ロックンロールで一夜漬け

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音楽に踏み込む探検日記

レコードプレーヤーの回転数調整の話


こんばんは。
暖かくならないのに花粉だけ飛んでくるのはどうしてなのでしょう…。

先日、初めてレコードプレーヤーの回転数の調整という作業を経験しました。今回はその話になります。
同じような事で悩まれている方ももしかしたらいるかも知れませんし、ご参考になれば幸いです。

はい。そもそもレコードプレーヤーの回転数って何の話かというところから考えたいと思います。
アナログレコードというものは、盤ごとに回転数が決まっています。一般にLP(いわゆるフルアルバムの大きさ)は1分間に約33回転、EP(いわゆるシングルの大きさ)は1分間に45回転
という速度で回すと、正しく再生されるということになっています。
この回転数が基準より早いと音が高くテンポが早くなり、反対に遅いと音が低くテンポが遅くなってしまいます。よくビデオなんかの早送りでキュルキュルした音が出る表現がありますが、あれはその現象を表したものですね。テープなんかでも同じことがあります。

大体のレコードプレーヤーは33回転と45回転の2種類の速度モードを選べるようになっていて、LPを聴くときは33回転、EPを聴くときは17回転のモードを選択します。
本来ならそれで問題なく聴けるはずなのですが、アナログゆえにこの回転数がビミョーにずれていることがあるようでして…。
33回転(厳密には33と1/3回転)のはずなのに、ほんのわずかに早かったり遅かったりすることがあるんですね。
これによって、再生してみると本来の録音より微妙に音が変わってしまうことがあるわけです。

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さて、話を戻しましょう。

僕のプレーヤーはaudio-technicaのAT-PL300というヤツで、1万としないエントリークラスです。それもあってか、聴き続けるうちにいつしか33+1/3回転よりほんの少し早くなってしまっていました。
そのせいで音源がすこーしだけ早く、ボーカルの声が高くなっていたのです。
わずかな違いだったのですが、先日Liam Gallagherのソロアルバムを購入した際に、ダウンロード版と聴き比べて「なんかリアムの声が違うな?」と思い、気がつきました。
別に不協和音とかにはならないので、聴く分に支障ないといえばないのですが、やはり気になりだすと気になってしまうわけで….。

安物だからと諦めていたのですが、よく調べたら自分で細かな回転数を調節できることが分かりました。
いわくプレーヤーの裏面に穴があって、ここにドライバーを突っ込んで回すことで微調整ができるというのです。
説明書でも読んだ覚えがなかったもんで、半信半疑で見てみると…ありました。

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これですね。33と45で別のアナがあります。
さっそく手持ちのドライバーを突っ込んで回してみましたが…音が変わらん!!
はい。どうやらこれ、ちょっとコツがいるようです。というのもこの穴、普通のネジ穴ではなくなぜかスポンジが詰まっていて、そこにマイナスドライバーを埋め込んで回すような感じなんですね。カチッとはめてクルッと回すという感触ではないです。
色々試したら、やや細めのマイナスドライバーを深めに差し込むといいみたいでした。

試行錯誤の末、確かにこの穴で回転数が調節できました。しかし今度は、この調節の効きがかなり極端で、いい速度で合わせるのが難しいという問題に直面します。
時計回りに回すと早く、反時計回りに回すと遅くなったのですが、ドライバーを半周も回すともう回しすぎで、メッチャ早くなったり遅くなったりしました。
クルッ、というよりクッ、くらいで少し回しては再生して音を確認して、という作業の繰り返しです。何だかんだ30分以上かかってしまいました…。
ちなみに音の高さはどうやって確認したかというと、再生された音に合わせてギターを弾いて、チューニングのズレがないかで確かめました。原始的です。
回転数を直接調べるツールもあるようですし、他にもCDやダウンロード音源と聴き比べるなど色んな方法があると思います。

あれこれ試した時間も含めて、全行程で一時間くらい格闘していました。
とはいえ分解もせずにドライバー1本でできる調整だったので、比較的気軽に行えました。

これでレコードに合わせてギターが弾けるというものです。

なぜ時間が経って回転数がズレてしまったのかは謎ですが、きっとロックやパンクを再生しすぎてプレーヤーがテンション上がっちゃってハイになっていたのでしょう。
ウェーーーイ!!!みたいな。

なんかこういうのもアナログならではって感じで風情がありますね。