ロックンロールで一夜漬け

ロックンロールで一夜漬け

音楽に踏み込む探検日記

桜とロックンロール


こんばんは。

暖かくなってきましたね。皮ジャンパーが焼けるようです。

平成最後の四月です。今年は桜の開花が早くて、もうすっかり散ってしまいました。毎年のこととはいえやはり綺麗なもので、近所の公園の何気ない桜の木であっても、やはり見入ってしまうものです。また、暖かい気候もあって桜並木の下を歩くのは気持のよいものですね。


で、ふと考えたわけです。


桜をテーマにしたロックソングってあんまりねえな、と。

僕が知らないだけというのはもちろんあるかと思いますが、なぜかいくら考えてもほとんど思いつかなかったです。

そもそもロックンロールってアメリカで生まれてイギリスで磨き上げられたようなところがあるので、日本の情緒である桜は合わないのかもしれません。また、本来無骨な不良音楽であるロックンロールでは、華やかで綺麗な桜は題材にしにくいのかもしれません。逆にJ-POPになると、桜とタイトルにつけると曲が売れるというくらい定番となっているのが面白いところです。

折角なので、ロックバンドの曲で桜をメインテーマにしたのはないかな?と探してみました。

先述のとおり、春になったら桜が咲いて…というのは日本の情緒なので、必然的に邦楽ロックを探すことになりますね。


桜の花舞い上がる道を-エレファントカシマシ

一番に、というか唯一浮かんだのがこれです。

ミヤジほど桜が似合うロックボーカルもそういないと思います。

エレカシは無骨なギターロックからポップ寄りまで色々ありますが、この曲はストリングスが多用され、一際華やかでポップなアレンジになっています。

やっぱり桜ってそういうイメージなのでしょう。

 

桜の季節-フジファブリック

フジファブリックのファーストシングル曲ですね。親しみやすいメロディと裏腹にかなり複雑な展開で、聴くたびに発見がある曲でもあります。初期のフジファブリックってかなりプログレっぽいというか、攻めた曲が多くて面白いです。ロックンロールってよりはロックかな。

なんとなく個人的には、エレカシが満開の桜並木だとするなら、フジファブリックの桜の季節はひっそりと立つ一本だけの夜桜を眺めているようなイメージです。

若者のすべてや赤黄色の金木犀など、フジファブリックの曲は四季折々の情景が織り込まれていて、そこがとても素敵です。


チェリー -スピッツ

これは桜の曲としていいのか難しいところですが…。

全体的なイメージが春っぽいのと、タイトルと踏まえると、Cメロの春の風に舞う花びらというフレーズが桜のことなのかなーと。

これもメロディや音がとても綺麗で、なのに歌詞が抽象的でとらえどころのないあたりが独特です。

子供の頃はただただ良い曲だなーと思って聴いていましたが、大人になって改めて聴くとなにか切実な思いが裏にあるような気がしてきますね。

 

さくら-グループ魂

うん。


CHE.R.RY- 向井秀徳(カバー)

僕が知る限り桜がテーマで一番ロックなのはこれです。

最初見たとき、タイトルの誤植かと思いました。でも違いました。

いやしかし、タイトル通りならそれはそれで一体何だというのでしょうか。

後輩の曲っていっても、他にもっとあっただろうに…。

本来なら苺のショートケーキにキンミヤ焼酎をぶっかけてサラダボウルに盛って食べるようなミスマッチのはずですが、それでもこの人が歌うとなんかこういう表現なのかなと思えてしまうのが恐ろしいところです。

「指先で送る」がなんか性的衝動的なアレにさえ聴こえてきます。


はい。


こう並べてみると、何だかやっぱりロックバンドは桜に対しては変化球を投げがちな気がしてきます。桜をテーマにした曲はあれど、桜が舞っててキレイだなーみたいな直球の曲はあんまりないような…?

不思議です。



レコードプレーヤーの回転数調整の話


こんばんは。
暖かくならないのに花粉だけ飛んでくるのはどうしてなのでしょう…。

先日、初めてレコードプレーヤーの回転数の調整という作業を経験しました。今回はその話になります。
同じような事で悩まれている方ももしかしたらいるかも知れませんし、ご参考になれば幸いです。

はい。そもそもレコードプレーヤーの回転数って何の話かというところから考えたいと思います。
アナログレコードというものは、盤ごとに回転数が決まっています。一般にLP(いわゆるフルアルバムの大きさ)は1分間に約33回転、EP(いわゆるシングルの大きさ)は1分間に45回転
という速度で回すと、正しく再生されるということになっています。
この回転数が基準より早いと音が高くテンポが早くなり、反対に遅いと音が低くテンポが遅くなってしまいます。よくビデオなんかの早送りでキュルキュルした音が出る表現がありますが、あれはその現象を表したものですね。テープなんかでも同じことがあります。

