ロックンロールで一夜漬け

ロックンロールで一夜漬け

音楽に踏み込む探検日記

ブルーハーツが聴こえる、考える

 

こんばんは。

ギャーーーーー!!

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はい。

2週間ほど前、ブルーハーツ(とマーシーソロ)のアルバムのアナログ盤の再販がありました。過去作のアルバムはほとんど全てリリースされています(欲を言えば、ライブ盤も出してほしかった・・・)。流石に全部買うわけにはいかず、悩みに悩んだ結果、特に思い入れの深いこの三枚を手に入れました。

1stの「THE BLUE HEARTS」と後期の名盤「STICK OUT」、そしてマーシーのソロ作品である「夏のぬけがら」の三枚です。

早速聴いてみると、アナログだからなのか音圧が凄い!特にやや音が薄めだったファーストが迫力増していて驚きました。アナログ化といっしょにリマスターもされたのでしょうか?いずれにしろ買った甲斐があったというものです。

LP版の大きいサイズでこのジャケットが見られるのも嬉しいところですね。部屋に飾れます。

そしてSTICK OUT、実はこのアルバムと僕は同い年です。しかもこのアルバム収録の1000のバイオリンという曲、これこそ僕がブルーハーツを聴くきっかけになった曲です。約10年前、15歳の時にこの1000のバイオリンを聴いたことがきっかけで僕はブルーハーツを聴くようになり、やがてストーンズを知りチャックベリーを知りロックンロールを知るきっかけになったというわけです。ということで非常に思い入れのある一枚です。他の曲を見ても「すてごま」「俺は俺の死を死にたい」「月の爆撃機」など、佳曲の多いアルバムだと思います。

夏のぬけがらはブルーハーツのギタリスト、マーシーのソロアルバムです。ブルーハーツとは打って変わってアコースティックでゆったりとした曲の多いアルバムです。マーシーのノスタルジックな一面が前面に出たアルバムですね。個人的にマーシーは出身地が非常に近いこともあってか、歌われている情景が自然に入ってくるので味わいがいがあります。これも好きなアルバムの一つです。
聴き直して改めて、ブルーハーツは、ひいてはヒロトマーシーはやはりすごいなと思いました。
しかしその一方で、聴き続けて10年も経つとまた違った感想も出てくるというものです。
「すげーー!!」っていう最終的な感想自体は同じでも、じゃあ何がすごいのか言葉にしてみると、違った解釈が出てきます。
今回は、そこの所について考えてみたいと思います。
ひょっとしたらもう語り尽くされている事かもしれませんが、そこは若輩者ということでご容赦ください。ロッケンロー!!!

 

さしあたって、まず高校生の頃の自分の考えを思い出しながら整理してみたいと思います。

そもそも最初の最初、聴き始めの15歳の頃、僕はブルーハーツは「『上手くやれなくてもいいんだ!下手でもいいんだ!格好悪くてもいいんだ!!』と言ってくれる人達」だと思っていました。
当時の僕は、テレビで流れるキラッキラの前向きなアイドル曲に対して、ある種の取っ付きづらさやモヤモヤ感を感じていました。つまり「いいこと言ってるけど、この人達はアイドルだしファンも沢山いるよな」ということです。何だかんだ容姿に運に恵まれてるじゃないか、と。笑顔を振りまいて大きな声が出せて、それができるならそもそも悩んだりしてないわ、と思ってしまっていたわけです。
劣等感を引きずる遣る瀬無さが分かるのかと。
(今考えるとアイドルもアイドルで苦労があるに違いなくて、またアイドル曲というのはポップスに精通した音楽大好きな大人達の力の結晶であり、決してないがしろにはできないなと思いますが・・・。とにかく当時の考えです。)

それに対して、ブルーハーツはほんと滅茶苦茶やってますよね。テレビに出てもインタビューにまともに答えなかったり、目ん玉ひん剥いて、わざとかってくらい音程外したりして。
僕はこれを見て、ブルーハーツは「綺麗でいられなくても堂々と生きていていいんだ」という事を示してくれる人達なんだ、と感じたわけです。滅茶苦茶な動きで、荒削りな演奏で、飾らない剥き出しの姿を誇ることをその身をもって体現している人達なんだと、そういう風に見ていました。


彼らの「ダンスナンバー」という曲の歌詞にもあります、「格好悪くたっていいよ、そんな事問題じゃない」。まさにそういう人達なんだ…と。
それは内気で気弱だった当時の僕にとって、大きな光に感じられたものです。
白状すれば、世に出回るアイドルやポップスは安っぽい偽物で、ブルーハーツこそ本物の格好良さを持っているんだと、そんな風にさえ思っていました。

それから10年経ちました。

まだまだ知らないことだらけではありますが、色んなことも経験して、また当時よりはずっと様々な音楽を聴くようになりました。そうなって今改めて、ブルーハーツについてこう思います。

 

いや、違うなと。


ブルーハーツ普通にめっちゃ賢いわ、と。

 

そこの所がはっきり言語化できたのは、この番組を見たのがきっかけです。

 

山田玲司ヤングサンデードレスコーズの志磨遼平をゲストにゼロ年代の音楽について話している回です。この回の主題は「ゼロ年代のあの雰囲気はなんだったんだ?サンボマスターとは何だったんだ?」というようなことで、これはこれで非常に面白そうなテーマではありますが、今は置いておきます。
この中で、ブルーハーツに対してこんな風に言及されています。
いわく、「ブルーハーツはパンクの和訳」「パンクの精神性をアホに分かるまで噛み砕いたもの」だと。

