ロックンロールで一夜漬け

ロックンロールで一夜漬け

音楽に踏み込む探検日記

GEZAN、8月31日

 

こんにちは。

別に夏休みでもなくても、8月が終わるのはどこか物寂しさがあるものですね。

 

今回はGEZANというバンドの話です。

結成は2007年とのことで、比較的最近のバンドです。イメージとしては、真っ赤。ルックスからして独特で、さらにボーカルのマヒトゥ・ザ・ピーポーは家を持たずに公園で寝泊まりしているだとか、ドラムが野外で8時間耐久ドラミングを敢行したとか、インディーズバンドなのに海外ツアーを決行したとか、ネットで調べた範囲でも常軌を逸したエピソードが多いバンドです。

最初に聴いたのは爆弾ジョニーのりょーめーが活動休止前にTwitterで勧めていて目にしたのが切っ掛けで、昨年のロッケンローサミットに出演していたので一度だけですが観たこともあります。

 

曲調はサイケデリック、聴く麻薬という表現がしっくりくるような歌です。アルバムを聴くと多彩な曲がありますが、基本的にはギンギンに歪んだギターで脳みそ搔き回すような感じです。

最初は正直かなり抵抗ありましたが、慣れてくるとかなりの中毒性があります。

歌詞に関しては死生観を前面に出したものが多く、演奏体の凄まじさも相まって、演奏が終わったらこの人たち死ぬんじゃないかっていうような危うさや気迫が感じられます。

 

ただ個人的にツボなのは、そうした毒々しいサイケ要素や切迫した演奏の中で時折のぞかせる無邪気さです。

なんていうんですか、これだけエグい事をやっているのに、思い切りはしゃいでいる夏休みの小学生のような、どこかそういう無垢な部分がある気がするのです。

そも、小学生ってエグいところがあると思います。皆が皆ではないにしても、たとえば遊びでアリ踏み潰したり、バッタ捕まえて池に放り投げたり。

このバンドがやってることって残虐性そのものの表現というより、本体はそういう子供の無邪気さにあって、その一端として残虐さがあるって感じなのかなーと思います。

この曲の歌い出しの「扉の前にセミが死んでいた」なんかは、大人よりは子供の目線の高さで見えてくることだと思いますし。

そういう意味では万人に共通するものを歌ってるのかもしれません。

それで、なぜこのバンドのことを書こうかと思ったかというと、実は明後日の8月31日をもってドラムが脱退して、GEZANは活動休止に入るそうなのです。

そのライブを観てきます。

小学生の夏休みの無邪気だったバンドが、事もあろうに8月31日に活動休止を決めるというのは何とも切ないものがあります。

一方でどんなライブになるのか、非常に楽しみでもあります。

この曲が聴きたいです。