ストーンズは何処から聴いたらいいのか問題①
こんばんは。
土日はアマゾンのジャングルに居りました。
ピラルクとパイナップルが美味しかったです。
今週来週はローリングストーンズについて、前後編に分けて書いていきたいと思います。よろしくお願いします。本記事は前編になります。
前編だけで2000字超えました。わっしょい。
先日、このような動画を見ました。
山田玲司のヤングサンデーで、ゲストに志磨遼平とキングブラザーズのマーヤが来ていた回の一幕のようです。
志磨遼平にマーヤといったら、ロックンロール好きからしたらまず間違いのない組合せだと思います。そのお二方がお悩み相談に答えているコーナーですね。
相談内容は21歳男性の方で、絶対に聴いておくべきロックンロールのアルバムを教えて下さい、というものです。
それに対するマーヤさんの答えが、
・ザ・ローリング・ストーンズ -Forty Licks
・ザ・ダムド-地獄に落ちた野郎ども
・ギターウルフ-全部
でした。な、なるほど…。
なお僕はストーンズのForty Licksは高校の頃からずっと聴いていて、ダムドはベスト盤だけで、ギターウルフはYouTubeで代表曲はさらっていてライブで1回観たという状況です。一応外してはいないものの、まだまだ修行が足りないようです。
それはさておき、今回この中で特に取り上げたいのがストーンズです。
ストーンズに関して、マーヤさんは「アルバムとしてはBeggars Banquetを推したいけど、まずはベスト盤のForty Licksを聴きなさい。そしてもしこのアルバムを聴いて何も燃えるものが無かったら、ロックンロールやめなさい。」とのことをこの動画の中で言っております。
よ、よかったロックンロールやめなくて良さそうです…。
ここのところ、非常に奥が深い問題だと思います。つまり、
「現代の日本の若者がローリングストーンズを聴くにあたって、どこから手を付けたらいいのか?」
という問題ですね。
要するに、はっきり言ってローリングストーンズの良さは最初は分かりにくい事が多いというわけです。
マーヤさんも志磨さんも言っているのでここは言い切らせていただきます。
例えばの話、前前前世を聴いてロックに興味を持った中学生が今いるとして、ロックという大雑把なくくりでたまたまローリングストーンズを借りて聴いたら、ストーンズにハマれるか。これ、かなり厳しいと思います。
あくまで仮説として、その理由を3つほど考えてみました。
①歌詞が頭に入ってきにくい
英語だから当たり前だろというのはもっともですが、例えばビートルズのHello,Goodbyeなどは中学一年生でも分かるような平易な英語で作られていまして、こういうのなら入りやすいと思います。それに比べてストーンズは、ドラッグや悪魔やセックスや何やという教科書には永遠に載らないであろう単語が溢れていて、しかも時にはそれらが隠喩で遠回しに表現されていたりもします。
ブルースとはそういうものなんじゃいと言っても、ここは日本人としては苦しい所です。
②テンポが比較的遅い
歌詞がなくても音だけで十分格好いいじゃないか、というわけですが、これもやっぱり難しいと思います。その理由のひとつが、代表曲でも比較的テンポがゆったりしているからです。ゆったりといってもBPM140〜150くらいの曲で決して遅くはないのですが、それこそ前前前世のような180近いテンポの曲をロック音楽の速度基準として持っている人からすると、遅く感じると思います。やはり速い曲の方がインパクトが強く入ってきやすいので、ここも難しい所だと思います。僕自身も高校の頃はブルーハーツからストーンズに行って「ロックにしてはなんかモタモタしてるなあ」と思った覚えがあります。
慣れされすれば、あのミドルテンポの絶妙なリズム感が最高だぜってなもんですが…。
③ブルース色が強い
これは①と②の複合というか、そもそも①②のような事態になっている原因というか、そういうことなのですが。
そもそも、元々ローリングストーンズはブルースバンドです。キャリアを続けるうちにロックンロールの曲で人気が出たためロックンロールバンドになっていったというだけで、最初はマディ・ウォーターズなどの伝統的な黒人ブルースに憧れていた集団だったそうです。
