ロックンロールで一夜漬け

ロックンロールで一夜漬け

音楽に踏み込む探検日記

Apple Music vsレコード100円セール

 

最近、Apple Musicを契約してる人がだんだん増えてきた気がします。

 

昨年の7月から始まり、ちょうどそろそろ一周年となるこのサービス。わざわざ僕が説明することでもないように思いますが、AppleによるiTunesに代わりうる音楽配信サービスで、月額たった980円で数百万曲もの楽曲が聴き放題になるというものです。

いま僕の地元のレンタルCD屋では、アルバム10枚が6泊7日レンタルで1000円となっています。単純に曲数だけでいえば、同じ価格でこれと比較にならないほどの数の曲が、しかも貸し借りの手間も無しに聴けることになります。

すでに生産終了となったiPod classicを何年も使っている身からすると、想像もつかないような話です。

同じ定額配信サービスとしてLine MusicやGoogle playもあり、これからはこういったストリーミングの時代なんだろうなと思います。

 

ところで話は変わって、先週の月曜と火曜に池袋のDisk Unionで中古レコードの100円セールがありました。普通なら300〜400円のレコードも100円で売っているというもので、小さめの段ボールに6箱分くらいの数のレコードが一枚100円で売られていました。

僕はこれに行って、Simon&Garfunkelのベスト盤、ベンチャーズのベスト盤、レイチャールズやベン・E・キングなどのR&Bのオムニバス、そしてあのWe Are The Worldの入ったUSA for Americaのアルバム計4枚を手に入れてきました。これらを聴くのが最近の楽しみです。

そして、そうやって集めたレコードを聴いている時にふと思ったのが、

 

「こうやってレコードやCDを発掘して集めていくのとApple Musicに入るのと、どっちがいいんだろう?」

 

ということです。

もちろん音楽の聴き方なんて人それぞれで、どっちが正しいなんてことはないでしょう。

ただ、趣味によって適した探し方というのはあるように思います。ニコニコ動画で検索かけてもレイ・チャールズの歌ってみたはアップされていないし、ディスクユニオンの中古レコード100円コーナーをいくら探してもボカロの曲はない訳で…。

すると、僕のように昔のロックを掘っていきたいような人の場合は、果たしてどっちがより良き出会いがあるだろうか?ということです。

 

 もちろんレコードだ‼︎と言いたくなるところですが、こと現代においてレコードは「聴きたいアルバムを自由に聴く」ということに関しては他に比べて若干劣るように思います。

というのも値段の関係があるからで、たとえばストーンズを聴こうと思ってもベガーズバンケットやメインストリートのならず者なんかの有名どころは大体中古でも結構な値がします。よほど懐に余裕のある立場でもない限り、結果として安い変な企画盤に手を出さざるを得ないという事態になりえます。

また、結局その店にどんな種類のモノがあるかというところにもかなり依存します。どれだけファン必聴のアルバムでもないものは聴けないし、逆にAmazonにもないようなマイナーな盤でも100円だったら買っちゃうかもしれません。

そして、こういった買い方は、例えば偶然引いた一枚がバンドが実験的に作った意欲作なんかだったりして、第一印象で勘違いしてそのバンドにハマれずに終わってしまう、という事態を招きます。

言うなれば「ヘンな出会い方」をしてしまう訳です。

 その点ストリーミング配信であれば、超メジャーなアルバムでも微妙な企画盤でも同じ価値というわけで、「まずはこれを聴いておけ」とブログに書いてあるような必聴盤は興味を持ったその日にでも一通り全て聴いてしまうことができます。もちろん好きになるかは趣味次第としても、とりあえず上記のようなヘンな出会い方をするリスクは回避できます。

またレコメンド機能を使えば、そのバンドに関係のあるバンドもわざわざ調べなくても掘り下げが容易です。

 

うん。

 

Apple Music、批判するところがなんもない。笑

どうもまだ邦楽が少ないって話ですが、古い洋楽掘るには非常に役立ちそうです。

傍目から見る限り、音楽を掘る上での不自由さみたいなものはこれ以上ないほどに取っ払われてる感じがします。

 

とはいえ、レコードにはレコードにしかない良さがあるのもまた事実です。

たとえば、手に入れた時の満足感というものはレコードの方が大きいように思います。

何というか、楽器を買った時の感覚に近いような、そんな満足感があるんですね。

実際、円盤に入った溝を引っ掻いてその場で音を出している訳なので、性質としてはデータというより楽器に近いものです。針に耳を近づけると小さく音が鳴っていて、その場で演奏してくれてるような感じがするのも味わい深いところです。

そのため、もうiPodに入ってるアルバムでも、わざわざレコードで買い直すってことも往々にしてあります。

 

また、先述した 「ヘンな出会い方」になるというのも、考えようによっては面白い点です。

あのバンドはこのアルバムから聴き始めちゃったから、最初すっごい変なバンドだって勘違いしたんだよなぁ、といったエピソードが人の数だけあるとしたら、それはむしろ楽しい事ではないでしょうか。

また、キャリア全体からしたらセールスの振るわなかったアルバムでも、最初に聴いたアルバムだから思い入れがあって好きっていう事もあるかもしれません。

 

知識を得ることについてはインターネットである程度どうにでもなる時代、そういった個人の思い出話のほうが聞きがいがあるなぁ…などと思うんですが、いかがでしょうか。

 

以上まとめると、僕としては

・好きなバンドをさらに深く掘りたい時は、ストリーミングで聴く

・たまには、よく知らないバンドのレコードも買ってみる

・好きなバンドでも、レコードで欲しくなっちゃったら買う

 

という形に落ち着く予感がしています。

 

いずれにしろ昔はレコード一択だったわけで、媒体の違いを味わうという楽しみ方が増えたのは素敵な事だなーと思います。

 

未来ですね。