大体のレコードプレーヤーは33回転と45回転の2種類の速度モードを選べるようになっていて、LPを聴くときは33回転、EPを聴くときは17回転のモードを選択します。
本来ならそれで問題なく聴けるはずなのですが、アナログゆえにこの回転数がビミョーにずれていることがあるようでして…。
33回転(厳密には33と1/3回転)のはずなのに、ほんのわずかに早かったり遅かったりすることがあるんですね。
これによって、再生してみると本来の録音より微妙に音が変わってしまうことがあるわけです。

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さて、話を戻しましょう。

僕のプレーヤーはaudio-technicaのAT-PL300というヤツで、1万としないエントリークラスです。それもあってか、聴き続けるうちにいつしか33+1/3回転よりほんの少し早くなってしまっていました。
そのせいで音源がすこーしだけ早く、ボーカルの声が高くなっていたのです。
わずかな違いだったのですが、先日Liam Gallagherのソロアルバムを購入した際に、ダウンロード版と聴き比べて「なんかリアムの声が違うな?」と思い、気がつきました。
別に不協和音とかにはならないので、聴く分に支障ないといえばないのですが、やはり気になりだすと気になってしまうわけで….。

安物だからと諦めていたのですが、よく調べたら自分で細かな回転数を調節できることが分かりました。
いわくプレーヤーの裏面に穴があって、ここにドライバーを突っ込んで回すことで微調整ができるというのです。
説明書でも読んだ覚えがなかったもんで、半信半疑で見てみると…ありました。

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これですね。33と45で別のアナがあります。
さっそく手持ちのドライバーを突っ込んで回してみましたが…音が変わらん!!
はい。どうやらこれ、ちょっとコツがいるようです。というのもこの穴、普通のネジ穴ではなくなぜかスポンジが詰まっていて、そこにマイナスドライバーを埋め込んで回すような感じなんですね。カチッとはめてクルッと回すという感触ではないです。
色々試したら、やや細めのマイナスドライバーを深めに差し込むといいみたいでした。

試行錯誤の末、確かにこの穴で回転数が調節できました。しかし今度は、この調節の効きがかなり極端で、いい速度で合わせるのが難しいという問題に直面します。
時計回りに回すと早く、反時計回りに回すと遅くなったのですが、ドライバーを半周も回すともう回しすぎで、メッチャ早くなったり遅くなったりしました。
クルッ、というよりクッ、くらいで少し回しては再生して音を確認して、という作業の繰り返しです。何だかんだ30分以上かかってしまいました…。
ちなみに音の高さはどうやって確認したかというと、再生された音に合わせてギターを弾いて、チューニングのズレがないかで確かめました。原始的です。
回転数を直接調べるツールもあるようですし、他にもCDやダウンロード音源と聴き比べるなど色んな方法があると思います。

あれこれ試した時間も含めて、全行程で一時間くらい格闘していました。
とはいえ分解もせずにドライバー1本でできる調整だったので、比較的気軽に行えました。

これでレコードに合わせてギターが弾けるというものです。

なぜ時間が経って回転数がズレてしまったのかは謎ですが、きっとロックやパンクを再生しすぎてプレーヤーがテンション上がっちゃってハイになっていたのでしょう。
ウェーーーイ!!!みたいな。

なんかこういうのもアナログならではって感じで風情がありますね。

GLIM SPANKY最強説

 

こんばんは。

1ヶ月ぶりの更新になります。
ちょっとハンター試験のようなアレがありまして、間が空いてしまいました。


少し前の話になりますが、20代くらいの集まりで「最近若手で流行ってるバンドって何だろう?」という話になりました。
たしかに考えてみると、昨年はセカオワ、ゲス、KANA-BOON、などに匹敵するくらい大流行りしたバンドって出てこなかったような印象です。いいバンドはそれはもう沢山ありますけれど、例えば世の軽音部でこぞってカバーされるとか、CMやアニメで次々と曲が使われるとか、そういう流行り方をしていたのはあまりなかったような気もします。

しかし、そんな中で思い当たったのが、
GLIM SPANKYじゃないか、と。

はい。

閃光ライオットで高校生の頃に有名になったバンドなので、若手とはいえキャリアは長いですね。どこかベテランの風格があるのも、そういう事情かもしれません。
僕はこのバンド、今までに3回ライブで観たことがあるのですが、観る度に会場が大きくなっていっています。
最初が2016年頭の新宿ロフトで、50回転ズ、ボヘミアンズとのスリーマンだったように思います。そして次がリキッドルームで、これはドレスコーズとのツーマンでした。
一番最近に観たのは2017年のカウントダウンジャパンのステージです。この時は見たところ観客の数が何千人といて驚きました。
ファンがどんどん増えていく様をリアルタイムで見ている感じです。


改めてメジャーデビュー後の経歴を追いかけてみると、うなぎのぼりに出世していることがわかります。
2015年にデビューして1stフルアルバムを発表、その年に赤坂BLITZワンマン、翌年にはリキッド、そしてスタジオコースト。映画やドラマの劇伴も多く、特に2016年にはONE PIECEの映画の主題歌にも抜擢されています。
ONE PIECEの映画の主題歌は過去にはバンプ、ドリカム、アグリル、ミスチルなどの大御所も担当しており、そこにデビュー2年で選ばれたのは並大抵の事ではないと思います。
2017年にも勢いそのままに3rdアルバムが発表され、野音での公演がありました。
そして今年にはとうとう武道館だそうです。すげえ。