つまり、ブルーハーツの何が凄かったかというと、ロックンロールを誰にでもわかる単純明快な形で打ち出した事だというんですね。ポジティブなメッセージソングを作ったからじゃないと。

当時ブルーハーツの歌が人を励まし、元気づける力になったのはおそらく事実で、そういった面も確かにあったんだと思います。
しかし、ブルーハーツの功績は心を打つメッセージソングを作ったこと自体ではなく、あくまで日本語でパンクロックをやって、より多くの人にパンクの精神性を示してみせたという事の方なんじゃないかというわけです。
あくまでキーはパンクロック、そしてロックンロール。
その事を念頭に置いて、改めてブルーハーツの曲について考えてみます。

ブルーハーツで一番有名なのって、やっぱり今でもリンダリンダなのでしょうか。意外と今日びCMやアニメで耳にするのは、1000のバイオリンの方が多いような気もします。


宮崎あおいのCMとかローリンガールズとか、ありましたね。

実はブルーハーツは曲の幅が広く、特に3rdアルバムなんかはルーツに立ち返ったのかブルースやレゲエや様々な影響が見て取れます。
しかし基本的にはやはり、シンプルなエイトビートとこれまたシンプルなメジャーコードが中心のギターに、日本の童謡のような平易な言葉とメロディが乗っている。これがやっぱりブルーハーツらしさだと思います。

このスタイル、ものっっっすごい賢いと思うんです、今考えると。

まず第一に、歌詞の言葉の分かりやすさです。ブルーハーツ(特に初期)の歌詞は、本当に分かりやすい。日常で使わない語彙はほとんど出てこないですよね。抽象的で哲学的な言葉は少なく、小学生でも分かるくらいの日本語で作られています。また、実は明らかな中傷や汚い言葉が目立たないのもポイントで、聴いていて耳触りが悪くならない。同時にこれは、口ずさみやすい曲だということでもあります。

次にメロディに注目しましょう。例えば情熱の薔薇のような一音が長めにとられたメロディは、日本語の音数によく合います。英語と日本語ってそもそも語音の捉え方が違ったりするので、英語詞のメロディにそのまま日本語を乗せてもアクセントが上手くいかなくて、言葉として伝わりづらかったりしますね。むしろ日本に昔からある童謡や歌謡曲の方が、日本語には合っているはずです。それを分かった上で、メロディはそっちに寄せてきているんじゃないかと思われます。

そして演奏のスタイルですね。
おそらく演奏面でブルーハーツの土台になっているのはラモーンズや初期のクラッシュで、ギターはジャカジャカとコードを弾くパートが大半で、ベースもドラムもあんまり動きませんよね。
そのように後ろの演奏が必要最小限にまとめられているからこそ、より言葉が耳に入りやすくなっているのではないかと思います。
たとえば極端な話、歌のバックでギターが延々とピロピロ早弾きしていたら、そっちが気になって歌の方が頭に入ってこなくなりますね(慣れるとそれもいいんですが…)。

まとめると、ブルーハーツの楽曲ではロック音楽という形態の中で一番多くの人に伝わりやすい要素である「言葉」の部分が、さらに最も伝わりやすいような形のメロディ、演奏に乗せられているということです。
考えるほど、実は万人向けのスタイルだったんじゃないかってわけですね。音楽を聴き慣れていない層でも抵抗なく聴ける。
これら一つ一つの要素に、必ずしも難しいことはないと思います。なにも突飛な音楽理論に基づいているわけでもなければ、難解な語彙や思想も必要としないわけですからね。ひょっとしたら、やろうとさえ思えば誰でもできたのかもしれないです。

しかしブルーハーツの本当に凄い所は、それらを組み合わせてロックンロールにしたら格好いいぞ、ということを発見して実際にやってのけたという、まさにその事実そのものではないでしょうか。

先程まで歌詞や演奏のことを長々書き並べてきましたが、結局こんなのはブルーハーツの存在を前提にした上での後付けの考えです。当時は、まさかパンクロックでそんなやり方があるとは本当に誰も考えなかったんじゃないかと思います。
そしてその発見こそが、一番ブルーハーツの鋭いところなのではないかと。

当時の状況を想像するに、まだ日本には日本語のパンクが浸透していなくて、極端に言えばパンク=セックスピストルズ、という認識の時代だったのではないかと思います。反体制、無政府主義者を標榜し、未来はないと吐き捨て、時には女王陛下さえコケにする。そういう姿勢こそがパンクだ!と。
もちろんラモーンズやレジロスのようにアナーキズムからはやや縁遠いパンクロックもあったにせよ、今ほど海の向こうの情報が多くない事も踏まえると、やはりインパクトからいってピストルズのイメージが強かったんじゃないかと思います。要は、毒づいてなんぼ暴れてなんぼ。

そう考えると、まさかそのパンクロックに前向きなメッセージと平易なメロディを乗せようなんて事は、そしてまさかそれが相性抜群だなんてことは、到底思いつきようがないんじゃないかと思うのです。

そもそも言葉を大事にして曲を作ろうと思ったら、ふつう出来上がるものはポップスになります。分かりやすくて取っ付きやすいメッセージを歌詞にしよう!などというのは、パンクとは真逆といってもいいくらいのアプローチです。