この黒人ブルースというのが難関で、歌詞は先程触れたように隠語だらけで難解、テンポは遅い、メロディはほぼ無しで言葉をそのまま呟いたり叫んだり、そしてリズムは演者の気分次第という非常にプリミティブなものです。
必然的にストーンズの曲もメロディラインははっきりしていなく、リズムも独特のタメのあるフィーリングに溢れたものが多いです。
日本の音楽は歌謡曲のようにメロディが非常に明確なものが大半なので、根本的な文化の違いが立ち塞がってくるわけです。
マーヤさんが勧めていたBeggars Banquetはストーンズが正にこのブルースへの回帰を目指したアルバムで、アコースティックも多くストーンズのアルバムの中でも特にブルース色が強い内容となっています。その分、ブルース由来だからこその悪魔的、呪術的な魅力が詰まっていると評価されています。確か甲本ヒロトも1番好きなストーンズのアルバムとしてBeggars Banquetを挙げていたように思います。
しかし上述のように、ブルース由来だからこその聴き辛さもとりわけ強いと思います。
その一方でベスト盤のForty Licksは、ロックンロール色が強いキャッチーな曲が多数収録されています。だからこそ比較的聴き易く、またロックンロールを知る上で非常によいということなのだと思います。
ロックンロールを知りたければForty Licksを聴くべし、そしてさらにロックンロールの源泉であるブルースの呪術的な魅力に触れたければBeggars Banquetを聴け、ということではないでしょうか。
はい。今回はここまでにして、後編ではForty Licks以外に入りやすそうなアルバムはないか、またYouTubeで単曲からというのはどうかというところを中心に考えていきたいと思います。
ありがとうございました。続きます。
ジョージ・ハリスンは格好いい
こんにちは。
そろそろ夏というには厳しい時期になってきましたね。
ちょっと今ブラジルにいて時差が良く分からないのですが、もう月曜日であってますかね?
今回はジョージ・ハリスンについての話です。
ジョージ・ハリスンです。
ロック史においては言わずと知れた名でありながら、でも巷の軽音サークル所属の大学生に聞いたら名前が出てくるかちょっと分からない、ビートルズのリードギタリストです。
僕はビートルズでならジョージ推しです。もちろんジョンもポールもリンゴも格好いいですが、敢えてビートルズは誰推しかという話題になるとしたら、ジョージを推したいと思う所存です。よろしくお願いします。
はい。まずジョージハリスンがどのような人かというところですが、一言で言ってしまえば初期から解散に至るまでビートルズのリードギタリストを努めていた人物です。ビートルズというとレノン・マッカートニーすなわちジョンレノンとポールマッカートニーの作曲コンビが何より有名ですが、ジョージ作曲の曲もおおよそひとアルバムに1〜2曲は含まれていて、有名曲のいくつかにも彼の作品があります。
特に後期のビートルズにおける曲の評価は高く、ビートルズの実質的ラストアルバムであるAbby Roadに収録されているSomethingやHere Comes The Sun、また同じく後期のホワイトアルバム収録のWhile My Guitar Gently Weepsなどが有名ですね。
ビートルズ解散後のソロ活動としても、アルバムAll Things Must Passは全英全米で第1位を記録しているなど、むしろビートルズ時代よりもさらに活躍しているような印象さえあります。
以上のようにジョージハリスンは、ジョンレノンとポールマッカートニーという2人の天才に隠れた、基本的に遅咲きのミュージシャンであったと言われています。
僕が個人的にジョージ推しな理由のひとつとして、この遅咲きな所にもあります。
例えば少年漫画でいうと、最初は全然強くなかったのに作中で急成長して最終的には主力クラスに昇格したキャラのような立ち位置だと思います。
ジョジョ4部でいう康一くんのような。
その例えでいくと、悟空や承太郎がポールやジョンになりますでしょうか…。
それはさておき、逆にビートルズ初期のジョージの評価はお世辞にも高くないものであることが多いです。その大部分が、技術的にどうしても拙いところがあるというものです。
真ん中に立ってるのがジョージですね。
別に、下手ではないと思うのですが…。