また、えてして若手で売れてるバンドってアンチがつきやすいものですが、グリムスパンキー に関しては全然そんな話を聞きません。
いいものを作って、ごく真っ当に評価されて世に出てきている感じがまた素敵です。


僕が好きなのは最新の3rdです。
これが本当に良いアルバムで。1st、2ndよりもさらにサイケに寄った音で、ヘヴィだけれど絵本の中の世界のようなきらびやかさもあるというのが絶妙です。往年のロック好きのおっさんの期待にも応えつつ、かわいい綺麗なものが好きな女の子にも抵抗なく受け入れられそうな感じがします。サイケデリックロックへの入り口にもなってくれそうな一枚ですね。

代表曲になっているのは「褒めろよ」「怒りをくれよ」のような、パワーワードと印象的なギターリフでごりごり攻めるような曲ですが、一方でこの人達はゆったりした魔術的な不思議な世界観も持っていて、それが前面に出ているのが3rdアルバムです。アルバム全体の完成度の高さを鑑みるに、そっちこそ本領なんじゃないかとさえ思えてきます。

 

ともあれ楽曲発表のペースも落ちることなく、まだまだ引き出しの多そうな方々なので、今後どうなっていくかも楽しみです。
願わくばエレカシのように、何十年も活動し続けてくれたらなあなんて思います。

Tetoを観てきた

こんばんは。

今年初の更新になります。
平成最後の一年、どんな年になるのやら。

 

年末に、幕張のロックフェスcountdown japanに行ってきました。フェスで年を越すのも今年で3回目になり、そろそろ過ごし方にも慣れてきた気がします。
色んなバンドを観ることができてとても楽しかったのですが、特に強烈だったのがtetoというバンドです。

はい。結成して2年でいくつかの大型フェスに出場し、また年明けにはバズリズムでTV出演も果たしたということで現在非常に上り調子のバンドです。
地下室TIMESで記事になっていたのを偶然見て名前は知っていたのですが、ちゃんと聴くようになったのはここ最近です。というか、新しい曲ほど良くなっていってるような印象です。
まだEPが一枚とミニアルバムしかリリースされていなくて、しかもEPは完売していて手に入らない状況なので、すぐに全部聴けてしまいます。僕は年明けからこのミニアルバムを何遍も聴いています。いや全部良い。

良いなあと思う所は色々あるのですが、まず刺さるのはボーカルの歌、そして歌詞でしょうか。歌詞というより詩にメロディを付けていると言った方がいいような感じで、詩だけでも一つの作品になりそうなくらい言葉選びがとてもいいです。すごく早口で情報量が多いんですが、それも相まって、色んな思い出や景色が頭の中でワーッと湧き上がって堪らなくなる時の気持ちを呼び起こされます。
多くの曲で聴けるサビのシャウトも最高です。

また、他の楽器も歌に負けないくらい個性が強いのがいいところです。
ギターは、まずぶっ飛んだルックスと動きが目を引きますね。これはMVだから普段以上に派手に動いてるのかなあと思っていたのですが、ライブで観たら本当に映像そのまんまの暴れっぷりでびびりました。むしろライブの方が激しいくらいで。
肝心の演奏の方は、ピストルズなどの古いパンクや、またはアジカン位の頃のロキノン系の匂いのするギターで、個人的に凄くツボです。
まさにエレキギターに憧れ出したころに流行ってたギターの音って感じです。
誰に似てるかっていえば、ピート・タウンゼントでしょうか…。パワーコードアルペジオ主体だし、暴れるし、SGとレスポールだし。

ベースは初心者だそうで、なのにリッケンバッカー持ってるからやっぱ普通じゃないです。
リッケンバッカーというのは、物凄く弾きにくいけれども独特のぶっとい音が出るから一部の人に人気、という曲者のベースです。まず初心者が選ぶものではないので…。はい。
横2人が大暴れしてる中でクールに真顔で弾いてる様がいい感じです。
ドラムもドラムで、セット壊れるんじゃないかってくらいの叩きっぷりです。こっちもこっちでライブで見てて手が千切れるんじゃないかと心配になります。アヒトイナザワみたいですね。
何となく、ナンバーガールを思い出すバンドです。

このMV、演奏だけのシンプルな動画ですがそれで逆に個性が出ていて好きです。
コーラスでイケメンのベースと目つきがヤバいギターとが代わる代わるに写るところとか、ギターがふたりともスイッチにガムテープ貼ってる(=暴れても音が変わらないための工夫)ところとか、ビッグマフ(=ギターが滅茶苦茶歪むエフェクター)を踏むカットが入るところとか、最後演奏そっちのけで暴れ出すところとか、どこをとっても最高です。超激しい。
これを見て聴いてギター始める中学生とかいそうです。
リードギターがアンプ直に近いガツンと歪んだ音で弾いて、ボーカルギターはクリーン〜クランチくらいの音に空間系のエフェクトかけてバッキング、という棲み分けも分かりやすくて良いですよね。