単純にピストルズアナーキー・イン・ザ・UKみたいなパンクをやろうと思ったら、アウトローで汚い言葉を並べまくった曲ばかりになるはずです。でもブルーハーツはそうじゃなかった。

人にやさしく、頑張れ、なんてワードをあえてパンクロックに突っ込んだ、という発想の凄さですよ。

そして何より最高なのが、恐らくそれがほんとうにロックンロールが好きだからこそたどり着いた境地だったんだろうなと思えるところです。
むかし何かのインタビューで、マーシーが「パンクロックは、当時の僕らにとってはロックンロールの最新型だった」と発言していたことがありました。

このへん妄想も入るんですが、おそらくヒロトマーシーは決して計算高かったからではなくて、ただロックンロールが好きで好きで仕方がなかっただけなんじゃないでしょうか。それで、どうにかしてそれを当時の日本で格好良くドカーンと見せつけることができないか?と考えに考えた結果、行き着いたのがあの形だったんじゃないでしょうか。
ライブ映像なんかを見ていると、なんとなくそんな気がします。

つまりブルーハーツは、演奏自体は荒削りなところもあったかもしれませんが、「ロックンロールを格好よく見せる」という事にかけては超一流のバンドだったんじゃないかと。

下手でも良い、格好悪くてもいい、というのはロックンロールをやるためのポーズであって、あくまでロックンロールとして最高だったというのがブルーハーツのすごさの本体なんじゃないか、と。

今はそう思います。

もしかしたら15歳の時の自分が心打たれたのは、駄目な自分を慰めてくれるような存在なんかではなくて、ブルーハーツがぶつけてきたロックンロールそのものだったのかも知れません。・・・などというのは妄想が過ぎるでしょうか。

 

まー何はともあれ、10年越しに見てもやはり格好いいですよ。ヒロトマーシーも河ちゃんも梶くんも。

 

いつにもまして長くなってしまいました。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

 

 

リアム・ギャラガーの声2017

 

こんばんは。

連休だからと油断していたら月曜のあいだに書き損じました。ぐう。

 

今回はoasisのボーカル、リアム・ギャラガーについて考えたいと思います。

個人的にオアシスは、今年に入ってから一番ハマったバンドの一つです。むしろ、なぜ今まであんまり聴いていなかったのか…。

今年の3月にsupersonicというオアシスのドキュメンタリー映画が公開されまして、元々少しずつ聴いていたところにこれを観てガッツリ心掴まれた感じです。曲が良いのはもちろんですが、エピソードを知るとまた一段と最高ですね。

90年代のバンドということで、自分がギリギリ生まれていた時代の話だと思うとまた身近に感じます。初来日の頃2歳とかだったので、ライブに行けたかっていうとちょっと難しかったですが…。

世代的には幅広く見れば甲本ヒロト真島昌利斉藤和義奥田民生と同じくらいですね。パンクムーブメントをリアルタイムで経験したかどうかくらいの人達なのでしょう。

 ビートルズピストルズの影響が強いというのも納得です。

曲、特にメロディの良さ、内省的ながらスケールの大きい歌詞、ステージの立ち振る舞いなどなど良い所はたくさんあると思いますが、それに並んでオアシスの大きな武器とされるのがリアム・ギャラガーの声です。ジョン・レノンジョン・ライドンを足して割った声という評価もあって、吐き捨てるような歌い方ながら透明感のある…というかもう、いい声です。最高にロックミュージックに合う声。

 

個人的に一番リアムの調子がいいと思うのは、このMy Generationのカバーの時です。

きょうびシャウト専門のボイストレーニングがあったりして、ロックボーカルも人に習って努力して身に付けるものという風潮がありますが、リアムに関しては才能100%で圧倒している感じで好きです。

はい。その一方で、後期のオアシスに一番多い批判(おそらく)もこのリアムの声に関することのようです。

曰く、キャリアを積むにつれ声が死んだと。

こんな動画も作られているくらいで、デビューから実質解散までの約15年で経年的に声質が悪化していったという見方があるようです。

実際に聞いてみると、うーん、確かに…。

dyingってのは言い過ぎな気はしますが、歳を追うにつれ声に透明感がなくなった→高音が出なくなった→声が伸びなくなった、となっていってる印象です。

 2000年ごろのザラついた声なんかはそれはそれで格好いいと思うのですが、高音が伸びなくなってバンドサウンドに対して声が引っ込み気味になってる事に関しては、確かに90年代と比べると元が良すぎただけにちょっと物足りなく感じます。

声がこうなった原因は酒かドラッグかはたまたツアーによる酷使かと言われているようです。考えてみるとロックスターってどう足掻いても喉に悪いことばかりする仕事(?)だと思うので、仕方ないことかもしれません。またリアムに限っては素行の悪さが魅力の一つでもあるので、もし喉を気遣ってお酒をひかえて龍角散なめてたりしたら、それはそれでガッカリな気もしますし・・・。

とすれば、これもいわゆる壊れゆく美しさという、そういったものの一つとして捉えれば味わい深くもあるように思います。

 

・・・ と、考えていたのですが。

 

あれ?声復活してない?