おそらく全世界で空前絶後の売れ方をしたロックバンドのリードギタリストとしては、今少し足りないということなのでしょうか。ビートルズは世界で1番売れたかもしれないけど、ジョージは世界で1番上手いリードギタリストではなくないか、と。本来、リードギタリストってツェッペリンでいうジミーペイジみたいなもので、ボーカル並に目立つポジションですからね…。
もちろん、ジョージが残した音楽的な功績もいうものもあります。主なものとしては、インド音楽をロックに取り入れたという点があります。ビートルズのアルバムRevolverを聴いていると、途中明らかに文化圏の違う国からやってきたような曲があります。それがLove You To という曲で、ジョージの作曲です。
この曲ではインドの楽器であるシタールが使われておりまして、こういった異国情緒をロックに取り入れていた点は当時では革新的だったようです。
とはいえ、やはり実力的な面で、あるいは年下だったこともあり、メンバー内でもジョージはないがしろにされがちだったといいます。実際ビートルズ中期にさしかかると、レコーディングで他メンバーが曲のギターソロを弾いている場面も散見します。例を挙げると、Taxmanのギターソロなどはポールが弾いたことで有名ですね。他メンバーに「自分で弾いた方が早い」と思われていた(かもしれない)というのは、リードギタリストとしてはしんどいところだと思います。
さらに私生活でも、嫁をエリッククラプトンに寝取られるなど散々なエピソードがあります。
ちなみに、そのジョージの嫁を思ってクラプトンが書いた曲があのLaylaです。厳密にはクラプトンとくっついたのはすでにジョージと離婚した後だったそうですが、それにしても。
しかし、そのように公私に不遇な面がありながらも、 後期〜ソロのジョージの曲は、非常に穏やかで優しい雰囲気のものが多いのです。
この優しい雰囲気というのが、僕がジョージ推しである最大の理由です。例えば、
お日様が気持ちいいよ、きっと大丈夫だよ、というような曲もあれば、
お互い傷つけ合うなんて、悲しいことじゃないか…と語ってみせたり。
歌詞もそうなのですが、アルペジオの音選びや音像がとても温かな包容力に満ちているように感じられます。
この曲などは、イントロのスライドギター(シンセかも)のキュイィーンって音だけでもう
「ああ…争いごとはやめよう…平和に暮らそう…」
って気持ちになりますね。なりませんかね?ちなみに、ジョージは嫁を寝取ったクラプトンともとても仲良しだったようです。いや、いやいや。
ビートルズとしての多大な栄光、それと共に恐らく世界中から受けた批判、そしてグループ内での扱いの低さ。そういったキャリアの果てにこのような境地に至ったというあたり、この人はホントにいい人なんだろうなぁという気がしてなりません。
もしかしたら、ビートルズの中で本当にLove and Peaceを体現しているのはジョージだったかもしれない。とさえ、思います。
そこが大きな魅力の一つだと思います。
特にAll Things Must Passのアルバムは、落ち込んだ時にも穏やかな気持ちになれるので非常にお勧めです。
クロマニヨンズの新曲
こんにちは。敬老の日ですね。
月曜なのを忘れていて、21時から書き始めました。
今週はなんといっても、アレです。
ザ・クロマニヨンズの新曲「ペテン師ロック」が14日にリリースされましたね。
クロマニヨンズは毎回音源をCDだけでなくアナログ盤でも出していまして、ここ何年か僕は毎回そっちを買っています。今回はシングルなので7inchの小さい奴で、いわゆるドーナツ盤というものです。
ジャケットは不思議なハンドサインの銅像を撮ったものです。指を交差してるのがペテンなのか。そんなことないかな。
曲は2曲で、
A面:ペテン師ロック
B面:ハードロック
という構成でした。
いや、ハードロックって・・・。笑
ペテン師ロックはとにかくイントロのヒロトのハーモニカが印象的ですね。渋くてカッコいい。ブルースも入りつつ、歌謡曲のにおいもするフレーズだと思います。
歌詞については、俺は涙を捨てたペテン師ってなもんで、クロマニヨンズには珍しくハードボイルドな世界観です。ヒロトがここにきて抱きしめてくれなんて言うとは。
ロックンロールは子供騙しなんていいますから、そういう意味でのペテン師ってことなんだろうと思います。結構大人向けの感じですね。