ライブで観た時は、サウンドチェック含めてもミニアルバムのdystopiaの曲とMVで公開されている高層ビルと人工衛星、そしてpain,pain,painでほぼ網羅できるセットリストでした。
最初っからもう36.4℃のMVのラストのような暴れっぷりからスタートして、音源以上に熱の入った音で。特にやっぱりボーカルがフィードバック起こしまくりでノイズだらけのギターをぶら下げてめっちゃ叫び倒してて、格好良かったです。MCでも突然「ロックンロールは50年以上同じ歴史を繰り返しているんだ。」と言い出したり、テンションで振り切って喋ってる感じで良かったです。思えば向井秀徳も、ナンバーガール時代は観客置いてけぼりだけど何故か熱くなる不思議なMCでした。僕はああいうのが大好きです。

ネットで読める範囲の評判では銀杏BOYZandymoriなどに似ていると言われているようですが、僕はそこ2つはあまり聴いたことがないので良く分からないです…。
ただ何といいますか、「1世代前のギターロックをパンクにやってるバンド」というような気はします。
「パンクロック」という音楽ジャンルという事ではなくて、やり方や姿勢がどパンクだなと思います。
好きなものにムリヤリ繋げますが、例えばオアシスがビートルズなど60年代のバンドに基づいたロックンロールを、それより更にガンガンに歪んだギターと声で90年代に叩きつけたような。そういう姿勢のように感じます。

それ自体は前例もあるわけで、それを今の日本でやったろうと思いつく事自体はできうると思うんですが、それをここまで格好良く見せつけられるバンドはそうそういません。

ナンバガアジカンあるいはバンプで育った世代からすると、そういえばロックってこうだったよな!!と改めて思い出させてくれるバンドです。かといって懐古的な感じは全くなく、今の10代にも刺さるような新しさもあると思います。

今年シングル出してツアーとのことで、絶対買ってツアーも行きたいと思ってます。楽しみです。

「As You Were」と「Who Built The Moon?」

 

こんばんは。

クリスマスからの年の瀬への、世の中の切り替えの早さが結構好きです。

今年最後の更新になります。今年もまた色々な音楽に触れてきましたが、やはり個人的にはオアシスが一番のブームでした。
映画スーパーソニックが公開されたり、ノエル・リアムそれぞれのソロ作品がリリースされたりと、ちょうど関連するイベントが多かったのもあり、ハマるにはよいタイミングだったように思います。
僕のような20代前半の若輩にとってロックンロールはどうしても後追いになることが多いので、こういった過去の良きバンドが改めて取り上げられる風潮は非常にありがたいことです。

ということで今回は、まとめとしてオアシスのギャラガー兄弟の今年発表されたソロ作品を比較してみようと思います。
ここにも各々について雑感を書きましたが、これはどちらも本当に良いアルバムで、両方買って聴き込んでいます。この2枚に限って言えば、昔同じバンドだったとは思えないほど方向性の異なるものになっていますね。

先に発売されたのはリアムの「As You Were?」でした。これはもうロックンロールど真ん中といっていいようなアルバムで、でっかい音のギターにドラム、ベースにボーカルがドーン!!と。ロックンロールが好きでこの兄弟を追いかけている身からすると、まさに「これだよ!」と言いたくなるような曲ばかりでした。アコースティックギターが主体の落ち着いた曲もあり、メロディの良さがやはり際立っているように思います。
そして何よりやはり、リアムの声ですね。オアシス初期に並ぶくらいの力強さと安定感が戻ってきており、それでいてベテランのロックボーカリスト特有の渋い枯れた声色も聴くことができ、流石としか言いようがないです。
またオアシス的な曲も多く、For What It’s Worthなどはライブでもオアシス時代を思わせるようなシンガロングが巻き起こっているようです。それだけオアシスファンからしても違和感なく受け入れられるアルバムだということでしょう。
曲作りに関しても、まず何より歌を軸にして、そこにベース、ドラム、ギターで肉付けをしていっているような印象です。その点もまたオアシスらしい所でもあります。

そして、曲の作り方という点で非常に対照的なのがノエル兄貴の「Who Built The Moon?」ということになるでしょう。
今回大きくアプローチを変えてきており、このアルバムでは歌もあくまで曲を彩る楽器のひとつ、オルガンやシンセと同じところに置いてる感じです。
これも過去記事で詳しく書きましたが、こちらは全体として4つ打ちダンスナンバーの踊れる曲が多いのが特色です。そこにシンセが入って宇宙的、神秘的といいますか、そういった音像になっています。一曲目のFort Knoxなどは本当に今までのノエル・ギャラガーとは一線を画すようです。
しかしながら曲は多幸感に満ちたナンバーが多く、明るく開放的な印象です。
それもあってか、間違いなく実験作であるのに聴きやすく、どんな気分でも聴けるようなアルバムだと思います。また歌が一歩引いた立場になったとはいえ織り込まれているメロディそのものはとても心地よいもので、そこはやっぱりノエルだなあというところでもあります。


