ロックンロールで一夜漬け

ロックンロールで一夜漬け

音楽に踏み込む探検日記

池袋CD&レコードフェアに行ってきた

 

先日、池袋で行われていたレコードフェアに行ってきました。

だるまやというレコード屋の主催で、その他にも全国から出店されていたようです。

会場は豊島公会堂の隣の建物でした。そのすぐ向かいでは、なにか外国文化もののフェスをやっていて、またそのすぐ近くではアニメイトがあってコスプレの人達がうようよいるという、何ともカオスな景色となっていました。その雑多な感じが池袋らしいといえばらしいかもしれません。

会場に着いてみると、教室2クラスぶんくらいの部屋に40〜50人くらいの人がいて、黙々とレコード漁りをしていました。壁に他のフェアの宣伝の貼り紙がいくつもしてあって、レコードフェアというイベント自体は、結構な頻度で行われていることを初めて知りました。

いろんな店が来ているということで、やっぱり普段チラッとディスクユニオン覗くよりずっと沢山面白そうな発見がありました。(クラシック・ジャズはまだ素養がないもんで、ほとんどロックか95円以下のジャンク棚ばかり見ていましたが…。)

同じアルバムでも、帯付き初版でレアなものから、チョイ傷特価になってるものなどいくつも見つかります。大阪など遠くの店からも出店しているので、そういう所のブースで良い物見つけてしまうと「もう二度と見ることないかも・・・」という思考が働いて、普段より気持ち思い切りがよくなる気がします。よくできている。

以降は、手に入れたレコードについて書いていきます。およそ2000字に渡って延々と自慢です。どうか逃げて下さい。

 

・Sticky Fingers -The Rolling Stones 

ストーンズのアルバムです。元々レンタルでiPodには入れていて何度も聴いていたんですが、ジャケットが格好いいのでレコードで欲しいなと思って今回買いました。1500円とかで、なかなかこの値段では見ないのです。

ジーンズのジッパーの部分がこう、本物のジッパーになってて開くようになってるんですね。

ストーンズらしいです。

内容もいかにもストーンズらしさ全開の代表曲Brown Sugarやバラードとして評価の高いWild Horseなど、聴きどころは満載です。

 

 ・Golden Grand Prix 30 -Bob Dylan  

ボブディランのベスト盤です。正確には、人気曲を集めた日本の編集盤のようです。

二枚組でLike a rolling stone、Blowin' In the Wind、 Knockin' On The Heaven's Door など、有名どころは大体入っているようです。とはいっても、ボブディランは正直まだよく分からないというか、聴いてみても「?」な感じの曲も多いです。ですので、ボブディランに関してなにかを語るには僕はまだ修行が足りないように思います。

ただ、ライナーノーツにも「最初に若いころ聴いたときはよく分からなかったけど、聴くたびに新しい発見がある」といった趣旨のことが書いてありまして、そういう楽しみ方をするものなのかも知れません。

個人的には、The Bandがバックについたライブアルバムの「偉大なる復活」が臨場感があって好きですね。

 

・Biggert Hits -Bill Haley& The Comets 

こちらはビル・ヘイリーのヒット曲集です。

ビルヘイリーといえばロックンロールのご先祖さまのお一人で、1955年にビルボードチャートでミリオンセラーを飛ばしたスターです。当時はROCKという「造語」が新しく使われ始めた時期で、むしろ正にこのビルヘイリーがロックだ!と言い出した先駆けの一人です。

…と、名前だけ知ってて聴いたことがなかったので、発見したついでに連れて帰った次第です。

初期のロックンロールらしく、軽快で元気な音ですね。クリーンの素朴なギターに力強いサックスで、時代を感じます。

ジャケットもアメコミ風の絵柄でパツキンの美女がコカ・コーラの瓶を持って座ってる絵でして、非常にアメリカンです。部屋に飾れる。

 

・Chet Atkins and Les Paul

これはセールの棚で300円で釣り上げたものです。チェットアトキンスとレスポールっつったら、どちらもジャズ、ポピュラーミュージックで名手と言われているギタリストですね。