次のアルバムはこの曲がリード曲ということで、また今までと違った空気になりそうで楽しみです。
B面のハードロックは…、うん。
ハードロックだこれは。
ペテン師ロックはヒロト作で、こっちのハードロックがマーシー作ですね。
ギターがハムバッカーのレスポール使ったのかな?って感じで、ぶっとい低い重い音なのが印象的です。ハードロックという曲名だけあって、リフもロックンロールよりはハードロック寄りのフレーズです。こっちの方はマーシーのギターがより前に出て聴きごたえのある印象です。
歌詞については、隣の部屋の人がハードロック聴いてるぞーって、すげぇシンプルで生活感あふれる感じですね。
どちらもツアーで聴くのが楽しみです。
今年も60本近くのツアーで東京にも5回も来てくれるようで、とても幸せです。
1番好きなバンドがこんなにライブしまくってるって非常に恵まれていることですよ。
あとは本当に、ファンとしては体調に気をつけて、倒れずにやっていただきたいと思うばかりです。
スピッツの新曲のMV、ヒロト
こんばんは。
最近夜は涼しくていいですね。
今週はスピッツの話です。
この間スペースシャワーを観ていたら、スピッツの「醒めない」のMVが流れてきました。
ああそういえばアルバム出たのに聴いてないや、リード曲いい曲だなあと思って観ていたら、ビデオの最後で驚く事がありました。
大体3:30くらいのところからです。
藍色のシャツにギターを抱えて歌っていた草野さんが、急に革ジャンを着た立ちボーカルになっています。しかもこのポーズは、ヒロト・・・?
うん、完全にヒロトです。
途中出てくるアニメ風のキャラクター、なんとなく顔とか格好がヒロトっぽいなあと思っていたら、まさか本人がど真ん中のコスプレをしてくるとは。
YouTubeのコメント欄にはあまりそこの所へのツッコミがなかったですが、いやでもこれはブルーハーツへのリスペクトでしょう。
ベースの人の両足をそろえて飛び跳ねる動きも、河ちゃんがよくやってた気がします。
改めて歌詞をよく見てみたら、どうも「昔ガーンと来た衝撃を今も忘れずにいこうぜ」という、ロックの初期衝動への回帰の曲のようです。六大陸とロック大陸の掛け言葉が素敵です。
そういう曲のMVにこの格好を持ってきたのかと思うと、尚更スピッツ(とくに草野さん)のヒロトへの強いリスペクトが感じられます。
歌い出しの一節については、昨年クロマニヨンズとスピッツとの対バンがあったので、その時に草野さんがヒロトと話をして、ヒロトがスピッツを覚えててくれて…という事があったのかもなーなどと勘繰ってしまいました。
はい。妄想です。
スピッツは実は最初はパンクバンドで、ブルーハーツに衝動を受けて方向性を変えたという話があります。その事自体は何かで読んで知っていましたが、本人達がその一面をハッキリ出しているのは初めて見ました。
僕はスピッツに関しては、両親が好きでよく車なんかでかけていたという世代です。それもあって非常に長い間、優等生的なバンドだという印象がありました。小さな子供に聴かせても全然OKだったというわけで。
でも20代に入って色々な音楽を聴き慣れた今になってみると、実は結構ギター歪んでてソリッドなロックだったんだなぁということに気づかされます。
本家のライブはまだ観たことがないのですが、大学の学祭などでコピーバンドを見かけることが結構ありました。そういった時にも、大きい音になると結構ガツンと音圧のある感じになる印象で驚いた覚えがあります。
歌詞もセックスと死がテーマだと公言している様です。
考えてみればスパイダーとか冷静に怖いですね。誘拐かな?と。
そういう意味で、スピッツがブルーハーツみたいな事をしていたと初めて聞いた時は驚きましたが、よくよく考えると納得かもしれません。
逆に後進のバンドで a flood of circleやThe BOHEMIANSなど結構ゴリゴリのロックンロールをやっている人達が、影響を受けたバンドとしてスピッツを挙げていることがあります。
入り口としてはとても聴きやすく 、でも掘り下げると実はロックって本当に凄いことだと思います。
ていうか、アルバム聴かなきゃ・・・
池袋CD&レコードフェアに行ってきた
先日、池袋で行われていたレコードフェアに行ってきました。
だるまやというレコード屋の主催で、その他にも全国から出店されていたようです。