と。ここからが本題です。

こちらは今年のライブ映像で、マンチェスターで起こったテロ事件のチャリティコンサートの模様のようです。2017年6月とあるので、まさに今現在、最新のリアムの声ということになります。

なんだか、声のハリが戻っているような。

そんな気がします。

 

いや、気のせいではないです。

ロンドン五輪ごろまでガサガサの声だったのが、今や2ndアルバムの頃に迫る声質にまでなってきています。特にこのMorining Gloryはキーが高めの曲で、近年のライブだとあまり歌えていなかった様なのですが、この2017年のはすごく良い感じです。

50歳も近いこの時期に来て何故なのかは分かりませんが、これは嬉しい兆しです。子供もできて随分経って、生活習慣が健康的になってきているのでしょうか?

 

Live Forever、歳を重ねたリアムが歌うとまたグッとくる魅力がありますね。

 コメント欄を見ても” Liam is back!”というような書き込みがあり、どうやら長年のファンから見ても「リアム声戻ってきてるじゃん!すげえ!」という感想が多いようです。

また個人的には「(意訳)こんなオレンジのパーカーなんか着ててもこんなに格好いい男はリアムだけだぜ!!」というコメントが愛があってツボでした。

 

ソロ曲もオアシスの延長線上にあり、One Direction が歌詞に登場したりしていて若干きわどい所も含めていい感じです。

オアシス再結成こそ見通しは不明ですが、ソロアルバムの発表もあり来日もするとのことで、まだまだバリバリの活動が期待される方々なので、楽しみです。

もしかしたら、かなりいい時期にオアシスにハマれたんじゃないかと思います。やったぜ。

国産レスポールとバダスブリッジ

こんばんは。

今回はギター改造の話になります。

 

レスポールスペシャル バダス でググった事のあるかた向けの内容です。

僭越ながら、僕はギターを弾きます。

特にレスポールの形が好きで、現在レスポールタイプのギターを3本持っています。

先日、このうちのTokaiのlss93というレスポールスペシャルタイプのギターにバダスブリッジを取り付ける改造をしました。今回はこれについて書いていきたいと思います。

はい。そもそもバダスブリッジってなんじゃいという所ですが、

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これです。この銀色の、弦を引っ掛ける部分ですね。ここのパーツを取り替えました。

元々レスポールスペシャル(又はジュニア)というギターはスチューデントモデルで、パーツを簡素なものにすることでコストを抑えた廉価版です。そのせいもあって、そのままだとチューニングがあんまり合いません。ローコードをじゃかじゃか弾く分には問題ないのですが、ハイフレットの方に行くほどチューニングがずれていくという構造上の弱点があります。

これはブリッジが鉄の棒きれのような単純なものであるため、オクターブチューニングの細かな調整ができないことが原因です。

そこで開発されたのがバダスブリッジです。このブリッジは各弦ごとにコマがついていて、微妙なオクターブの調整ができるようになっています。ブリッジをこれに取り替えることで、ハイフレットの方の音も正確なピッチで弾けるようになるというわけです。

ロックンロールなんてテキトーでいいんだぜ〜なんつっても、やっぱり長年弾いていると微妙なチューニングのズレでたまにイヤな音が鳴るってのはじわじわ気になってくるものです。

豪快なようでいて所々せせこましい、それもまたロックンロールと心得ます。

 

はい。

 

ということで、今回の材料(?)は

ギター・・・Tokai lss-93 

ブリッジ・・・FERNANDES TV バダス タイプ ブリッジ CR 

これに追加として、FIXERのテールピースロックシステムも使いました。

FIXER 1642-N ミリ Nickel テールピースロックシステム

これは何かといいますと、ブリッジをギターに固定するためのワッシャーです。バダスブリッジに交換すると弦高の調整が上手くいかないことがあるとのことで、これでブリッジの高さを固定しました。作業自体は単純なもので、弦を外したらブリッジのネジをドライバーで抜き、代わりのフェルナンデス用のネジを入れてブリッジをはめるだけです。新しく穴を開けたり、既存の穴をさらに深く掘ったりする必要もありませんでした。

 ただ、ちょっと問題だったのがパーツの規格です。実は以前、今回のフェルナンデスのブリッジを買う前にALL PARTSが出しているバダスタイプのブリッジを買って失敗したんですね。というのも、実はALL PARTSのパーツはインチ規格なのに対して、TOKAIのような国産ギターはミリ規格になっていて、違う長さの基準で作られているからです。もちろんコピーモデルなので見た目はそっくりで、実際おおむね同じ寸法にはなっているんですが、問題は規格が違うとネジ穴がはまらないということで・・・。

形はほとんど一緒なのに、ネジ穴が違うばかりにどう頑張ってもはまらないというもどかしさですよ。

しかも通販ではインチ・ミリ規格どっちなのかは書いていなかったりするので、いざ取り付けてみないと分からない事もあります。基本的に国産のパーツはミリ規格で作られているのですが、国産だとはっきり分かるバダスブリッジというのは意外と見つからないものです…。

今回のフェルナンデスは中国製で、正直なところ賭けでしたがどうやらミリ規格だったようで無事に収まってくれました。

 ちなみに、

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こちらが元々ついていたブリッジです。

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こうして並べてみると、つくりの違いがよく分かりますね。

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そして、テールピースロックシステムのワッシャーがこちらです。ちゃんと解説も付いており、分かりやすかったです。ワッシャーは3サイズありましたが、僕は真ん中のサイズの奴がちょうどよかったです。弦高が変わるので、ここは好みによると思います。一応どのサイズを入れても音詰まりはしませんでした。

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改造後の仕上がりがこんな感じです。

見た目にはほとんど変わりませんね。

肝心の音ですが…、やっぱりチューニングが格段に良くなりました!ハイフレットでも違和感なく弾けます。また心なしか、そもそものチューニング精度も上がった印象です。弾いているうちにチューニングがズレていく不具合も減った気がします。