はい。
ここからは以上を踏まえて、二作品を並べて考えてみましょう。

まず2つを聴き比べて、個人的に一番に感じるのは、曲の中での歌の立ち位置がすごく違うなという点です。リアムはとにかく歌を聴かせるぜ、という感じで、それに対してノエルはメロディと言葉は主役でなく、あくまで曲の世界観を型作る一要素にとどめているといいますか…。
この違いは、やはりリアムは元々根っからのボーカリストであり、ノエルはギタリストでソングライターだったという事から来ているのかなと思います。ほんとうに最初は歌わないミュージシャンだったノエルだからこそ、歌を一歩後ろに置くという選択ができたと。もしかしたらそういう面もあるのかも知れません。

また、歌詞に関しても今回かなり違いがはっきり出たように思います。
ノエルが宇宙、愛、生命といった大きなテーマで、また時に解釈が難しいような抽象的な表現を取るのに対して、リアムはあくまでシンプルに人間関係、「俺とお前」の話をテーマにしている印象です。For Worth It’s Worthで許しを求めたり、You Better Runで突き放したり、そういう人との関わりを歌っているようです。

聴く人に「俺はこうだ、そんでお前はどうなんだよ?」と直に訴えかけるのがリアムで、曲を通して視界をパッと広げたような壮大な世界を見せるのがノエルと。
ちょっと乱暴ですが、そういう言い方もできるかもしれません。
そのどちらもオアシスの曲に垣間見ることができるもので、なるほど2人が分かれて曲を作るとこうなるのかという感じです。


それで結局、「どっちが良かった??」という事なのですが・・・。

どっちも良かった!というのは前提として。

 

今作に限って言えば、両アルバムをどんな人達が買って聴くかと言えば、そりゃあオアシスファンなわけでして。
つまり歌があってギターがあって…という形が好きな人達なわけですよね。
その点から言っても、得意分野、自分の土俵で勝負しているリアムと、異種格闘戦に挑戦したノエルでは、そりゃあリアムの方が受け入れられやすいとは思います。
だからセールスで見るとAs You Wereの方が優勢なのは、ある意味当然でもある。の、でしょう。
ノエル自身もこの「Who Built The Moon?」に関しては賞賛と批判の両方が来るだろうと言っているくらいですので、本来勝負として考える事自体あまり意味がないでしょう。

というのは身も蓋もないでしょうか…。

個人的には、何となくちょっとモヤモヤしている時や酔っ払ってる時は「As You Were?」が凄くいいですね。
そんで、穏やかな気分の天気のいい昼下がりなんかには「Who Built The Moon?」がいいです。そういう感じですね。

どっち聴こうかな〜って悩み方はしない二択です。

また、ひとつ確かなこととして、両作ともにそれぞれ兄弟の今後に向けた大きな足掛かりになるであろうことは間違いないでしょう。

リアムは自分の力で最高のロックンロールができることを証明し、ノエルは既存の殻を破り新しい境地を切り拓いてみせた。
それだけでも、凄く価値のある作品です。

どちらもファーストアルバムのような新鮮さと将来性を持ったものだと思います。

来年ノエルは日本にくるようですし、リアムは新曲の製作に入るなんて話もありますし、ますます楽しみです。

 

 

今回はここまでです。
今年もお付き合いくださり、ありがとうございました。

また来年も、たまに覗いていただけると幸いです。良いお年を。

ノエル・ギャラガー「Who Built The Moon ?」雑感

こんばんは。寒いですね。

皮ジャン着てたら風邪をひきました。

今回は、ギャラガー続きということでノエル・ギャラガーの新作アルバム「Who Built The Moon?」について書いていきたいと思います。

本作は、ノエルのソロキャリアで三作目の作品になります。三作目にして方向性を大転換したアルバムということで、発売前から話題になっていました。

じゃあ、何がどう変わったのかというと



こうだったのが


 

こうです。

 

 

いや、どうした。

元々ノエルが昔からずっとやってきたのは、ギターとメロディありきの音楽でした。
アコースティックギターでの弾き語りをバンドサウンドで肉付けしていくようなもので、いわゆる「歌もの」ですね。
古き良きロックンロールに基づいた轟音ギター、シンプルなようで少し変わったコード感、そしてそれに乗っかるメロディの美しさ。それがノエルの音楽の大きな魅力のひとつだったように思います。
それが今回は、ロックンロールどころかギターミュージックとも距離を取り、4つ打ちのダンスビートにシンセサイザーを多用した音作りの曲が中心になっています。
またタイトルからも分かる通り宇宙、愛、生命、そういった壮大なテーマが基になっているようです。
その点で、労働者階級の苦しみや野心が滲み出ていた初期オアシスとは音も思想も全く別物だと思われます。
強いてオアシス時代の曲で例えるならshampagne supernovaに近い雰囲気かもしれません。スケールの大きさはそのまま、さらに新しい領域に手を伸ばしたような印象といいますか・・・。
いずれにしろ「ギターを持って歌を作れば無敵のミュージシャンが、それらを封印して全く新しいアルバムを作った」と。それだけでも、十二分に聴いてみる価値のあるアルバムだと思います。