その2人のセッションを録音したインストのアルバムです。

チェットアトキンスはグレッチから専用モデルのギターが出ていて、レスポールは言うまでもなくギブソンレスポールモデルの元となった御仁です。

1975年録音だそうで、2人とも全く違う音色で演奏しているので聴き分けは比較的しやすいです。

いや、滅茶滅茶上手い。笑

なんとなく40〜50年代のギタリストって音色のせいか素朴なイメージを持ってしまいますが、とんでもない超絶技巧です。クリーンの音色もあいまって、聴いていて非常に心地よいです。

各々のアルバムを聴いてないのにここから聴き始めるというファンに怒られそうな行為をしてしまいましたが、こういう偶然で不思議な出会い方になるのがレコード漁りの面白さでもあると思います。

 

・More Rock'n Roll Rarities -Chuck Berry 

ラストはチャックベリーです。

今回なんでこんなにオールディーズ寄りになってしまったんだろう・・・。

そういえばチャックベリーのレコード持ってないなぁと思ってたところにキメ顔のチャックがポーンと目の前に現れまして、これは買おうと思いまして。

これはパッと調べても良く分からないのですが、チェスレコードが80年代に出した編集盤だと思います。

Rock'n roll music、Johnny b goodeなど代表曲も入ってまして、なおかつRoute 66のカバーなんかもあったりして面白いです。チャックベリー・リフも十二分に味わえます。

今回なぜか50年代のミュージシャンのアルバムばっかりになりましたが、チャックベリーは飛び抜けてキャッチーですね。

 このほかにも本当は予算オーバーで諦めたレコードも何枚かありました。特にジャニスジョプリンのライブアルバムがあって、あれ本当に欲しかったな…。

ともあれ今回のことでレコードフェアというものが意外と年に数回くらいは各地で行われていることが分かったので、今後の楽しみにしていきたいです。

 

こんな事を楽しみながら生きています。

 

 

 

 

GEZAN、8月31日

 

こんにちは。

別に夏休みでもなくても、8月が終わるのはどこか物寂しさがあるものですね。

 

今回はGEZANというバンドの話です。

結成は2007年とのことで、比較的最近のバンドです。イメージとしては、真っ赤。ルックスからして独特で、さらにボーカルのマヒトゥ・ザ・ピーポーは家を持たずに公園で寝泊まりしているだとか、ドラムが野外で8時間耐久ドラミングを敢行したとか、インディーズバンドなのに海外ツアーを決行したとか、ネットで調べた範囲でも常軌を逸したエピソードが多いバンドです。

最初に聴いたのは爆弾ジョニーのりょーめーが活動休止前にTwitterで勧めていて目にしたのが切っ掛けで、昨年のロッケンローサミットに出演していたので一度だけですが観たこともあります。

 

曲調はサイケデリック、聴く麻薬という表現がしっくりくるような歌です。アルバムを聴くと多彩な曲がありますが、基本的にはギンギンに歪んだギターで脳みそ搔き回すような感じです。

最初は正直かなり抵抗ありましたが、慣れてくるとかなりの中毒性があります。

歌詞に関しては死生観を前面に出したものが多く、演奏体の凄まじさも相まって、演奏が終わったらこの人たち死ぬんじゃないかっていうような危うさや気迫が感じられます。

 

ただ個人的にツボなのは、そうした毒々しいサイケ要素や切迫した演奏の中で時折のぞかせる無邪気さです。

なんていうんですか、これだけエグい事をやっているのに、思い切りはしゃいでいる夏休みの小学生のような、どこかそういう無垢な部分がある気がするのです。

そも、小学生ってエグいところがあると思います。皆が皆ではないにしても、たとえば遊びでアリ踏み潰したり、バッタ捕まえて池に放り投げたり。

このバンドがやってることって残虐性そのものの表現というより、本体はそういう子供の無邪気さにあって、その一端として残虐さがあるって感じなのかなーと思います。

この曲の歌い出しの「扉の前にセミが死んでいた」なんかは、大人よりは子供の目線の高さで見えてくることだと思いますし。

そういう意味では万人に共通するものを歌ってるのかもしれません。

それで、なぜこのバンドのことを書こうかと思ったかというと、実は明後日の8月31日をもってドラムが脱退して、GEZANは活動休止に入るそうなのです。

そのライブを観てきます。

小学生の夏休みの無邪気だったバンドが、事もあろうに8月31日に活動休止を決めるというのは何とも切ないものがあります。

一方でどんなライブになるのか、非常に楽しみでもあります。

この曲が聴きたいです。

 

