ロックンロールで一夜漬け

ロックンロールで一夜漬け

音楽に踏み込む探検日記。月曜更新

サンボマスターが聴こえる、考える

 

こんばんは。

なんだか涼しくなりました。

赤いキセツだったのが、急に若者のすべてになってしまった感じです。

 

今回はサンボマスターについて考えてみましょう。好きなバンド再考察シリーズです。

 
はい。
サンボマスター、時代背景からいうとゼロ年代、青春パンクの終わり頃に出てきたバンドという位置づけになるかと思います。
むさ苦しい男3人(褒め言葉です)が激しいビートを土台に強烈ポジティブな歌詞を叫び倒す、そんなバンドです。有名曲はパンキッシュなものが多いですが、アルバムを通して聴くとロックンロールからソウルから歌謡まで実に様々な事をやっている人達だったりもします。
デビューから15年近く経ってもエネルギー量は増すばかりで、フェスでも大きなステージに立っているのをよく見ます。今度のツアーで武道館やるんですねー。
何度かライブハウスやフェスで見た事がありますが、何万人という数の人が笑顔でモッシュしてめっちゃくちゃになる感じは圧巻ですね。すごく幸せな空間を作ってくれます。
このバンドについて、


 

こちらです。サンボマスター嫌いだって言ってますねー。

先日ブルーハーツの記事でもあげさせてもらいましたが、山田玲司ヤングサンデーゼロ年代邦楽についての回です。この中で、サンボマスターは嫌いだー!!という話が出てくるわけです。
なぜサンボマスターが嫌いかというと、サンボマスターのロックに対する姿勢が気に入らないというんですね。
批判の切り口はこうです。
いわく、「駄目な僕を許してくれ」っていうその感じがロックンロールじゃない、と。
もっと格好つけるのがロックンロールだろと。
結果として格好悪くても、徹底的にカッコつけないといかんやろ、という意見のようです。

これに対して思うに、
サンボマスターは、別に「駄目な僕を許してくれ!受け入れてくれ!!」みたいな主張ではないと思うんですが・・・。



確かに、サンボマスターは応援ソングが多いです。あきらめるな頑張れ、キミは凄いやつなんだ、悲しみなんか何も生まないぞと。
このイメージが一番大きいと思います。



しかし、じゃあサンボマスターに自分達に自信がなさそうなイメージがあるかっていうと、それはまた別の話じゃないかなーと思うんですね。個人的にサンボマスターの歌詞には、卑屈さを感じることはあまりないです。俺は駄目だって方向からのアプローチはあんまり多くないような気がします。
むしろ、特に初期は格好つけたオシャレな曲こそ多い印象です。なんでここまで飾りっ気ないルックスでこんなオシャレな曲やってんだと感じるくらいです。
僕がサンボマスターの中で上から5曲に入るくらい好きな曲に、夜汽車でやってきたアイツという曲があります。

 

 

曲がっていうか、このライブの曲の入りがめっちゃ好きなんですけども。
男臭いアツいMCから入って、歌い出しの
「午前8時のため息は、冷えたコーヒーと共にあって…」
この静けさですよ。この、突然イタリア洋画の世界に連れていく感じ、格好いいじゃないですか。そこから段々ボルテージ上がっていく感じとかも最高です。
格好悪い格好良さどころか、むしろオシャレに振り切れています。これがカッコつけ(良い意味で)でなくて何だというのか。
サンボマスター、実はこういった曲がたくさんあります。週末ソウルなんかもいいですね。

 


そもそも代表曲の「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」も、コード進行を追ってみるとやたらとオシャレです。9thコード7thコードが目白押しです。

アニメやドラマのタイアップをとるのは大体「可能性」や「光のロック」のような前向きなメッセージ性の強い曲なので、それがプロのミュージシャンとしてのサンボマスターの主力商品なのでしょう。それはなにも売れるために本当にやりたいことと違う事をやってるというわけではなくて、本当にそういう性格を持ったバンドではあるだと思います。しかし、その一方ですごい大人向けなオシャレな曲もしっかり取り入れてきている一面もあるということです。要するにそれは、格好いいロックバンドの王道の売り方ではないでしょうか。
容姿を逆手にとった卑屈な姿勢で、搦め手を使っているわけでは全くないように思うのです。

じゃあどこに問題があるのかって、強いて言えば最初の売り出し方じゃないかなーと。

 

 

電車男のEDで使われましたよね。
この電車男ってドラマが、まさに「駄目な人が頑張る」話です。オタクで社会に馴染まない駄目な自分だけど、本当は勇気があって、支えてくれる仲間が(ネットに)いて、恋愛だってできたぞ!という話だったと思います。
当時のオタクへの風当たりの強さもあって、このドラマかなりセンセーショナルに感じた覚えがあります。
まあ、まだ小学生でしたけど・・・。

電車男自体はわりと楽しんで観ていた思い出があるのですが、ああいった「駄目な人が頑張る話」にサンボマスターを持ってきたことで、サンボマスター自身もそういうバンドだというイメージになっちゃったんじゃないかなーと、ここに僕は少しモヤモヤがあります。

 

 

このエンディング映像、見ての通り「秋葉原のプラットホームにオタクの群れとサンボマスターが突如現れ、歌う」というものです。
つまり完全にサンボマスターがオタクの一味みたいな扱いになっているんですね。作中に登場するオタク達の象徴として見えるように持ってこられているような感じです。

 


また、この時期ブサンボマスターという、芸人がサンボマスターの真似したバンドもテレビに出ていたように思います。これはもうホントに直球で、イケメンが嫌いだってブサイクが歌うみたいなアレです。俺はブサイクだけど愛してるんだーーー、みたいなアレですね。

こういった形はパブリックイメージとしてすごく分かりやすいとは思うんです。しかし、そうなると夜汽車みたいな曲が埋もれちゃうじゃん、ということがやっぱり悔やまれるわけで…。
そもそも、アルバム収録曲まで探して聴く時点でサンボマスターそこそこ好きなわけで、嫌いな人はそこまでしないと思います。それでテレビで流れてくる範囲のサンボマスターだけを見ていたら、冒頭に挙げたような批判も出てくるよなー…と思ってしまいます。

そして冒頭の動画に戻ると、好きなバンドが曲解されて批判されているのを見るのはもちろん悲しいですが「駄目な奴が、歌う!叫ぶ!それがロックだ!!」という風な解釈が出てくるとなんかモヤるなぁという点には、正直ちょっと同感でもあります。
ブルーハーツの話でも触れましたが、ブルーハーツサンボマスターも格好いいロックンロールをやっているから格好いいのであって、駄目なのにロックンロールをやっているから格好いいわけではないのでは…と思ってしまいます。このへん、言葉にするとややこしいですが。
いや、でもインタビュー見るにサンボマスター本人達はべつに気にしてなさそうだから、それはそれでいいのかな…。捉え方次第でしょうか。
何はともあれ最新アルバムもまた新しい事やっててとても良かったですし、武道館も楽しみです。うん。
行けるかなー。