ロックンロールで一夜漬け

ロックンロールで一夜漬け

音楽に踏み込む探検日記

Tetoを観てきた

こんばんは。

今年初の更新になります。
平成最後の一年、どんな年になるのやら。

 

年末に、幕張のロックフェスcountdown japanに行ってきました。フェスで年を越すのも今年で3回目になり、そろそろ過ごし方にも慣れてきた気がします。
色んなバンドを観ることができてとても楽しかったのですが、特に強烈だったのがtetoというバンドです。

はい。結成して2年でいくつかの大型フェスに出場し、また年明けにはバズリズムでTV出演も果たしたということで現在非常に上り調子のバンドです。
地下室TIMESで記事になっていたのを偶然見て名前は知っていたのですが、ちゃんと聴くようになったのはここ最近です。というか、新しい曲ほど良くなっていってるような印象です。
まだEPが一枚とミニアルバムしかリリースされていなくて、しかもEPは完売していて手に入らない状況なので、すぐに全部聴けてしまいます。僕は年明けからこのミニアルバムを何遍も聴いています。いや全部良い。

良いなあと思う所は色々あるのですが、まず刺さるのはボーカルの歌、そして歌詞でしょうか。歌詞というより詩にメロディを付けていると言った方がいいような感じで、詩だけでも一つの作品になりそうなくらい言葉選びがとてもいいです。すごく早口で情報量が多いんですが、それも相まって、色んな思い出や景色が頭の中でワーッと湧き上がって堪らなくなる時の気持ちを呼び起こされます。
多くの曲で聴けるサビのシャウトも最高です。

また、他の楽器も歌に負けないくらい個性が強いのがいいところです。
ギターは、まずぶっ飛んだルックスと動きが目を引きますね。これはMVだから普段以上に派手に動いてるのかなあと思っていたのですが、ライブで観たら本当に映像そのまんまの暴れっぷりでびびりました。むしろライブの方が激しいくらいで。
肝心の演奏の方は、ピストルズなどの古いパンクや、またはアジカン位の頃のロキノン系の匂いのするギターで、個人的に凄くツボです。
まさにエレキギターに憧れ出したころに流行ってたギターの音って感じです。
誰に似てるかっていえば、ピート・タウンゼントでしょうか…。パワーコードアルペジオ主体だし、暴れるし、SGとレスポールだし。

ベースは初心者だそうで、なのにリッケンバッカー持ってるからやっぱ普通じゃないです。
リッケンバッカーというのは、物凄く弾きにくいけれども独特のぶっとい音が出るから一部の人に人気、という曲者のベースです。まず初心者が選ぶものではないので…。はい。
横2人が大暴れしてる中でクールに真顔で弾いてる様がいい感じです。
ドラムもドラムで、セット壊れるんじゃないかってくらいの叩きっぷりです。こっちもこっちでライブで見てて手が千切れるんじゃないかと心配になります。アヒトイナザワみたいですね。
何となく、ナンバーガールを思い出すバンドです。

このMV、演奏だけのシンプルな動画ですがそれで逆に個性が出ていて好きです。
コーラスでイケメンのベースと目つきがヤバいギターとが代わる代わるに写るところとか、ギターがふたりともスイッチにガムテープ貼ってる(=暴れても音が変わらないための工夫)ところとか、ビッグマフ(=ギターが滅茶苦茶歪むエフェクター)を踏むカットが入るところとか、最後演奏そっちのけで暴れ出すところとか、どこをとっても最高です。超激しい。
これを見て聴いてギター始める中学生とかいそうです。
リードギターがアンプ直に近いガツンと歪んだ音で弾いて、ボーカルギターはクリーン〜クランチくらいの音に空間系のエフェクトかけてバッキング、という棲み分けも分かりやすくて良いですよね。

ライブで観た時は、サウンドチェック含めてもミニアルバムのdystopiaの曲とMVで公開されている高層ビルと人工衛星、そしてpain,pain,painでほぼ網羅できるセットリストでした。
最初っからもう36.4℃のMVのラストのような暴れっぷりからスタートして、音源以上に熱の入った音で。特にやっぱりボーカルがフィードバック起こしまくりでノイズだらけのギターをぶら下げてめっちゃ叫び倒してて、格好良かったです。MCでも突然「ロックンロールは50年以上同じ歴史を繰り返しているんだ。」と言い出したり、テンションで振り切って喋ってる感じで良かったです。思えば向井秀徳も、ナンバーガール時代は観客置いてけぼりだけど何故か熱くなる不思議なMCでした。僕はああいうのが大好きです。

ネットで読める範囲の評判では銀杏BOYZandymoriなどに似ていると言われているようですが、僕はそこ2つはあまり聴いたことがないので良く分からないです…。
ただ何といいますか、「1世代前のギターロックをパンクにやってるバンド」というような気はします。
「パンクロック」という音楽ジャンルという事ではなくて、やり方や姿勢がどパンクだなと思います。
好きなものにムリヤリ繋げますが、例えばオアシスがビートルズなど60年代のバンドに基づいたロックンロールを、それより更にガンガンに歪んだギターと声で90年代に叩きつけたような。そういう姿勢のように感じます。

それ自体は前例もあるわけで、それを今の日本でやったろうと思いつく事自体はできうると思うんですが、それをここまで格好良く見せつけられるバンドはそうそういません。

ナンバガアジカンあるいはバンプで育った世代からすると、そういえばロックってこうだったよな!!と改めて思い出させてくれるバンドです。かといって懐古的な感じは全くなく、今の10代にも刺さるような新しさもあると思います。

今年シングル出してツアーとのことで、絶対買ってツアーも行きたいと思ってます。楽しみです。