会場は豊島公会堂の隣の建物でした。そのすぐ向かいでは、なにか外国文化もののフェスをやっていて、またそのすぐ近くではアニメイトがあってコスプレの人達がうようよいるという、何ともカオスな景色となっていました。その雑多な感じが池袋らしいといえばらしいかもしれません。
会場に着いてみると、教室2クラスぶんくらいの部屋に40〜50人くらいの人がいて、黙々とレコード漁りをしていました。壁に他のフェアの宣伝の貼り紙がいくつもしてあって、レコードフェアというイベント自体は、結構な頻度で行われていることを初めて知りました。
いろんな店が来ているということで、やっぱり普段チラッとディスクユニオン覗くよりずっと沢山面白そうな発見がありました。(クラシック・ジャズはまだ素養がないもんで、ほとんどロックか95円以下のジャンク棚ばかり見ていましたが…。)
同じアルバムでも、帯付き初版でレアなものから、チョイ傷特価になってるものなどいくつも見つかります。大阪など遠くの店からも出店しているので、そういう所のブースで良い物見つけてしまうと「もう二度と見ることないかも・・・」という思考が働いて、普段より気持ち思い切りがよくなる気がします。よくできている。
以降は、手に入れたレコードについて書いていきます。およそ2000字に渡って延々と自慢です。どうか逃げて下さい。
・Sticky Fingers -The Rolling Stones
ストーンズのアルバムです。元々レンタルでiPodには入れていて何度も聴いていたんですが、ジャケットが格好いいのでレコードで欲しいなと思って今回買いました。1500円とかで、なかなかこの値段では見ないのです。
ジーンズのジッパーの部分がこう、本物のジッパーになってて開くようになってるんですね。
ストーンズらしいです。
内容もいかにもストーンズらしさ全開の代表曲Brown Sugarやバラードとして評価の高いWild Horseなど、聴きどころは満載です。
・Golden Grand Prix 30 -Bob Dylan
ボブディランのベスト盤です。正確には、人気曲を集めた日本の編集盤のようです。
二枚組でLike a rolling stone、Blowin' In the Wind、 Knockin' On The Heaven's Door など、有名どころは大体入っているようです。とはいっても、ボブディランは正直まだよく分からないというか、聴いてみても「?」な感じの曲も多いです。ですので、ボブディランに関してなにかを語るには僕はまだ修行が足りないように思います。
ただ、ライナーノーツにも「最初に若いころ聴いたときはよく分からなかったけど、聴くたびに新しい発見がある」といった趣旨のことが書いてありまして、そういう楽しみ方をするものなのかも知れません。
個人的には、The Bandがバックについたライブアルバムの「偉大なる復活」が臨場感があって好きですね。
・Biggert Hits -Bill Haley& The Comets
こちらはビル・ヘイリーのヒット曲集です。
ビルヘイリーといえばロックンロールのご先祖さまのお一人で、1955年にビルボードチャートでミリオンセラーを飛ばしたスターです。当時はROCKという「造語」が新しく使われ始めた時期で、むしろ正にこのビルヘイリーがロックだ!と言い出した先駆けの一人です。
…と、名前だけ知ってて聴いたことがなかったので、発見したついでに連れて帰った次第です。
初期のロックンロールらしく、軽快で元気な音ですね。クリーンの素朴なギターに力強いサックスで、時代を感じます。
ジャケットもアメコミ風の絵柄でパツキンの美女がコカ・コーラの瓶を持って座ってる絵でして、非常にアメリカンです。部屋に飾れる。
・Chet Atkins and Les Paul
これはセールの棚で300円で釣り上げたものです。チェットアトキンスとレスポールっつったら、どちらもジャズ、ポピュラーミュージックで名手と言われているギタリストですね。
その2人のセッションを録音したインストのアルバムです。
チェットアトキンスはグレッチから専用モデルのギターが出ていて、レスポールは言うまでもなくギブソンのレスポールモデルの元となった御仁です。
1975年録音だそうで、2人とも全く違う音色で演奏しているので聴き分けは比較的しやすいです。