【ライブ】クロマニヨンズ、サンボマスター、THE BACK HORNのスリーマン観てきた

 またライブに行ってきました。

今年は8月に休みが取れなくてロクに夏らしい遊びもできていないのですが、そんな中でもこのライブは非常に楽しみにしていたイベントの一つでした。

だってサンボマスタークロマニヨンズって。

高校の頃の自分が聞いたら、メチャメチャ羨ましがると思います。

すでにもう対バンしてるものと思っていたんですが、どうもMCを聞いてると今回が初めてっぽかったですね。

オープニングのサイダーガールはちょっと間に合わなくて観れなかったんですが、ライブハウスに着いたらちょうど転換中で、サンボマスターは頭から観られました。

 

サンボマスターは年末のフェスで2回くらい観たことがあったんですが、ライブハウスで観るのは初めてでした。

いや、あの人達、ライブハウスが似合う似合う。笑

距離が比較的近いのもあって、汗の光まで見えてきそうな暑苦しさ。

光のロック、美しき人間の日々、ぬくもりという名のケモノ道、できっこないをやらなくちゃ、あたりが個人的にグッときました。

MCでヒロト&マーシーのことにも触れていて、ブルーハーツダンスナンバーの歌詞を持ってきたり、クロマニヨンズエルビスを一瞬歌ったり、ほんとこの人達ファンなんだなって思わされる所が多くて嬉しかったです。

客もおそらくクロマニヨンズ好きが多いとはいえ、やはり大盛り上がりでした。

そもそも、クロマニヨンズサンボマスターはファンがだいぶ被っていそうですね。

僕もそうです。

 

二番手はTHE BACK HORN

このバンドは名前だけ知ってて、今回のライブで初めてまともに聴きました。

サンボマスターの後でクロマニヨンズの前ってかなり難しいと思うんですが(本人達もMCでいってました)、こちらもパワーのある演奏で大変良かったです。

詳しくないので完全に偏見ですが、なんとなく9mmと並べられるイメージがあります。部活でも9mmのコピーやる人がよくバックホーンやってるような…。

また日本的なメロディ、激しい曲の中で突然静かになる感じはeastern youthを彷彿とさせます。

(後でインタビュー調べたら、やっぱり少なからず影響は受けているようですhttp://www.interfm.co.jp/alt/blog/2013/09/21/18/32/)

いわゆる日本語ロックというのが、このスリーマンのコンセプトとして一つあるのかも知れません。

 

そして最後はクロマニヨンズ。今年初めてでした。

一曲目のクロマニヨンストンプは、照明暗めでスモークの中に四人のシルエットだけ見える感じでした。動きだけで四人誰が誰だかハッキリ分かるものです。

僕もブルーハーツからロック聴くようになった身なので、ヒロトマーシーはやっぱり特別な存在でして、目の前に二人が現れるとカッと熱いものが込み上げてくる感じがあります。

タリホー、ギリガン、紙飛行機とシングル曲を一通りやる感じかと思ったら、草原の輝きや底なしブルーといった曲も聴くことができました。良い意味でいつも通りの全開クロマニヨンズでしたが、特に今回はマーシーが元気だったように思います。 ギターから両手を離してバンザイする奴をいつもより沢山やってた気がします。

あのポーズはカッコつけというより、楽しくてついやっちゃってる風なのがとてもカッコよいです。 

アンコール前のラスト曲はエルビス(仮)でした。前にtwitterサンボマスターの山口さんがこの曲はとんでもない曲だと讃えていて、実際改めて聴くとすげぇ特異な曲な気がします。

メロディやギターフレーズなどの一つ一つにはクロマニヨンズらしさがありつつも、展開は洋楽の古いロック的なヴァース→コーラスって感じでもないし、邦楽のAメロBメロサビっていうのでもないし。

歌詞もブルーハーツ時代のシングル曲のようなストレートなメッセージソングでもないし、ハイロウズ時代のような尖った歌詞でもないし。クロマニヨンズ独特の、なんていうんですか、死生観みたいなものが前面に出てきている印象です。

じっくり考えても、あんまり前向きな歌詞ではない気がします。でもそれを本当に楽しそうに演奏するからこそ、なおさら熱いものがあります。

アンコール大トリはナンバーワン野郎でした。この曲最後だと沢山叫べてスッキリ終われますね。

このとき、舞台袖でサンボマスターの人達が見てるのがチラチラ覗いてて楽しかったです。

 