曲ごとに、大まかに見ていきましょう。

 

1. Fort Knox

一曲目から宇宙に吹っ飛ばされます。
頭から「今回は今までと違うぜ!」と宣言されているような印象です。
最初に公開されたのがこのトラックで、驚いたのを覚えています。
何重にも重ねた音色に、荘厳な女性コーラスが入り、そこに呪文のようなノエルの声が加わってくる…と、のっけから明らかに異色です。
どこかエキゾチックといいますか、東洋の匂いがする曲ですね。MVも曼荼羅のようです。
「目を醒ませ」という漢字が唐突に入ってくるあたり面白いです。
目覚ましの音が入るのはビートルズのA Day In The Lifeにもあった手法です。まさに「目を覚ませ」ということでしょうか。

最初聴いた時「まどマギかな・・・?」「ブレードランナーかな・・・?」と思ったのは内緒です。

 

2.Holy Mountain

リード曲です。1曲目の厳かな雰囲気から一転して、明るいダンスナンバーです。
ギターに管楽器を重ねたような分厚いリフが印象的です。
ずーっと四分で飛び跳ねてられるような感じで、これもやはり今までのノエルにはなかったパターンですね。
ただ、ダンスナンバーではありながら、挟み込まれる歌のメロディがとても良いあたりはやはりノエルです。
踊ろうぜ〜というシンプルな歌詞、コーラスで入ってくるリコーダー、後ろで小気味よく叩かれるオルガンそして手拍子と、非常に明るく楽しい雰囲気です。
ノエル曰く、マンチェスターでテロがあったように苦しいことが多い時代だからこそ、明るい喜びの曲が必要なんだ、と。かっけぇ。

 

3.Keep on Reaching

これもやはりリフが印象的ですね。低音域の、オルガンか何かでしょうか?
同じく4つ打ちではありますが、こっちはより叩きつけるような感じのビートですね。それもあってか、よりシリアスな曲調になっています。ノエルの歌もすごくいいですね。1つの曲の中でも抑揚があり、それが曲全体のダイナミズムにもつながっている印象です。

ホーンやコーラスの入り方など、アクション映画の危険なシーンなんかのBGMにも似合いそうな曲ですね。
なんとなく今回、全体的に映画音楽みたいな感じがします。

 

4.It's a Beautiful World

これはまたかなりダンスミュージック寄りですね。ずっと同じリズムの中、ほぼ展開らしい展開なく、歌とシンセが浮遊しているような曲です。分厚いベース、ドラムの上をキラキラした音が飛び回っていて、宇宙の中にいるような不思議な感覚ですね。
女性ボーカルのフランス語でのモノローグがなんとも意味深です。

ライブ動画がありました。
ほぼこのままのアレンジで演奏してるようですね。ツアーでもそうなるのでしょうか。
こうして見ると、バンドでやってても違和感ない音作りですね。

 

5.She Taught Me How to Fly

前曲に続いて始まるような感じで、やはり宇宙的なエフェクトの音の中をボーカルが泳ぐような曲です。
ただこちらの方はややギターロック寄りで、ストロークスのようなリフが聴かれます。
そのぶんバンドサウンド寄りといいますか、ライブ映えしそうな曲です。

これも演奏動画ありますね。よい。

少し話は逸れますが、今回からいつものGibson ES-355でなくジャズマスターを手に取っているのは、また何か心境の変化なのでしょうか?
オルタナ界隈で愛用されるギターであるので、ノエルが手に取るのはある意味自然ではあります。


6.Be Careful What You Wish For

これCome Togetherじゃね・・・?と思ったら、YouTubeのコメント欄にもCome Togetherってめっちゃ書いてありました。
ベースのリフ、全体のリズムなんかは非常にビートルズのCome Togetherに似ています。
ただ肝心のメロディは全然違うので別物ですね。
また東洋風な女性ボーカルのコーラスや、掛け合いで入ってくる「ヒュッ」みたいな声などもあいまって、なんとも呪術的です。
不安定な感じの音程で細い音のギターソロがなんともいい味出してますね。

なんかやっぱり、どうしてもまどマギの魔女の空間のようなイメージが・・・。


7.Black & White Sunshine

レコードではB面一曲目にあたります。
これはまた今作の中でもかなりギターミュージック寄りで、今までのノエルの流れを汲んだ曲のように思います。音作りはかなりシンプルですね。
こう突飛な音の多い曲ばかりだと、ギターのアルペジオが出てくると妙な安心感がありますね。メロディもとても綺麗です。


8.Interlude (Wednesday Part 1)

2つ目のインストになります。同じインストのFort Knoxと比べると、こちらはアコースティックギターアルペジオに奥行きのあるシンセサウンドが段々と重なってくるような展開で、なんとも妖しい雰囲気を醸し出しています。

