テレキャスターとオッサンと女子
こんばんは。
マーシーが誕生日だそうで、おめでとうございます。歳を重ねて衰えるどころか益々カッコよくなっていくの、本当に凄いと思います。ずっと追いかけてます。
来週ライブ行きます。やー楽しみ。
さて、今回も前回に引き続き、テレキャスターについての話です。
果たしてテレキャスターはおっさんなのか、それとも女子なのかについて考えてみたいと思います。わーい。
最近(といっても数年前かも)、テレキャスターを持った女子、「テレキャス女子」というものが取り上げられていると思います。
チャットモンチーからSHISHAMOまで、たしかにガールズバンドのギターボーカルのテレキャス率の高さには目を見張ります。また、何もプロでなくても、高校や大学の軽音部のギター女子のテレキャス率も相当高い気がします。いつだったか、能年玲奈がステッカーだらけのテレキャスを抱えた姿で雑誌の表紙を飾ってましたね。
極端なことを言えば、テレキャスターのステレオタイプの1つに「ガールズバンドの子が持ってる可愛いギター」というのもあると思います。
ただ面白いのは、これがもう少し上の世代になると意見が全然違ってくることです。
曰く、テレキャスはオッさんくさい。
可愛いどころかテレキャスは渋い、無骨なギターだという意見ですね。完全に真逆です。
この認識の差は何なのでしょうか。
今回はこれについて考えてみます。
まず、テレキャスの女子っぽいところについて、もうちょっと掘り下げてみましょう。
むかし部活の先輩に、テレキャスターを使っている女子はほとんどチャットモンチーに憧れているのだと聞きました。
今だったらSHISHAMOなんですかね…。
女子のテレキャス率が高い理由として、まず1つは憧れという要素があると思います。
要は、えっちゃんが使ってるから使う。
シンプルながら間違いない理由です。
バンド全体からするとガールズバンドの占める数ってまだそこまで多くはないので、必然的に憧れの対象になるようなギタリストとなると数が絞られてくるというのもあると思います。
また、憧れということの他に、テレキャス自体がエレキギターの中でも女子に相性がいいモデルなのかもしれません。
というのも、どうも周りを見てると、女の人は結構ずっと一本のギターを使い込んでいく印象があります。それこそ田渕ひさ子とかもそうですし。
この一本を使い込むという点において、テレキャスターはかなり用途に合ったギターだと思います。比較的軽いし、丈夫だし、一本でなんでもできるし。
また、カラーリングがわりと明るくて綺麗というのも理由かもしれません。ホワイトブロンドやキャンディアップルレッドなんかは、そういう目で見れば女の子っぽいカラーリングです。特にキャンディアップルレッド、赤いテレキャスは人気がある印象です。名前からしておいしそうですし、女子力高そう。
さて。一方、テレキャスがオッさん御用達だという意見について考えましょう。
ちなみに僕はこれ、めっちゃ良く分かります。
なぜかと言えば、テレキャスは名だたる歴代ロックスター達に愛されてきた経緯があるからですね。
そもそもテレキャスターは歴史の古いギターでして、フェンダー社の作った最初のソリッドギターです。実はストラトやレスポールやSGなど世のほとんどのエレキギターよりも先輩にあたります。それもあって、60〜70年代ロックスターにも使用者は多いです。
まず何と言ってもキース・リチャーズ、この方はオープンGで五弦にしたテレキャスがトレードマークですね。木目がナチュラルっぽいので、これは多分マルコムでしょうか。
ブルース・スプリングスティーンのトレードマークもテレキャスです。Born To Runのジャケットで彼が抱えるテレキャスはインパクト大です。
また、エルヴィス・プレスリーのバックでギターを弾いていたジェームズバートンもテレキャスターですね。後は、先週も触れたジミー・ペイジやウィルコ・ジョンソン、そしてパンク勢としてはジョー・ストラマーも外せません。
他にもミック・グリーン、オルガ、ダニー・ガットン、ジョージ・ハリスン、ジェフ・ベック、などなど…僕が思いつく範囲でさえ、挙げればキリがありません。
つまり、この辺の時代のギタリスト達に憧れを持っていても、テレキャスに引き寄せられるというわけです。この場合はバタースコッチブロンドやサンバーストなどの色を選ぶことになるでしょう。しぶい。
当然、日本でもこういったロックスター達の憧れからかテレキャスを手に取った人達もいて、チャボやマーシー、アベフトシ、ダニー、くるりの岸田繁、斉藤和義、その他にも大勢いそうです。あと個人的には、いま50〜60代でバンダナ着けてテレキャスを抱えていた写真が残っている人はみなキースリチャーズ意識だと思います。はい。
また色に関して、先程赤いギターは色が可愛いから女子っぽいと書きましたが、
ブルースの巨人にしてストーンズの憧れの存在、マディ・ウォーターズが赤いテレキャスを使っています。昔のキャンディアップルレッドってなんか色が違いますね。日焼けした感じというか…。
また向井秀徳のメイン機の1つも実は赤色です。
赤いテレキャスというとこういうイメージもあります。こうなると、先程まで女子力を発揮していたりんご色が、鈍く輝く赤銅色に見えてくるから不思議です。
はい。
SHISHAMOとマディ・ウォーターズを同記事で並べるとっ散らかり加減ったらないですね。
時代を超えて様々なギタリストに使われてるのに、その使われ方が全然違うところが面白いです。それだけ幅のきくギターなのでしょう。
そもそも発売から半世紀近く経つのに、未だに形が変わらないのも凄い話です。
一本欲しい…けど、僕はレスポール派です。
テレキャスに関しては他の人に使って欲しい、そしてたまに貸してほしい、みたいな、こう。
そのあたり複雑な感情を抱えています。