音色もちょっと変わりました。

  

改造前に録音したものがあれば比較になってよかったんですが、すいません、、。

アンプはYAMAHAのTHR-10Cで、iPadGarageBandにつないで録ってあります。

よりジャキジャキしたというか、ハイが強調されてテレキャスに近いような音になった印象です。

恐らく聴くほうからしたらわずかな差ですが、歌に被らない音域に近づいた感じです。弾きながら歌うにはよりよいギターになってくれました。

そして何より、この改造はマーシーもキースも藤くんも施しているものなので、見た目も近づいてちょっと嬉しかったりします。

こいつはそんなに高級なギターではないのですが、何やかんや付き合いも長くなってきたのでこれからもじっくり弾いていけたらいいなーと思います。

機材の良い悪いの基準は世の中様々ありますが、結局は愛着ですね。

「CHUCK」について雑感

 

こんばんは。

2週に1回ペースの更新が板についてきました。

 

さる6月9日ロックの日に、チャックベリーの新作アルバム「CHUCK」が発売されましたね。チャックベリー38年振りの新作スタジオ音源にして遺作でもあるという、非常に大事な作品となること間違いなしの一枚です。

 

個人的な意見ですが、僕は基本的にロックンロールなんてものは、てきとーに気ままに聴きあさってヘラヘラ楽しんだらいいと思うのです。そりゃあ時に名盤中の名盤とといわれているようなものを聴くときなどは、多少心構えを持ってかかることもあるっちゃあります。でも元々は若者文化のサブカルチャーなのであって、そこはテレビをのんびり観るくらいの感覚で触れていいものだと思うのです。

何となくテレビつけたらサザエさんをやってたから観てみた、くらいのノリで聴きたいものを聴きたいだけ聴いて、飽きたら一回置いて他のことやったらいいんです。

この人を知らないでどうする、とかこのアルバムを聴かずしてロックを語るな、とかそこまで気張らなくてもいいんじゃないかな、と。

そう思うのですが…。

 

しかし、いや、チャックベリーは…。

チャックベリーだけは、ロックンロールという文化に触れる上で避けては通れない存在だと思います。ジョンレノンも、ロックンロールという言葉を言い換えるならチャックベリーだろう、と言っているくらいですし。

余談ですが、「ロックンロール 宇宙」で検索するとチャックベリーが関連項目に出てくるのアツいです。

恐らく、宇宙船に人類の音楽文化としてチャックベリーの曲が搭載されたという逸話からでしょう。どっかで宇宙人がロックンロールを聴いているかもしれねえというそのロマンですよ。

 

話が逸れました。ともかくそんなチャックベリーの新作「CHUCK」、発売日に御茶ノ水ディスクユニオンで買ってきました。アナログ盤です。

壁に3枚飾ってあって、そのうちの1枚を連れて帰ってきました。「チャックベリーの新作レコードを発売日に買う」という、それだけでももう今後一生できない体験だと思うと緊張しましたね。

ジャケットは黒い背景に大股でギターを抱えるチャックベリーと、非常にシンプルです。f:id:yoshima_ryoichi:20170619210256j:image

盤についてもシンプルで、白地に簡素な黒文字でCHUCKってタイトルと曲名があるだけ。

それ自体何か意味があるのか、無駄を削ぎ落としきったようなデザインです。

 そういえばチャックベリーってチェスレコードのアルバムが多いと思うのですが、今回これはデッカから出てるんですね。

同梱で本人直筆の歌詞と、晩年に近い姿の写真集が入っていました。ジャケットのチャックは多分今よりやや若い頃のものだと思うんで、ちゃんと今の姿が収められていてよかったです。歳とってるけどやっぱり絵になる、格好よいです。

クレジットを見ると娘や息子、孫が参加しているようで家族の協力があっての作品だったようです。後述しますがサポートってよりもゲストメンバーとしてガッツリ演奏が前面に出ていました。 

そして肝心の内容ですが、

「…あれ?普通に格好いい!!」

というのが第一印象でした。

「普通に」なんていうと語弊がありますが、いや何しろ最近のライブ動画が結構ヘロヘロだったので…。

さすがに90歳ですし、年齢的に歌とか大丈夫なんだろうか、と思っていた節もありました。

しかし、このアルバムに関していえば全然衰えは感じなかったです。元気。

曲ごとに見ると、やっぱりBIG BOY 、LADY B.GOODEあたりがモロにチャックベリー節全開って感じで聴いてて楽しかったです。特にBIG BOY は「これこれ!」と言いたくなるような王道フレーズも入りつつ、コーラスの掛け合いなどは既存曲と比べても非常にキャッチーな印象でした。トム・モレロ参加曲なんですねー。

イントロの歌詞も「俺がお前たちくらいだった頃はよ〜」てな感じで、90歳に言われるとなんだかワクワクします。

チャックベリーというとギターのフレーズが何より有名ですが、実は歌も凄いんですよね。歌詞でしっかり韻を踏んだうえで跳ねるリズムで畳みかけるように歌うので、歌だけでも踊れるようなグルーヴがあります。今回もその魅力が十二分に味わえます。

作詞家としても評価が高いというのもうなずけます。考えてみれば Roll Over Beethoven、ベートーベンをぶっとばせ!なんてフレーズもすっごいパンチラインですよ。