いやー、よい夏だった。

 

次はGEZANを観に行きます。

おそらく来週はGEZANの話です。

キースリチャーズ

 おつかれ様です。

暑中見舞い申し上げます。 

先週仮面ライダーと軍歌というロックンロールからかけ離れた話題でした。なので今回はロックンロールど真ん中をということで、

Keith Richardsの話です。

 

しわくちゃの顔、しわがれた声、ドクロの指輪、オープンG、テレキャスター、ロックンロール。

ですね。はあ。

この人の格好良さはほんと色々な所にあると思うのですが、キリがないので以前僕が生でローリングストーンズの来日公演を観た時に感じたことを一つを挙げてみます。

かなり具体的な話になるのですが、代表曲のSatisfaction。

この曲で初めてローリングストーンズはビルボード1位の座を獲得し、また同時に以後の方向性を決定付けたと言われています。

いわゆる出世曲ですね。

取り上げたいのは、このギターのイントロのリフについてです。

ダッダー ダダダー…という単音のフレーズ。

勿論弾くのはキースです。

出世曲のギターリフとなればバンドにとって超重要、ファンにしてもこの音を聴かずしては満足して帰れないという程のものです。

ましてこのバンドは、後進に莫大な影響を与え現在も世界中でスタジアム級の公演を行うローリングストーンズですから、これはもうロック史に燦然と輝くギターリフだと断言できます。

 

さて、このフレーズ。

ギターを弾く人なら分かるところですが、

実はヒジョーーに簡単です。

なんならギターに触ったことがない人でも、30分あれば弾けてしまうようなものです。つまり音だけなら、極端な話その辺の中学生でも真似できてしまうわけです。

しかし、それをキースリチャーズが弾くと抜群に格好いいというマジックが起こるんですね。

 

僕が観に行った2014年の日本公演では、この曲が最後の曲でした。

60年代から始まって、世界最高のロックンロールバンドとまで呼ばれる大スターになって、50年間に渡り最前線でライブをやり続けて。

日本を含めた世界中でスタジアム級のライブを今でも行う、そんなバンドの大トリ最後の曲、1番盛り上がるところで、数万人の前で、

中学生でも弾けるようなギターが。

堂々と爆音で鳴り響く。

 

そんな痛快なカッコよさ。

オリンピックのメダリストも、ノーベル賞の受賞者も、それはもちろん素晴らしいものです。しかし、こういう価値観をブッ飛ばすようなカッコよさを持ったものは、ロックンロール以外に僕は知りません。

他にないから、ロックンロールを好きでいるしかないのです。

昭和ライダーの主題歌と軍歌

8月になりました。

 

8月というと、仮面ライダーがぼちぼち代替わりの時期だと思います。

平成ライダーって、最初キャラデザが発表された時に「うっわ、ダサっ‼︎」てなって、でも終わる頃には格好良く見えてるというのが毎年のことです。今年も例に漏れず十二分にダサいデザインのようで(褒めています)、来年の今頃が楽しみです。

にしても、胸のコントローラー風のアレ、かつて慣れ親しんだスーファミのコントローラーとボタンの色配置が絶妙にズレててムズムズしますね…。

それはさておき、

 

何を隠そう、僕が生まれて初めて自分で買ったCDは仮面ライダーのOPテーマ集です。

ロックンロールどころか、バンドですらありません。どうしてこうなった。

たしか当時中学一年生くらいで、その時に馴染みがあったのが毎週観ていた仮面ライダーの曲だったんだと思います。

いま改めて聴いてみると、平成ライダーのOP曲は、ハードロック〜V系の曲から、90年代風のポップスやフォークや最近のアイドル曲、ひいては布施明なんかの歌謡曲和楽器インストまでかなり幅広いジャンルが網羅されています。

 

小学5年生でこの歌を聴けたことの幸せよ。

あ、ちなみに僕が一番好きなのはクウガで、次点が響鬼、オーズ、ブレイドです。

よろしくお願いします。

しかし、今回取り上げたいのは昭和ライダーの方の主題歌です。時代柄、仮面ライダーのテーマ曲と言ってもいいかもしれません。

最近このテーマ曲は、軍歌にルーツがあるんじゃないかということに気がついた次第です。

 