 

9.If Love Is the Law

個人的に一番好きなのがこの曲です。
鈴の音と鐘の音にクリーンなギターのバッキングが響く、明るい雰囲気の曲です。讃美歌や祝福といった言葉が合うようなイメージですね。平たくいうとクリスマスソングっぽいというか…。
間奏の盛り上がるところでハーモニカが飛び込んでくるあたり、何とも素朴でいいです。

 

10.The Man Who Built the Moon

前曲から一転して、ふたたび荘厳かつシリアスな曲調になりますね。
Do You Know What I Mean?に近いような、でもずっと多くの種類の音が使われ、より色彩豊かな仕上がりになっています。
タイトルがThe Man Who Built the Moonということで、アルバムタイトル(「月を作ったのは誰だ?」)の回答にあたる曲なのかと思います…が、歌詞の大半は言葉遊びのような抽象的なものです。唯一このThe Man Who Built the Moonが登場する一節があり、おおよそ以下のような感じのようです。

「月を作った男の泊まる部屋を用意しろ」
「彼は疲れ切った馬に乗ってやってきた」
「彼がいなくなった街では、何の音も聞こえない。誰一人、一言も喋らない」
「俺は信じてるんだ、彼は言いたいことを好き放題言う奴で、漆黒と石で造られた心を持っていたんだって」

うーん、なんのこっちゃ・・・。
何か特定のもののメタファーなのか、それとも意味なんてないのか、難しいところです。


11.End Credits(Wednesday Part 2)

8曲目のインストのリプライズですね。
少し重なってくる音が増えていますが、気をつけて聴いていれば分かるくらいの違いのような気もします。
クレジットということで、映画でいうエンドロールが流れる所のBGMのような立ち位置の曲なのでしょうか。


はい。

全体を通してみると、やはり今までのノエルの作品とは大きく異なるアルバムであるように思います。
ギターと歌が主役から一歩下がった立ち位置になり、シンセやベースやパーカッションなど全ての楽器のトータルで1つの世界観が作り上げられているような印象です。
しかし織り込まれているメロディの良さ、そして各所にみられるビートルズへのオマージュなどには、やっぱりノエルらしさがあります。
正直もっとプログレ寄りな難解なものが来るんじゃないかと予想していたんですが、良い意味でずっとポップで聴きやすかったです。
どんな気分の時でも聴けそうな一枚です。

ただ、やはりノエル・ギャラガーの作品であるがゆえに、どうしてもついつい曲の中に「オアシスらしさ」を探しながら聴いてしまうのも事実であって・・・。うむむ、という感じです。

また気になるのはライブで、今までとかなり毛色が違う曲が揃っただけに、セットリストがどうなるのか予想がつきません。
ハイ・フライング・バーズの既存曲や、そしてオアシス時代の曲をどう上手く織り込んでいくのか、あるいはこのWho Built The Moon?に統一した曲目になっていくのか・・・。


兄貴によると日本にも来てくれるそうなので、頑張ってチケット取りたいと思います。

 

 

 

The Birthday TOUR2017 NOMADに行ってきた

 

こんばんは。
11月ももう終わりですね。高尾山の紅葉がきれいでした。

 

つい昨日、The BirthdayNOMADツアーファイナルに行ってきました。Zepp Divercityの2デイズ公演で、その2日目の方でした。
今月ずっと楽しみにしていたのですが、想像を上回るやべえライブで終始鳥肌立ちっぱなしでした。
という事で、いつも通り感想いってみたいと思います。

今回ライブ翌日のテンションで書いているので若干とっ散らかりがちですが、よろしければお付き合い下さい。


まずそもそもこのThe Birthdayはどんなバンドかと言えば、かのTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのフロントマン・チバユウスケとドラマーのクハラカズユキが現在組んでいるバンドです。今年で結成12年ということで、そろそろミッシェルよりバースデイ時代の方が長くなるようですね。ミッシェル時代の曲は全く演奏されませんし、全くの別バンドと見るべきものでしょう。
一般的に、以前ひと時代を築いたバンドのフロントマンが新しく組んだバンドというのは、どうしてもフロントマンのソロのようになりがちなイメージがあります。しかしこのバンドに関してははほんと、全員がスターみたいなバンドだなと思います。チバユウスケという圧倒的に強いフロントマンが居ながら、バックのフジイケンジ、ヒライハルキ、クハラカズユキの三人も全く力負けしてない。
一人一人が、この人しか出せないって感じの音を出しているのが凄いです。
敢えて言うなら、本物観たことないですがレッド・ツェッペリンみたいな感じというか・・・。

実際ライブで聴いてみると、何よりまず音圧がヤバいですね。耳にというよりも全身に叩き込まれるような勢いで、頭が割れそうな程なんだけど聴き入ってしまいます。

チバのギンギンに歪んだ声ももちろん、高音で暴れ回るギターも超低いところで唸るようなベースも、そしてドラムの力強さもあってのこの音なのでしょう。
また、ただ爆音なだけでなく、各楽器の音がしっかり聴こえるけども全体の音圧は凄まじいっていう絶妙なところをキープしており、さすが熟練のバンドだなと思います。