いや、滅茶滅茶上手い。笑
なんとなく40〜50年代のギタリストって音色のせいか素朴なイメージを持ってしまいますが、とんでもない超絶技巧です。クリーンの音色もあいまって、聴いていて非常に心地よいです。
各々のアルバムを聴いてないのにここから聴き始めるというファンに怒られそうな行為をしてしまいましたが、こういう偶然で不思議な出会い方になるのがレコード漁りの面白さでもあると思います。
・More Rock'n Roll Rarities -Chuck Berry
ラストはチャックベリーです。
今回なんでこんなにオールディーズ寄りになってしまったんだろう・・・。
そういえばチャックベリーのレコード持ってないなぁと思ってたところにキメ顔のチャックがポーンと目の前に現れまして、これは買おうと思いまして。
これはパッと調べても良く分からないのですが、チェスレコードが80年代に出した編集盤だと思います。
Rock'n roll music、Johnny b goodeなど代表曲も入ってまして、なおかつRoute 66のカバーなんかもあったりして面白いです。チャックベリー・リフも十二分に味わえます。
今回なぜか50年代のミュージシャンのアルバムばっかりになりましたが、チャックベリーは飛び抜けてキャッチーですね。
このほかにも本当は予算オーバーで諦めたレコードも何枚かありました。特にジャニスジョプリンのライブアルバムがあって、あれ本当に欲しかったな…。
ともあれ今回のことでレコードフェアというものが意外と年に数回くらいは各地で行われていることが分かったので、今後の楽しみにしていきたいです。
こんな事を楽しみながら生きています。
GEZAN、8月31日
こんにちは。
別に夏休みでもなくても、8月が終わるのはどこか物寂しさがあるものですね。
今回はGEZANというバンドの話です。
結成は2007年とのことで、比較的最近のバンドです。イメージとしては、真っ赤。ルックスからして独特で、さらにボーカルのマヒトゥ・ザ・ピーポーは家を持たずに公園で寝泊まりしているだとか、ドラムが野外で8時間耐久ドラミングを敢行したとか、インディーズバンドなのに海外ツアーを決行したとか、ネットで調べた範囲でも常軌を逸したエピソードが多いバンドです。
最初に聴いたのは爆弾ジョニーのりょーめーが活動休止前にTwitterで勧めていて目にしたのが切っ掛けで、昨年のロッケンローサミットに出演していたので一度だけですが観たこともあります。
曲調はサイケデリック、聴く麻薬という表現がしっくりくるような歌です。アルバムを聴くと多彩な曲がありますが、基本的にはギンギンに歪んだギターで脳みそ搔き回すような感じです。
最初は正直かなり抵抗ありましたが、慣れてくるとかなりの中毒性があります。
歌詞に関しては死生観を前面に出したものが多く、演奏体の凄まじさも相まって、演奏が終わったらこの人たち死ぬんじゃないかっていうような危うさや気迫が感じられます。
ただ個人的にツボなのは、そうした毒々しいサイケ要素や切迫した演奏の中で時折のぞかせる無邪気さです。
なんていうんですか、これだけエグい事をやっているのに、思い切りはしゃいでいる夏休みの小学生のような、どこかそういう無垢な部分がある気がするのです。
そも、小学生ってエグいところがあると思います。皆が皆ではないにしても、たとえば遊びでアリ踏み潰したり、バッタ捕まえて池に放り投げたり。
このバンドがやってることって残虐性そのものの表現というより、本体はそういう子供の無邪気さにあって、その一端として残虐さがあるって感じなのかなーと思います。
この曲の歌い出しの「扉の前にセミが死んでいた」なんかは、大人よりは子供の目線の高さで見えてくることだと思いますし。
そういう意味では万人に共通するものを歌ってるのかもしれません。
それで、なぜこのバンドのことを書こうかと思ったかというと、実は明後日の8月31日をもってドラムが脱退して、GEZANは活動休止に入るそうなのです。
そのライブを観てきます。
小学生の夏休みの無邪気だったバンドが、事もあろうに8月31日に活動休止を決めるというのは何とも切ないものがあります。
一方でどんなライブになるのか、非常に楽しみでもあります。
この曲が聴きたいです。
【ライブ】クロマニヨンズ、サンボマスター、THE BACK HORNのスリーマン観てきた
