ロックンロールで一夜漬け

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音楽に踏み込む探検日記

ジョージ・ハリスンは格好いい

 

こんにちは。

そろそろ夏というには厳しい時期になってきましたね。

ちょっと今ブラジルにいて時差が良く分からないのですが、もう月曜日であってますかね?

 

今回はジョージ・ハリスンについての話です。

ジョージ・ハリスンです。

ロック史においては言わずと知れた名でありながら、でも巷の軽音サークル所属の大学生に聞いたら名前が出てくるかちょっと分からない、ビートルズのリードギタリストです。

僕はビートルズでならジョージ推しです。もちろんジョンもポールもリンゴも格好いいですが、敢えてビートルズは誰推しかという話題になるとしたら、ジョージを推したいと思う所存です。よろしくお願いします。

はい。まずジョージハリスンがどのような人かというところですが、一言で言ってしまえば初期から解散に至るまでビートルズのリードギタリストを努めていた人物です。ビートルズというとレノン・マッカートニーすなわちジョンレノンとポールマッカートニーの作曲コンビが何より有名ですが、ジョージ作曲の曲もおおよそひとアルバムに1〜2曲は含まれていて、有名曲のいくつかにも彼の作品があります。

特に後期のビートルズにおける曲の評価は高く、ビートルズの実質的ラストアルバムであるAbby Roadに収録されているSomethingやHere Comes The Sun、また同じく後期のホワイトアルバム収録のWhile My Guitar Gently Weepsなどが有名ですね。

ビートルズ解散後のソロ活動としても、アルバムAll Things Must Passは全英全米で第1位を記録しているなど、むしろビートルズ時代よりもさらに活躍しているような印象さえあります。

以上のようにジョージハリスンは、ジョンレノンとポールマッカートニーという2人の天才に隠れた、基本的に遅咲きのミュージシャンであったと言われています。

僕が個人的にジョージ推しな理由のひとつとして、この遅咲きな所にもあります。

例えば少年漫画でいうと、最初は全然強くなかったのに作中で急成長して最終的には主力クラスに昇格したキャラのような立ち位置だと思います。

ドラゴンボールでいうクリリンのような。

ジョジョ4部でいう康一くんのような。

その例えでいくと、悟空や承太郎がポールやジョンになりますでしょうか…。

それはさておき、逆にビートルズ初期のジョージの評価はお世辞にも高くないものであることが多いです。その大部分が、技術的にどうしても拙いところがあるというものです。

真ん中に立ってるのがジョージですね。

別に、下手ではないと思うのですが…。

おそらく全世界で空前絶後の売れ方をしたロックバンドのリードギタリストとしては、今少し足りないということなのでしょうか。ビートルズは世界で1番売れたかもしれないけど、ジョージは世界で1番上手いリードギタリストではなくないか、と。本来、リードギタリストってツェッペリンでいうジミーペイジみたいなもので、ボーカル並に目立つポジションですからね…。

もちろん、ジョージが残した音楽的な功績もいうものもあります。主なものとしては、インド音楽をロックに取り入れたという点があります。ビートルズのアルバムRevolverを聴いていると、途中明らかに文化圏の違う国からやってきたような曲があります。それがLove  You To という曲で、ジョージの作曲です。

 

この曲ではインドの楽器であるシタールが使われておりまして、こういった異国情緒をロックに取り入れていた点は当時では革新的だったようです。

とはいえ、やはり実力的な面で、あるいは年下だったこともあり、メンバー内でもジョージはないがしろにされがちだったといいます。実際ビートルズ中期にさしかかると、レコーディングで他メンバーが曲のギターソロを弾いている場面も散見します。例を挙げると、Taxmanのギターソロなどはポールが弾いたことで有名ですね。他メンバーに「自分で弾いた方が早い」と思われていた(かもしれない)というのは、リードギタリストとしてはしんどいところだと思います。

さらに私生活でも、嫁をエリッククラプトンに寝取られるなど散々なエピソードがあります。
ちなみに、そのジョージの嫁を思ってクラプトンが書いた曲があのLaylaです。厳密にはクラプトンとくっついたのはすでにジョージと離婚した後だったそうですが、それにしても。

 

しかし、そのように公私に不遇な面がありながらも、 後期〜ソロのジョージの曲は、非常に穏やかで優しい雰囲気のものが多いのです。

この優しい雰囲気というのが、僕がジョージ推しである最大の理由です。例えば、

お日様が気持ちいいよ、きっと大丈夫だよ、というような曲もあれば、

お互い傷つけ合うなんて、悲しいことじゃないか…と語ってみせたり。

歌詞もそうなのですが、アルペジオの音選びや音像がとても温かな包容力に満ちているように感じられます。

この曲などは、イントロのスライドギター(シンセかも)のキュイィーンって音だけでもう

「ああ…争いごとはやめよう…平和に暮らそう…」

って気持ちになりますね。なりませんかね?ちなみに、ジョージは嫁を寝取ったクラプトンともとても仲良しだったようです。いや、いやいや。

ビートルズとしての多大な栄光、それと共に恐らく世界中から受けた批判、そしてグループ内での扱いの低さ。そういったキャリアの果てにこのような境地に至ったというあたり、この人はホントにいい人なんだろうなぁという気がしてなりません。

もしかしたら、ビートルズの中で本当にLove and Peaceを体現しているのはジョージだったかもしれない。とさえ、思います。

そこが大きな魅力の一つだと思います。

 

特にAll Things Must Passのアルバムは、落ち込んだ時にも穏やかな気持ちになれるので非常にお勧めです。