各楽器ごとで見ていきましょう。まずギターは、パンクど真ん中な感じのヘヴィなギターリフからディレイを使った飛び道具的な音の置き方まで、本当に多芸な印象です。
ジャジーな感じの落ち着いたフレーズで曲に華を添えたかと思ったら、次の曲では一転してリフとパワーコードでゴリ押すようなギターになったりと。その変化がスリリングです。

ベースはめっちゃ重低音で迫力ある音ですね。ベースって低音楽器とはいってもそこそこ高いところも出るので、バンドによっては中〜低音くらいのところで単音ギターの代わりみたいな役割をしていたりすることもあると思います。しかしこのベースはもうまさしく重低音で、生で聴くと腹の底に響くようなタイプです。
高音域にギター二本がいて、中音域をチバのぶっとい声が支配していると考えるとそうなるのも必然なのかもしれません。
ミュートの効いた刻みでしっかりリズムを支えつつも、実はかなり複雑なフレーズを弾き倒しているのも格好いいところです。
たしかベーシストだけ30代でひと世代くらい下の若い人だったと思うんですが、他メンバーにも全く負けてないですね。それで一言も喋らないで黙々と仕事しているあたり渋いです。

ドラムは手数やバカテクで攻めるタイプというよりは曲ごとの強弱がすごくしっかりしていて、抑え気味でじっくり聴かせるところから一気にグァッと盛り上げていくとかそういう部分がめっちゃ上手いと思います。それこそ指揮者というイメージでしょうか。
MCも適度にゆるくて、他の人があまり喋らないぶんいいバランスになっていましたね。
タカラ焼酎の話とか、その辺の飲み屋にいるおじさんみたいな・・・。

ボーカルは、分かってましたけどやはり生で聴くと鳥肌もんです。どっから絞り出してるんだってくらいの嗄れ声ですね。楽器なしでボーカルだけのパートでも凄いビリビリくるし。
あとチバさんの歌詞が僕は凄く好きで、一見すると関係ないような単語を散りばめて歌の中でひとつの情景を作り上げていくような手法が独特だなーと思います。抽象的な景色や場面をバラバラに写していくという点では、詩というより映画を基にした表現技法なのかもしれません。それがまあ、あの声と爆音によく合うんですよね。
随所で織り込まれるギターとハーモニカもめっちゃ格好いいっすね。荒々しいようでリズムが非常に安定してて、ボーカルパートの演奏する楽器としてとても美味しいです。
あとやっぱフロントマンらしいところとして、演奏中の手を上げたり首振ったりの細かい所作やMCのささいなひと言がいちいち格好いいのは、もうカリスマっつーかずるいとしか言いようがないです。

はい。

セットリストは以下の通りでした。

NOMAD以外からはベスト盤のGOLD TRASHからの選曲が多かったように思います。最新作とベスト盤を押さえていればしっかり楽しめる構成になってるのはありがたいことですね。
また、白状しますと知らない曲もいくつかあったのですが、それでも歌詞もメロディもばっちり耳に入ってきてくれるあたりは流石です。
やはりNOMADのメインだった「夢とバッハとカフェインと」や「抱きしめたい」あたりが今回のキモだったとは思うんですが、他の曲もライブだとまた一味違う良さがありますね。
特に今回ワンマンで聴き通して思ったんですが、このバンドは踊れるナンバーが強いですね。最新作でいうと特にGHOST MONKEYなんかがそうですが、リズム体とボーカルでグイグイ引っ張っていく様は圧巻です。最新作はミドルテンポの曲が多くてどっしり聴かせる感じの曲が多かった印象だったのですが、ライブだとさらに化けるなぁと改めて感じました。
また、知ってる曲についても原曲ではなかった所にタメがあったり、間奏がよりジャムっぽく暴れ回る感じになっていたりと、ライブらしい演出が沢山あり聴きごたえがありました。

そして何だかんだ言ってもアンコールで涙がこぼれそうが聴けたのは嬉しかったですね。サビで合唱するのはライブ映像で観て知ってましたが、実際その場に居るとまた感無量です。
アンコール2回目のラスト曲、缶酎ハイ片手に演奏されたローリンではコールandレスポンスもあり、煽りも十二分で思いっ切り叫べました。

チバさんのMC書き出します。

「大事な日曜日だからここに来てんだろ!」
「ありがとなー」
「(オーディエンスの叫び声に)…カッ!!」
「(アンコールで酒飲みながら)ガソリンなんだよぉ。」
「きょうはダイバーシティで、お前らと一緒だぜ!!」

2時間あって、ほとんどこれだけです。
かっけえ。

The Birthdayのワンマンは今回初でしたが、本当に楽しかったです。幸いツアーはしょっちゅうやってくれてるようなので、また行きたいものです。

また年明けにライブ盤が出るそうなので、そちらも楽しみです。今回のも収録されるといいな。