軍歌には造詣が深くないのですが、例えばこちらのラバウル海軍航空隊の歌

 

勇ましい曲調に威勢のよい喇叭です。

で、こちらが仮面ライダーV3のテーマ

 

メロディや歌い方、ブラスの使い方など、とても近いものを感じます。

考えてみれば「民衆を守る為に戦う者を鼓舞する歌」という点で、仮面ライダーのテーマ曲と軍歌のコンセプトはおそらく近いものがあります。だから、仮面ライダーのテーマ曲を作る上で軍歌が(おそらく)土台にされているのは、ごく自然な発想といえるかもしれません。

あるいは「戦うといえば軍歌」という文化がまだ色濃く残っていたのでしょうか。

 

歌詞にも注目したいところです。

仮面ライダーV3のテーマ曲の歌詞は、

  http://www.kasi-time.com/item-2787.html

こんな風に、V3の姿の描写、必殺技の描写、敵の描写という順番で歌詞が続きます。

基本的に昭和ライダーの歌詞はこんな感じです。

こんな姿のヒーローが、こんな力で、こんな敵を倒すぞ、戦え!と。

平成もクウガ、アギトまではこの流れを踏襲しています。そういう意味で、龍騎のOPは結構斬新だったんじゃないかなーと思います。

ともあれ、そのような歌詞の作りかたは軍歌に通じるところがあります。

http://j-lyric.net/artist/a00182a/l0127ec.html

先に挙げたラバウル海軍航空隊の歌も、こんな軍隊が、こんな力で、こんな敵を倒すぞ、戦え!という内容です。

こういった部分も面白いところです。

そこから平成に移るにつれてどんどん時代の流行り歌に寄っていったのは、新しいライダー像を打ち出して人気層を獲得する狙いだったのか、あるいは昔ながらの曲のスタイルが馴染まなくなったのか…。

いずれにしろ、昭和ライダーの定番な感じも、平成ライダーの毎回球種を変えてくる感じも、どちらもそれぞれ良い所があるように思います。

 

  

ま、でも、最近は、日曜朝8時に起きられなくて観れてないんですけどね・・・。

 

子供に戻れない。

 

レスポールスペシャル

 

今回はギターのことについて書きます。

 

エレキギターは自分でも結構長いこと弾いているので、やっぱり個人的に他の楽器よりも思い入れが強いです。好きなバンドを見つけた時には、ギタリストの使用機材を調べるのも楽しみの1つです。

そんな中でも特に気に入ってるのが 、Gibson Les Paul Specialというモデルのギターです。今回はこれについて書いていきたいと思います。

 

こちらがそのギターになります。

このおじさん、無限に試奏動画あげててすごい。

このギターはGibson Les Paul、いわゆるレスポールのスチューデントモデルにあたる機で、本家と比べて造りがシンプルなぶん安くて手に入りやすい、という位置付けで発売されたものです。

しかし、本家のレスポールスタンダードよりもむしろ扱いやすくて好きだという評価も多く、今ではただの安価版ではなく独立した人気機種のひとつとなっております。

よく似たモデルにレスポールジュニアというのがあって、こいつはピックアップがリア一発です。スペシャルはスタンダードなレスポールと同じで上下2つついています。

このため、スペシャルの方が出せる音色が多いです。じゃあジュニアはスペシャルの劣化版なのか、というと断じてそんなことはなく、リア一発なぶんスペシャルよりぶっとい音が出るとされています。

技の数で攻めるか、必殺技一発勝負かという事ですね。

必然的にジュニアはパンク野郎の御用達です。

 

で、どういうわけかこのレスポールスペシャル、日本人によく好かれています。Gibson本社のある本場アメリカでは今もうあんまりないのに、なぜか日本では日本限定として入荷され、毎年店頭に並んでいます。

実際に使ってるギタリストを並べてみましょう。

 

THE BLUE HEARTS 真島昌利

 

マーシーです。現在のザ・クロマニヨンズではレスポールジュニアの方を弾いていますが、ブルーハーツのデビュー当初はビンテージのレスポールスペシャルでした。1stアルバムはほぼ全部これ一本で録ったそうです。

元々このギターは、海外ではロックンロール、パンクロック界隈のギタリストに多く選ばれているので、マーシーが使っていたというのは非常に納得です。

 