LADY B.GOODEはジョニビグーの焼き直しといってしまえばそれまでですが、ギターに息子、孫が参加しているとのことで親子三代の共演を果たした一曲という点で味わい深いです。

どのソロが誰だろうなんて考えるのも楽しいですね。

この二曲はど真ん中の王道ロックンロールでしたが、ではアルバム全体が最初っから最後までロックンロール一辺倒かというとそんなことはなく、かなり色々な曲があるのも面白いところです。たとえばA面4曲目の3/4 Timeという曲はワルツ調で、ぶんちゃっちゃーぶんちゃっちゃーというリズムの曲です。歌も歌うというより語るような感じで、跳ねるリズムでグイグイ押していくのとはまた違った良さがあります。

Jamaica MoonはHavana Moonの焼き直しにあたる曲でしょうか。ギターの音が複数ダビングされてるのと、コーラスがしっかり入ってるのでHavana Moonよりちょっと豪華ですね。

たしかキース・リチャーズがチャックの曲で一番好きなのがHavana Moonだという話があったので、さぞかしこれを聴いて喜んでいるのではないでしょうか。

 また曲順ラストにあたる Dutchman〜Eyes Of Man、これらも語りかけるような曲調です。

自分の最後のアルバムに、エレキギターを弾き倒すような曲やインスト曲ではなくこういった言葉を聴かせる曲を多く入れているあたり、本人の自己認識としてはギタリストというよりシンガーだったのかもなあとも思います。

 

・・・こう振り返ってみると、過去曲の自己オマージュだったりひたすら喋ってるだけだったり、冷静に考えるとなかなか首をかしげたくなるような事を沢山やってますね。

でもそれが格好良くて、しかも聴き飽きない仕上がりになっているのは流石も流石で、やっぱり大発明だったんだなと改めて思いました。

Bunkamuraのロック展に行ってきた

 

 こんばんは。

先日、渋谷のBunkamuraで開催されていたロック展に行ってきました。

最近やたら展示行ってますね…。なんでだろ。

こちらの展示会です。

「ジェイミー・リードからバンクシーまで」ということで、主にセックス・ピストルズなど70年代パンクロックのグラフィックから、そのパンクやロックの文化に影響を受けたアートの展示というコンセプトのようです。

デヴィッド・ボウイセックス・ピストルズラモーンズ、クラッシュなどの70〜80年代ロックスターを中心に、ビートルズストーンズも含めた幅広い展示でした。

SNSに載せる範囲での撮影OKとのことで、何枚か撮ってきました。

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入口の展示です。ビートルズですね。この展示は70年代中心ということでしたがビートルズ関連の作品も結構ありまして、サージェントペパーズのジャケットのオフショット風絵画や、ジョンやポール直筆の絵など興味を引かれるものが沢山ありました。


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中でもこの4枚は、後期ビートルズの4人の特徴をよく捉えていて素敵だと思いました。

ジョンは見るからに危険な色、ポールはポップながら狂気のある配色で、ジョージはどこか東洋風(インド風?)な幾何学模様とポーズ。そして他と比べて明らかに毒気のない穏やかなタッチのリンゴ。

やー、いいですね。

展示全体を見るとパンクロック、グラムロック、そしてそこに影響を受けたグラフィティアートが多く、特にバンクシーの風刺画はめっちゃパンチ効いてて異彩を放っていました。

 僕は恥ずかしながらまだデヴィッド・ボウイの良さが分かっていなくて、むしろ同時期ならマーク・ボラン派であったりもするのですが、やはり生で大きな絵で見ると迫力があるものです。飾られていたのはAladdin Saneのジャケットだったと思います。

こういう風貌でロックをやるということを全く前例のない1973年にやってのけたというわけで、リアルタイムだったら相当衝撃だったんだろうということは想像に難くないです。

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また70〜80年代つながりか、ツェッペリンラモーンズの絵もありました。

この中央左のジョニー・ラモーンの絵が個人的にお気に入りです。バレーコードを押さえる左手に視線を向けてるあたりが渋い。

 中央右には同じくラモーンズからジョーイ・ラモーン、そして右下にジョージ・ハリスンもいます。白スーツに白ストラトだからソロ時代ですね。わあい。

こうして見ると、この辺りの時代の人達は本当に絵になるというか、容姿からキャラクターが立っていますね。 

個人的に今回は、グラフィティアートなどにもロック文化の影響が波及しているというのが新しい発見でした。それを踏まえて調べてみると、好きなバンドやミュージシャンからまた全然違った分野への掘り下げができるんだろうなーと思います。

どんどん広がっていきます。

忌野清志郎のギター展に行ってきた

 

こんばんは。

この5月中旬くらいの気候が僕は好きです。

 

先日、渋谷で開催されている忌野清志郎のギター展に行ってきました。

正式には「ロッ研ギターショー at Amrita Custom Guitars」ということで、先日発売された忌野清志郎の愛蔵楽器写真集に連動して開催された展示会になります。写真集に掲載された忌野清志郎の使用ギター達を実際に目のあたりにすることができる機会というわけですね。

場所は渋谷のアムリタカスタムギターという楽器屋で、ここは生前忌野清志郎のギターの管理をされていた方が経営している個人のギターショップなのだそうです。オリジナルのギター販売も行っており、このところ仲井戸麗市もといCHABOさんが愛用しているバタースコッチのテレキャスターもこのアムリタ製のようです。

