ロックンロールで一夜漬け

ロックンロールで一夜漬け

音楽に踏み込む探検日記

ストーンズのアルバム曲順がズルい

 

こんばんは。

心なしか、寒さがピークを越してきたような気がしますね。そんなことないかな。

 

いきなり個人的な話で申し訳ないのですが、僕には「ビートルズを聴きたくなる時期」と「ストーンズを聴きたくなる時期」があります。

もちろん毎日色んなものを聴きますが、なぜだかこの2バンドはハシゴしたくない。

ああ今はビートルズだな、って時期が何週間か続くと、その後はしばらくストーンズの期間になります。

最近までビートルズ期間だったのですが、今週からストーンズ期間に入りました。今日はSticky Fingersです。

それで、改めて聴いてて思ったのが

ストーンズはアルバム最後の曲が優しい」

ということです。

例えばこのSticky Fingersですと、Moonlight Mileという曲が最後の曲となっております。

 

アコギにストリング、そしてピアノの音が重なって、ゆったりとしたテンポで響く曲です。

歌詞に関しては、雨が降り雪が積もる中、月の光が行くほどの遠い道のりを今行こうとしてるんだ…、というような内容でしょうか。ちょっと疲れたような気だるい雰囲気もありつつ、でもロマンチックな曲ですね。

アルバム冒頭の曲では奴隷に鞭を打つだのブラウンシュガー(ヘロイン)が美味いだの散々言ってるにもかかわらず、ラストのこの穏やかさですよ。

また演奏に関しても、いわゆるストーンズ印のソリッドな五弦ギターリフもMoonlight Mileでは影を潜め、あくまで穏やかなトーンに徹しています。

 

続いてLet It Bleed、このラストを飾るのは無情の世界、You Can't Always Get What You Wantです。

このブログで何度も取り上げていますが、荘厳なコーラスと「いつでも欲しい物が手に入る訳じゃないぜ」というフレーズが印象的な一曲です。

Let it bleedは一曲一曲がとても違った方向に個性的で、非常に聴きごたえのあるアルバムだと思います。そんな中でラストがこの曲だからこそ、それが一つにまとまって一つの作品として完成しているのではないかと思います。

で、これもやはり曲も歌詞もとても優しい。凹まされた時に聴くと落ち着きます。

 

第三にBeggars Banquetの最後の曲、Salt Of The Earthです。

 

和訳すると「地の塩」ってことで何のこっちゃですが、これは聖書の一節でかけがえのないものの例えばだそうです。この曲では労働者階級の人々と並べる形で讃えられています。

ドラッグ、酒、犯罪などがテーマの悪人面した歌が多い中、最後の最後には「労働者に乾杯」なんていう曲を持ってくるわけです。他の歌にさんざん卑猥な表現や痛烈な皮肉が込められているからこそ、この曲にも嘘がない。

 

いかがでしょうか。

もちろん、全てのアルバムについてそうだというわけではないです。山羊の頭のスープのラストのStar Starなんか、思い切りノリノリで下品なロックンロールですし。

ただ、なんていうんですか、ストーンズが時折見せる優しさって本当に暖かいんですよね…。

そこのところが、ただガラの悪いだけのバンドに終始しない魅力の一つだと思うのです。

カッコいい。