奥田民生

奥田民生のギターといえば1959ビンテージバーストのレスポールと、この白いレスポールスペシャルだと思っています。

実用的にはビンテージのレスポールよりレスポールスペシャルくらいが扱いやすいそうです。

ギターボーカルの使用者が多いあたり、歌に合わせやすい音が出るんだと思います。

奥田民生シグネチャーモデルのレスポールスペシャルも生産されていましたね。

 

BUMP OF CHICKEN 藤原基央

 

藤くんです。

ほぼ全キャリアを通して、ライブではレスポールスペシャルを使い続けているようです。

この黄色いギターがトレードマークにもなっていて、バンプに憧れてこのギターを求める人はとても多いように思います。

ちなみに僕が後述するトーカイのコピーモデルを買った時も、店員さんに「はいはいどうせバンプでしょ」みたいな事を言われた覚えがあります。くそう。

否定はできないが、藤くんだけじゃないぞ。

なおこのギターでadd9とかのアルペジオを弾くと、とてもバンプっぽくなります。ピックアップはセンターがよいです。はい。

 

サンボマスター 山口隆

サンボマスターの山口さんも、レスポールスペシャルがトレードマークと化しているように思います。

かなり初期の初期から使っているようで、一度盗難に遭いつつもわざわざ買い直しています。

ぬくもりという名のケモノ道あたりではサンバーストのレスポールスペシャルで、フジロック出た時にはTVイエローのものになってますね。

ここ何年かテレキャスレスポールカスタムをメインで使っていましたが、最近またレスポールスペシャルに戻ってきたみたいです。

一見デタラメやってるようで、実はギターも歌も滅茶苦茶上手く音楽性がとても高いというのが格好いいところです。

 

フジファブリック志村正彦

フジファブ志村さんも、モノノケハカランダのPVでレスポールスペシャルを使用していたことがわかります。

最初に買った高価なギターがレスポールスペシャルだったらしいです。

弾いてる姿を生で見たかった・・・。

 

海外いきます。

 

キース・リチャーズ

この動画はジュニアですが…。

キースもレスポールスペシャルを使っています。テレキャスレスポールジュニアのイメージが強いですが、たまにライブで弾いてる映像があります。ちなみにロニーもレスポールスペシャルを持っていて、実はローリングストーンズの現ギタリストが両者とも選んでいるギターだったりします。

日本公演の際、Bitchで2人揃ってTVイエローのギターを弾いていたのが印象深いです。

 

ジョン・レノン

はい。

ジョン・レノンも実はレスポールスペシャルを使っています。

細かい事を言えば、これはレスポールジュニアを改造してフロントピックアップを増設したモノなのですが…。

ビートルズ時代のリッケンバッカーやエピフォンカジノが個人的にはしっくりきますが、ソロになってからは結構このスペシャルの使用頻度も多かったようです。

 

ラリー・カールトン

掻き鳴らす人が多いかと思いきや、意外とジャズ・フュージョン系の使用者もいます。

ラリー・カールトンも335の他にレスポールスペシャルも使っているようです。

クリーンのとてもいい音がしてますね。

そういえば渡辺香津美レスポールスペシャルの愛用者だったと思います。

 

 

 

以上のように、かなり個性的なミュージシャン達に愛されているのがこのギターです。

なんかこう、型にとらわれない感じの格好よさがある気がしますね。

 

そういうわけで僕は、tokaiのlss-93というレスポールスペシャルのコピーモデルを持っています。音も取り回しもいいのですが、やっぱりルックスが一番好きです。

 

何しろ、マーシーごっこと、藤くんごっこと、サンボマスターごっことキースごっことジョンレノンごっこが一気にできるギターなど、レスポールスペシャルをおいて他にないですから・・・。笑

 

 

 

VR体験でバンドマンの行く末が心配になった

 

先日、お台場ダイバーシティのVR体験に行ってきました。

VRというと、ヘッドセットを装着して映像を360度の仮想現実として楽しむアレですね。

秋からPS4がVR対応になるということで、最近にわかに話題になっているものだと思います。

実際この体験も予約が一杯で、日曜だったのもあると思いますが、予約可能になる一ヶ月前に日が変わってすぐ取ったのに、その時点でもう半分くらいしか空きがなかったです。

体験ゲームは全部で7種類あって、そのうちの6種類を遊んで来ました。

 