この動画で持ってるテレですね。いい音。

(余談ですが、貼ってるキスマークのステッカーはクロマニヨンズの「キスまでいける」のジャケットのステッカーですね。後輩バンドのステッカー貼るなんて素敵です。)

以前ライブで観たときこのテレキャス一本で弾き語りをする姿が非常に格好良く、後で調べて「CHABOが使ってたギター作ってる、このアムリタってどこのメーカーだろう?なんでフェンダーじゃないの?」と思っていたのですが、清志郎つながりだったならば納得です。

 

話が逸れてしまいましたが、ともかくギター展行って来ました。

お店は大通りから一本奥に入った裏通りにありました。ギターショップというよりは喫茶店かセレクトショップのような佇まいです。お洒落。

一階と二階があって、一階の方の小物の展示は撮影OKでした。

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こんな感じでギターケースが一杯です。ギブソンフェンダーはもちろんとして、カジノやリッケンバッカーといったビートルズを思わせるギターもちらほらありますね。

 ジャズマスターとかもあって、そんなのも使ってたんだなー…と意外でした。

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ギターケースの脇には写真が数枚と、タイマーズのサングラス?と、テレキャスのピックガードが飾られていました。ピックガードはフロントのザグリがP-90サイズなのを見るに、広告にもあった赤いテレキャス(厳密にはエスクワイア)のものでしょうか。テレキャスで赤ピックガードというとウィルコジョンソンで、なんらかリスペクトがあったのかあと…。ウィルコと清志郎て同世代くらいですかね?

二階に上がってみると、清志郎の使用ギターがズラリと並んでいて壮観でした。残念ながらここは撮影禁止ということで、心のフィルムに焼き付ける感じでした。

もちろん今回の展示は写真集で見られるものではありますが、実物はやはり独特の雰囲気がありますね…。付喪神なんて言葉もあり、ひとが使い込んだものには何かが宿るというのも信じたくなります。

肝心のどんな楽器を見たかというところですが、覚えている範囲で

Fender Esquire (ナチュラル?)

Fender Telecaster バタースコッチ

•Les Paul 1960 ゴールドトップ

Fender Jazzmaster オレンジ色?

• Rickenbacker ファイアグロー

Gibson Flying V 

•改造Flying V(V部分切断?)

•Guild bluesbird

•テスコ、グヤトー

•casioのギターシンセ

Gibson アコースティックギター多数

マンドリン

•法螺貝

 などなど…。あとセミアコもいくつかあったかな、意外と覚えてない自分が憎いです。

 

やっぱり目を引くのはゴールドトップのレスポールエスクワイアですね。レスポールは1960年かそのあたりで、いわゆるヴィンテージですね。ただでさえ非常に高額がつけられる年代のもので、まして清志郎の所有物ともなると最早プライスレスの域でしょう。ブリッジがバダスに換装されている以外はハッキリとした改造の跡はなく、金色の塗装が剥げ、緑青がついていて、ボリュームノブも型が古いものがそのまま付いていて、なかなか歴戦の風格があります。

エスクワイアの方も相当年季が入っていて、元々の色が焼けてもはや木目そのままのナチュラルに近い色合いです。エスクワイアはフロントピックアップが無いギターですので、P-90を後からわざわざ取り付けた格好になります。そういえばジョンレノンも同じく、フロントピックアップのないレスポールジュニアに改造をしていましたね。

テレキャスエスクワイアって元々良くも悪くも木の板そのままっぽいデザインなので、年季が入ると尚更古い板切れっぽくも見えます。それがまた渋くて良い感じです。

他に目を引いたものとして、オレンジ色のジャズマスターは珍しいなと思いました。店長さんによると、清志郎がちょうどそのオレンジ色が好きだった頃に手に入れたということで、どうも色で選んだ一本のようでした。

たしかに清志郎って黄色とかオレンジ色とか派手な色のイメージありますね。

また、おそらく高額なヴィンテージギターが並ぶ一方で、テスコなどの比較的安価なギターもあるのが印象的でした。安価なグレードの中でもえてして良い音がするものはあるので、たぶん安い中でも選び抜かれたものだとは思われますが、なんだかちょっと親近感です。中にはcasio(電卓とか作ってる会社のcasioです、最初casinoかと思って三度見しました)のギターシンセなんかもあったりして驚きです。

ギルドのbluesbirdというギターは、店長さんが手にとってその場にいた人達に見せてくれました。このギターの裏には清志郎の子供の写真が貼ってあって、折に触れてステージから観客に見せびらかしていたそうです。でも小さい写真なので、見せられてる方は何だかわからなかったとのことです…。そんなほっこりな逸話を聞いたら「でもそれステージでぶん投げてましたよね、そんでメンバーが慌ててキャッチしたり。」という話がその場にいたお客さんから出てきたりして、面白かったです。

店長さんは清志郎と直の知り合いで、展示に来ていた方もライブに何度も行った人達が多かったようで、ちらほらそんな思い出話を聞くことができました。

他にもV字が叩き折られたフライングV(のようなもの)や、年代物の四弦アコギ、マンドリン、果てはほら貝などユニークな楽器がたくさんありました。

やはり全体的に一風変わった機材が多く、ほんとに愛やこだわりを持って楽器を集めていた人だったんだろうな〜ということが伝わってくる展示でした。

行ってよかった、非常に面白かったです。

 

そして…あの、展示の横にひっそり並んでいたアムリタのオリジナルギターがすごい良さそうでした。

いつか小金ができたら、弾きに行ってみようかな…。チャボと同じギター…。

 

