ロックンロールで一夜漬け

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音楽に踏み込む探検日記

The Birthday TOUR2017 NOMADに行ってきた

 

こんばんは。
11月ももう終わりですね。高尾山の紅葉がきれいでした。

 

つい昨日、The BirthdayNOMADツアーファイナルに行ってきました。Zepp Divercityの2デイズ公演で、その2日目の方でした。
今月ずっと楽しみにしていたのですが、想像を上回るやべえライブで終始鳥肌立ちっぱなしでした。
という事で、いつも通り感想いってみたいと思います。

今回ライブ翌日のテンションで書いているので若干とっ散らかりがちですが、よろしければお付き合い下さい。


まずそもそもこのThe Birthdayはどんなバンドかと言えば、かのTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのフロントマン・チバユウスケとドラマーのクハラカズユキが現在組んでいるバンドです。今年で結成12年ということで、そろそろミッシェルよりバースデイ時代の方が長くなるようですね。ミッシェル時代の曲は全く演奏されませんし、全くの別バンドと見るべきものでしょう。
一般的に、以前ひと時代を築いたバンドのフロントマンが新しく組んだバンドというのは、どうしてもフロントマンのソロのようになりがちなイメージがあります。しかしこのバンドに関してははほんと、全員がスターみたいなバンドだなと思います。チバユウスケという圧倒的に強いフロントマンが居ながら、バックのフジイケンジ、ヒライハルキ、クハラカズユキの三人も全く力負けしてない。
一人一人が、この人しか出せないって感じの音を出しているのが凄いです。
敢えて言うなら、本物観たことないですがレッド・ツェッペリンみたいな感じというか・・・。

実際ライブで聴いてみると、何よりまず音圧がヤバいですね。耳にというよりも全身に叩き込まれるような勢いで、頭が割れそうな程なんだけど聴き入ってしまいます。

チバのギンギンに歪んだ声ももちろん、高音で暴れ回るギターも超低いところで唸るようなベースも、そしてドラムの力強さもあってのこの音なのでしょう。
また、ただ爆音なだけでなく、各楽器の音がしっかり聴こえるけども全体の音圧は凄まじいっていう絶妙なところをキープしており、さすが熟練のバンドだなと思います。

各楽器ごとで見ていきましょう。まずギターは、パンクど真ん中な感じのヘヴィなギターリフからディレイを使った飛び道具的な音の置き方まで、本当に多芸な印象です。
ジャジーな感じの落ち着いたフレーズで曲に華を添えたかと思ったら、次の曲では一転してリフとパワーコードでゴリ押すようなギターになったりと。その変化がスリリングです。

ベースはめっちゃ重低音で迫力ある音ですね。ベースって低音楽器とはいってもそこそこ高いところも出るので、バンドによっては中〜低音くらいのところで単音ギターの代わりみたいな役割をしていたりすることもあると思います。しかしこのベースはもうまさしく重低音で、生で聴くと腹の底に響くようなタイプです。
高音域にギター二本がいて、中音域をチバのぶっとい声が支配していると考えるとそうなるのも必然なのかもしれません。
ミュートの効いた刻みでしっかりリズムを支えつつも、実はかなり複雑なフレーズを弾き倒しているのも格好いいところです。
たしかベーシストだけ30代でひと世代くらい下の若い人だったと思うんですが、他メンバーにも全く負けてないですね。それで一言も喋らないで黙々と仕事しているあたり渋いです。

ドラムは手数やバカテクで攻めるタイプというよりは曲ごとの強弱がすごくしっかりしていて、抑え気味でじっくり聴かせるところから一気にグァッと盛り上げていくとかそういう部分がめっちゃ上手いと思います。それこそ指揮者というイメージでしょうか。
MCも適度にゆるくて、他の人があまり喋らないぶんいいバランスになっていましたね。
タカラ焼酎の話とか、その辺の飲み屋にいるおじさんみたいな・・・。

ボーカルは、分かってましたけどやはり生で聴くと鳥肌もんです。どっから絞り出してるんだってくらいの嗄れ声ですね。楽器なしでボーカルだけのパートでも凄いビリビリくるし。
あとチバさんの歌詞が僕は凄く好きで、一見すると関係ないような単語を散りばめて歌の中でひとつの情景を作り上げていくような手法が独特だなーと思います。抽象的な景色や場面をバラバラに写していくという点では、詩というより映画を基にした表現技法なのかもしれません。それがまあ、あの声と爆音によく合うんですよね。
随所で織り込まれるギターとハーモニカもめっちゃ格好いいっすね。荒々しいようでリズムが非常に安定してて、ボーカルパートの演奏する楽器としてとても美味しいです。
あとやっぱフロントマンらしいところとして、演奏中の手を上げたり首振ったりの細かい所作やMCのささいなひと言がいちいち格好いいのは、もうカリスマっつーかずるいとしか言いようがないです。

はい。

セットリストは以下の通りでした。

NOMAD以外からはベスト盤のGOLD TRASHからの選曲が多かったように思います。最新作とベスト盤を押さえていればしっかり楽しめる構成になってるのはありがたいことですね。
また、白状しますと知らない曲もいくつかあったのですが、それでも歌詞もメロディもばっちり耳に入ってきてくれるあたりは流石です。
やはりNOMADのメインだった「夢とバッハとカフェインと」や「抱きしめたい」あたりが今回のキモだったとは思うんですが、他の曲もライブだとまた一味違う良さがありますね。
特に今回ワンマンで聴き通して思ったんですが、このバンドは踊れるナンバーが強いですね。最新作でいうと特にGHOST MONKEYなんかがそうですが、リズム体とボーカルでグイグイ引っ張っていく様は圧巻です。最新作はミドルテンポの曲が多くてどっしり聴かせる感じの曲が多かった印象だったのですが、ライブだとさらに化けるなぁと改めて感じました。
また、知ってる曲についても原曲ではなかった所にタメがあったり、間奏がよりジャムっぽく暴れ回る感じになっていたりと、ライブらしい演出が沢山あり聴きごたえがありました。

そして何だかんだ言ってもアンコールで涙がこぼれそうが聴けたのは嬉しかったですね。サビで合唱するのはライブ映像で観て知ってましたが、実際その場に居るとまた感無量です。
アンコール2回目のラスト曲、缶酎ハイ片手に演奏されたローリンではコールandレスポンスもあり、煽りも十二分で思いっ切り叫べました。

チバさんのMC書き出します。

「大事な日曜日だからここに来てんだろ!」
「ありがとなー」
「(オーディエンスの叫び声に)…カッ!!」
「(アンコールで酒飲みながら)ガソリンなんだよぉ。」
「きょうはダイバーシティで、お前らと一緒だぜ!!」

2時間あって、ほとんどこれだけです。
かっけえ。

The Birthdayのワンマンは今回初でしたが、本当に楽しかったです。幸いツアーはしょっちゅうやってくれてるようなので、また行きたいものです。

また年明けにライブ盤が出るそうなので、そちらも楽しみです。今回のも収録されるといいな。