どうだったかというと、

 

どれもめっっちゃ面白かったです。

何だろう、あれは今までのテレビゲームとは全く別物ですね。小学生の頃、初めてゲームキューブに触れた時以来の衝撃でした。

本当なら体験したゲームをいっこずつ指差して延々と語りたい気分ではありますが、ここは音楽の話をするブログですので、やっぱりそこに話をつなげていこうと思います。

 

ここで体験できるゲームの中に、max voltageというものがあります。

 

ここで詳しく説明されていますが、ざっくりいうと大観衆の中でスーパースターとして歌を歌い、ライブを盛り上げるというゲームです。

一人カラオケの進化版のような感じで、曲を選んで歌う形式です。ここでは夏祭りとブルーハーツリンダリンダの2曲が選べました。

 

夏祭りとブルーハーツって。

製作者の世代が透けて見えるようです。

 

ゲーム自体も興味があったのと、なによりブルーハーツという言葉に惹かれて、体験してきました。

 

部屋の広さは少し大きめのカラオケボックスくらいでした。防音になってて、歌っても外には聴こえない仕様です。

ヘッドセットをつけると、たちまち大歓声の中…というわけではなく、ステージ下の奈落からエレベーターで出てくるところからスタートでした。凝ってる。

ステージから登場すると、前には二階席まで満員の客、後ろを振り向くとバックバンドが見えます。客はイェーイっていうとちゃんとイェーイって返してくれます。すげえ。

意外と低めのステージで、客がギリギリのところまで近づいてきてて、タッチできそうな感じです。

会場の大きさは(大きさって変ですが)1000人くらいのキャパの感じです。それこそZepp divercityをモデルにしたのではないでしょうか。

歌そのものはカラオケと同じ要領です。奥のスクリーンに歌詞が表示される形式で、自分の声もエコーかかってちゃんと聴こえます。

歌詞が出て演奏があるだけじゃなくて、サビのリンダリンダーのところで大合唱になる仕様です。さらに両手にセンサーを付けていて、画面の中に自分の手が見えるようになっています。で、手を振り上げるとちゃんと反応があったりするんですね。

歌自体上手く歌えなくても、それだけでも楽しめるんじゃないかと思います。

 

始める前の説明で、お姉さんが観客席へダイブなどは絶対しないで下さいねって言ってて、そのときは笑ったんですが、実際にやってみると確かに飛び込んでしまう人もいそうなほどの臨場感でした。

 

それで、思ったのが、

 

これ、売れないバンドマンがやったらどういう気持ちになるんだろう・・・。

 

ということです。

売れないバンドマンの気持ちを推して測るには人生経験が足りないところではありますが、おおよそ曲作ってバンドをやっている以上は自分の音楽を人に聴いてほしい、見て欲しいというのがあると思います。

 

やりたい音楽をやる、といくら尖っていても、その聴いて欲しいという気持ちがもし全くなかったら、バンドで食って行こうとはしないはずです。

 

 で、集客もままならず頑張っても褒められるどころかロクに見てももらえず、社会人となっていく同世代からプレッシャーを感じ、バイトを入れても生活はカッツカツで、という状態のバンドマンが、このゲームをやったら…。

 

心のスキマに入り込まれても、おかしくはないのではないか。と思います。

少なくともそれくらいの臨場感はあります。

カラオケの土台があるので、自分の曲をアップロードして自分の曲でシンガロング、なんてことも技術的にすぐできるようになるでしょう。

そうなったら、

 

「もうバンドなんか頑張らなくてもこれでいいじゃん!ひとりで曲作って、家でこれやってよう!」

 

とは、ならないでしょうか。

むしろ、このゲームで歓声を浴びることに慣れてしまったバンドマンが、空っぽのライブハウスで思いっきり演奏できるのか…。

 

などと考えさせられてしまいました。

 

このように、マジで近未来SFとバンドを掛け合わせたやっすい小説が一本書けそうな事態が、ちらりと頭をよぎってしまうような体験でした。

 

かがくのちからってすげー。

 

 

ちなみに、あの、ゲームはとても凄かったんですが、バックバンドのマーシーとおぼしきバンダナの人が、思いっきり黄色いプレべを弾いてたのは、そこはもう少しなんとかならなかったのでしょうか・・・。

 

ギタリストだよ、マーシーは。