またライブに行ってきました。
今年は8月に休みが取れなくてロクに夏らしい遊びもできていないのですが、そんな中でもこのライブは非常に楽しみにしていたイベントの一つでした。
高校の頃の自分が聞いたら、メチャメチャ羨ましがると思います。
すでにもう対バンしてるものと思っていたんですが、どうもMCを聞いてると今回が初めてっぽかったですね。
オープニングのサイダーガールはちょっと間に合わなくて観れなかったんですが、ライブハウスに着いたらちょうど転換中で、サンボマスターは頭から観られました。
サンボマスターは年末のフェスで2回くらい観たことがあったんですが、ライブハウスで観るのは初めてでした。
いや、あの人達、ライブハウスが似合う似合う。笑
距離が比較的近いのもあって、汗の光まで見えてきそうな暑苦しさ。
光のロック、美しき人間の日々、ぬくもりという名のケモノ道、できっこないをやらなくちゃ、あたりが個人的にグッときました。
MCでヒロト&マーシーのことにも触れていて、ブルーハーツのダンスナンバーの歌詞を持ってきたり、クロマニヨンズのエルビスを一瞬歌ったり、ほんとこの人達ファンなんだなって思わされる所が多くて嬉しかったです。
客もおそらくクロマニヨンズ好きが多いとはいえ、やはり大盛り上がりでした。
そもそも、クロマニヨンズとサンボマスターはファンがだいぶ被っていそうですね。
僕もそうです。
二番手はTHE BACK HORN。
このバンドは名前だけ知ってて、今回のライブで初めてまともに聴きました。
サンボマスターの後でクロマニヨンズの前ってかなり難しいと思うんですが(本人達もMCでいってました)、こちらもパワーのある演奏で大変良かったです。
詳しくないので完全に偏見ですが、なんとなく9mmと並べられるイメージがあります。部活でも9mmのコピーやる人がよくバックホーンやってるような…。
また日本的なメロディ、激しい曲の中で突然静かになる感じはeastern youthを彷彿とさせます。
(後でインタビュー調べたら、やっぱり少なからず影響は受けているようですhttp://www.interfm.co.jp/alt/blog/2013/09/21/18/32/)
いわゆる日本語ロックというのが、このスリーマンのコンセプトとして一つあるのかも知れません。
そして最後はクロマニヨンズ。今年初めてでした。
一曲目のクロマニヨンストンプは、照明暗めでスモークの中に四人のシルエットだけ見える感じでした。動きだけで四人誰が誰だかハッキリ分かるものです。
僕もブルーハーツからロック聴くようになった身なので、ヒロトとマーシーはやっぱり特別な存在でして、目の前に二人が現れるとカッと熱いものが込み上げてくる感じがあります。
タリホー、ギリガン、紙飛行機とシングル曲を一通りやる感じかと思ったら、草原の輝きや底なしブルーといった曲も聴くことができました。良い意味でいつも通りの全開クロマニヨンズでしたが、特に今回はマーシーが元気だったように思います。 ギターから両手を離してバンザイする奴をいつもより沢山やってた気がします。
あのポーズはカッコつけというより、楽しくてついやっちゃってる風なのがとてもカッコよいです。
アンコール前のラスト曲はエルビス(仮)でした。前にtwitterでサンボマスターの山口さんがこの曲はとんでもない曲だと讃えていて、実際改めて聴くとすげぇ特異な曲な気がします。
メロディやギターフレーズなどの一つ一つにはクロマニヨンズらしさがありつつも、展開は洋楽の古いロック的なヴァース→コーラスって感じでもないし、邦楽のAメロBメロサビっていうのでもないし。
歌詞もブルーハーツ時代のシングル曲のようなストレートなメッセージソングでもないし、ハイロウズ時代のような尖った歌詞でもないし。クロマニヨンズ独特の、なんていうんですか、死生観みたいなものが前面に出てきている印象です。
じっくり考えても、あんまり前向きな歌詞ではない気がします。でもそれを本当に楽しそうに演奏するからこそ、なおさら熱いものがあります。
アンコール大トリはナンバーワン野郎でした。この曲最後だと沢山叫べてスッキリ終われますね。
このとき、舞台袖でサンボマスターの人達が見てるのがチラチラ覗いてて楽しかったです。
いやー、よい夏だった。
次はGEZANを観に行きます。
おそらく来週はGEZANの話です。