 

ポールマッカートニーを観た

 

 

こんばんは。

GWはリス園でうさぎと戯れていました。

 

今更になってしまいましたが…。

ポールマッカートニー、4月30日の東京ドーム公演に行ってきました。今回はその感想です

いや、もう、凄かったです。

まずセトリは、

01. A Hard Day’s Night
02. Junior’s Farm
03. Can’t Buy Me Love
04. Jet
05. Temporary Secretary
06. Let Me Roll It
07. I’ve Got a Feeling
08. My Valentine
09. 1985
10. Maybe I’m Amazed
11. We Can Work It Out
12. In Spite of All the Danger
13. You Won’t See Me
14. Love Me Do
15. And I Love Her
16. Blackbird
17. Here Today
18. Queenie Eye
19. New
20. The Fool on the Hill
21. Lady Madonna
22. FourFiveSeconds
23. Eleanor Rigby
24. I Wanna Be Your Man
25. Being for the Benefit of Mr. Kite!
26. Something
27. Ob-La-Di, Ob-La-Da
28. Band on the Run
29. Back In The U.S.S.R.
30. Let It Be
31. Live And Let Die
32. Hey Jude
encore
33. Yesterday
34. Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)
35. Get Back
36. Hi, Hi, Hi
37. Golden Slumbers
38. Carry That Weight
39. The End

 

以上の通りです(http://nme-jp.com/news/37437/より引用させていただきました)。

 

いや、39曲て。

これだけの曲数を、ほとんど休憩なしで演奏しきるだけでも凄まじいことです。ポールマッカートニー今年で75歳ですが、全く年齢を感じさせないですね。

良かったところはどこかっていったら全部なのですが、もう最初の A Hard Day’s Nightの不思議な一音目から、「やべえビートルズの人来た!目の前にいる!」って感じで鳥肌でした。

Can’t Buy Me Love、We Can Work It Out、Love Me Doあたりのビートルズ時代の曲では特に、これは現実かと疑うくらいで夢見心地でした。

しかし、パフォーマンスが数十年前のCDやレコードと比べても聴く限り全く落ちてないのが驚きです。なんだか80〜90年代くらいのライブ映像からそのまま抜け出してきたような、まさにバリバリ現役のポールマッカートニーそのものという印象です。。

本人も「Sgt. Pepper’sから50年なんて信じられない!俺はまだ52歳だよ!」なんて言ってましたので、ポール自身の感覚としてもそんな感じなのかもしれません。

 

 さて演奏に関して、まず楽器についてですが、お馴染みのヘフナーベースやギブソンレスポール(サンバーストとサイケ柄の二種が登場しました)、アコースティックギター、ピアノそしてマンドリンと曲ごとにとっかえひっかえ演奏されていました。個人的にはレスポールをギターボーカルで使っているのがツボです。なんとなくスタンダードのレスポールは歌いながら弾くには向かないという通説ですが、ポールがやってるなら間違いないです。

そして何より、歌がやっぱりすごい強いですね。メロディ重視の繊細な歌い方から激しいシャウトまで非常に幅広く、それぞれが曲に非常によくハマっているのは流石としかいいようがないです。

ビートルズが成功した理由は様々だと思いますが、何だかんだいっても歌が上手かったからというのがかなり大きいんじゃないかと思います。上手いといいますか、激しさも優しさもスッと人の心に届けられるような、そんな不思議な力がありますね。

 また、年齢を感じさせないパフォーマンスとはいえ、所々で年月の経過を感じさせる場面もありました。この曲は奥さんのために作った曲です、この曲はジョンが亡くなった時の曲です、この曲はジョージの曲で、マンドリンを持ってジョージの家で弾いたりしましたよ、というような次第ですね。なんだかショー全体で1人のひとの人生を垣間見ているようで、感慨深かったです。

また当時非常に険悪な雰囲気の中で製作されたというOb-La-Di, Ob-La-Daが普通にみんなで楽しく歌う曲として演奏されていたりもして、これは今この時代だからこそ観られるショーなんだろうなと思いました。

 

 ビートルズ時代の曲ばかり挙げてきましたが、Bund On The RunやJetなどのウイングス以降の曲もやはり良かったです。予習した甲斐がありました。また、Newなど最近の曲もちゃんと演奏されていたのもポイントです。おそらく一番新しかったのはFourFiveSecondsで、この曲はバックに歌詞が表示されてとっつきやすいようになっていました。おそらく昔の曲を聴きたくて来ているファンが多い中で、その期待に応えつつも、一方では新しい曲を聴かせる配慮もなされているというわけですね。

 前回も触れましたが、やはり凄いアーティストは過去に大きなヒットがあっても懐古主義的にはならず、時代時代で新しいことを求めるものなんだなと改めて思いました。

とはいえ、やはり最後はLet It Be、Hey Jude、YesterdayそしてGolden Slumbers~Carry That Weight~The Endのメドレーと定番の流れで、これはもう圧巻でした。

ここに関してはもう書きようがないです。

こんな体験ないですよ。

 

はい。

 

改めて振り返っても演奏もセトリも最高だったし、ポールマッカートニー本人も2時間以上のショーでずっと上機嫌ふうで、あったかい人だったなーと思います。

年齢的にもこれで最後だろうなと思って今回行きましたが、またくるよーって言ってくれてて、なんだかそれも信じたくなるようなショーでした。

来てくれるといいな。