ番組ということだったのかもなと思います。こうしたSEやロビーのポスターなど、細かな所にも芸が細かい仕掛けがあって面白かったです。

 

はい。

 

以前ここに書いたことにも絡みますが、ライブも含めてこの「平凡」は、これからどんどん20世紀の文化の担い手が亡くなっていくという未来に向き合ったうえで、その事に対する一つの答えになりうる姿勢を提示しているのではないかと思いました。 

それはおそらく特に20〜30代の物好きにとって今後めちゃめちゃ大事になってくるテーマで、だからこそこのタイミングでこの作品に出会えて良かったと思います。

とはいってもこのままずっとドレスコーズがファンクギャングでいるとも思えないので、次はどんな形で来るのか楽しみでもあります。

 

ともあれ、DVD待ちです。